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59話 グルメリポート(地獄)

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日は昨日作った危険食材を使った料理を試しに誰かに食べさせようと思っている。


 工事現場で使うような台車を借りてきて危険食材を使った料理を運搬しながら新緑都市アネイブルをブラブラしている。

 誰か手頃なやついないかな~



 そんなことを考えていると上空からチャラそうな男が降ってきた。

 おっ、なんか俺がプレイヤーキルしたことありそうな顔してるな!

 ……誰だっけ?


 「ちょっwww

 忘れるの早すぎでしょwww

 俺だよ俺!」


 ……チャラそうな男をじっと見つめる。

 手には風船、腕にはシルバーを巻いている。


 あっ、シルバー巻いてるってことはお前は【風船飛行士】だな!

 そうだそうだ、そんな顔だったな。


 「おまっwww

 普通風船の方を見て思い出すだろwww

 それをまさかシルバーの方を見て思い出すなんてワロリングwwm」


 いや、シルバーもっと巻いたほうがそれっぽい感じだから覚えてたんだよな。


 「……だからシルバーはこれ以上巻かないって言ってるだろ」


 なんでこいつはシルバーを追加で巻くのをこんなに拒むんだろうか。

 口調がマジトーンでちょっとこわい。


 まあ、それは別にいいや。

 俺の興味の範疇でしかないし、中途半端なシルバー野郎って覚えておけばまた忘れても思い出すだろう。


 あっ、怒らせたお詫びに俺のお手製料理をあげちゃうぞっ!(ハート)

 指でハートマークを作って【風船飛行士】に食べてほしいアピールをしていく。

 貴重な被検体をここで逃がすわけにはいかない!

 こいつは東のトッププレイヤーだし、何か面白いものでも見られるかもしれないしな。


 「おっおっおっwww

 めっちゃ違和感あるけど、見た目通りのこともたまにはしてくれるんだなwww

 テンションアガリングwww

 雰囲気とか口調がガサツだから意外だったわwww」


 よ、よけいなお節介だ……

 俺は被検体をこの場から逃がさないためにも営業スマイルを崩さないで、必死に悪態をつきそうになるのを抑える。

 こらえるんだ……こらえるんだ俺!


 じゃ、この一番ヤバそうな紫毒茄子の麻婆茄子をこの【風船飛行士】に進呈しよう。

 ほい、このレンゲつかって食べるといいぞ。


 「サンクスwww

 おっ、これはいい感じのかwwwらwwwさwww

 ……!?

 ンゴォォォォォォ!?

 オエェェェェ……お前毒を盛りやがったな!?

 許……すまじ……」


 出会って3秒でプレイヤーを倒してしまう紫毒茄子さん恐るべし……

 面白い断末魔が新緑都市アネイブルに響き渡り、【風船飛行士】は喉をかきむしるようにして死に戻りをした。


 これはいい!

 このプレイヤーキルの方法はゾクゾクしちゃうね!

 最後のあの必死そうな表情がそそったわ。


 いや~満足満足!


 次は誰に危険食材を使った料理を食べさせようかな……

 おっ、ボマードちゃんいいところいるじゃん!

 この魚肉ハンバーグ食べない?

 作りすぎたんだけど!


 俺の前に現れたのはけしからんものを2つお持ちのタンクトップロリだ。

 いや、なんかシースルーっぽいタンクトップ着てるな今日は。

 いったいどうしたのやら。


 こいつは直接プレイヤーキルすると俺にデバフかかるからキルするのをある程度避けていたが、今回は俺がお前にデバフかけてやるぜ。

 デバフの魔法をかけちゃうぞ!


 「いやー、【包丁戦士】さんの手作り料理ですか!

 作りすぎたといいつつ私に食べさせるためにあえて多く作ったんじゃないんですか~?

 このツンデレさん!」


 だ~れがツンデレさんじゃ!

 俺は殺傷系だ。

 ……まあ、ある意味では誰かに食べさせるため(悪意)に多く作ったから間違いではないのがちょっと悔しい。


 「やっぱりそうなんじゃないですか~!

 いやー、【包丁戦士】さんの料理は美味しいですから実はまた食べたいなと思ってたんですよ!

 嬉しいですね~!」


 ほう、そんなに楽しみにしてたなら存分に味わうといいぞ。

 そんなことを口にしつつ、台車の中から包み紙に包まれた魚肉ハンバーグをボマードちゃんに差し出す。

 

 「ほほうっ!

 いやー、なんか大きくて食べごたえがありそうですね!

 私に食べきれるかな……?」


 いけるいける!

 早く食べて感想でも聞かせてくれ。


 「いやー、やけに急かしますね……?

 ではいただきます!」


 かぶりと豪快に魚肉ハンバーグにかぶりついたロリ巨乳。

 いい食べっぷりだな。


 「味が染み込んでいて美味しいですね!

 ん、中に何か入って……?

 んはっ!?げほっげほっ……

 ふええ何ですかこれ、口から煙が出てきてるんですけど!?」


 ゲホゲホと咳き込み始めたボマードちゃんの口からどんどん煙が出てくる。

 光線を吐いたあとの怪獣みたいに異様な光景が目の前で繰り広げられている。


 「いやー、水もらえませんか?

 げほっ、やけに喉が渇くんですけど!」


 持ってないと答えたらどこかへ去っていってしまった。

 煙を吐きながら走っていく姿はまるで機関車のようだな。

 機関車ボマードちゃん……シュールだ。


 さて、試したいやつはあと1つだけか、これで今日はおさらばするとしよう。


 拡散スイカのガラス瓶を地面に思い切り叩きつけ大爆発を起こし俺は死に戻りと同時にログアウトした。

 爆発オチってね。


 瓶の破片と種が当たって痛いな、おい……












 爆発オチなんて最底辺種族!……ですね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 食べさせて殺すのはいいですねぇ
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