表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

578/2210

578話 決戦前コラテラルダメージ決起集会

 とりあえずはぐれプレイヤーは引き込んだし、俺のクランメンバーたちに声をかけていくか。


 「先輩、遅いッスよ!

 どこ行ってたッスか?」


 まずは【バットシーフ】後輩か。

 別にログインして来るのが遅かったわけじゃないぞ、ただ先に【検証班長】とチーム編成のことについて聞いてたから合流が後回しになったってわけだ。


 「ふひひっ、今回の戦いで戦死者が大量に出るのは楽しみですねぇぇ……

 あてぃしのコレクションが潤うこと間違いないですからぁぁ……」


 【骨笛ネクロマンサー】は相変わらず骨粒を集めることが今回の目的のようだな。

 他の連中が死ぬのもお構い無し……というよりそれを望んでいる時点で気合いの入る方向性が真逆である。

 ちょっと、心配になってくるな……


 「フェイちゃん、とうとう諸悪の根源の次元天子を倒すときが来たね。

 ここでこれまでの災禍の縁を断ち切ろう!」


 【は、はい!

 憎き次元天子を討ち取り、世界に深淵の力を広めていきましょう!】


 【フランベルジェナイト】と【フェイ】はある意味【菜刀天子】討伐のモチベーションが一番高そうだな。

 もっとも、他のプレイヤーたちとは違って深淵種族寄りの思考で、【菜刀天子】を敵視しているからだからな。

 それでもこの天才肌の【フランベルジェナイト】が全力なら心強い。



 「この天子王宮にはじめて入ったときは【包丁戦士】さんと私の二人だけだったのにいつの間にかこんなにも入れるようになってたんですね!

 いや~、時が経つのも早いですね~!

 その間にも【包丁戦士】さんと私はより密接な関係になりましたね!ラブラブですよ!」


 いや、ラブラブって……何処から出てきたよその発想……

 まあ、密接な関係になったっていうのは否定しないがな。

 ボマードちゃん本人ともそうだが、それ以上にボマードちゃんの体に巣食う深淵種族ジェーライトは俺と一心同体という扱いになっているからな。

 他人事ではない。


 「ガハハ!!!

 ようやく真の意味で新緑都市アネイブルを解放できそうだな!!!

 ワシとしても一層気合いが入っているぞ!!!」


 こいつは俺と同じ方向性でやる気を出してくれているな。

 流石は俺の相棒だ!


 「なんだかんだ俺たちもこの戦いに参加できるのってラッキーじゃね?」


 「【包丁戦士】さん様々ですわ~

 いよっ、クランリーダー!」


 「拙者、【包丁戦士】好き好き侍。

 義によって助太刀致す次第で候」


 「拙僧も笛の音を戦場に響き回させますぞ!」


 【ハリネズミ】のメンバーもほとんど参加できるようになったのはよかったな。

 たまにこいつらのプレイに同行してアイテムを集めさせていたのがここで活きた形だ。

 純粋にプレイヤーの数が増えたという意味で、こいつらの参戦は重要な意味を持つだろう。

 






 それで、お前たちに今回の作戦を伝えようと思う。

 ズバリ、それぞれ得意なことを主軸に動いてくれ!


 「先輩、それってなげやりッスか!?

 いつも以上に作戦が大雑把ッスけど!?」


 「【包丁戦士】さんも中々面白いこと言いますね~

 いや~、つまり作戦無しってことですよね~!」


 チッチッチッ、それが少し違うんだよな。

 今回は今までよりも敵が強大だからな、変に枠に当てはめて行動すると絶好の攻撃チャンスを逃す可能性がある。

 このクランメンバーはやけに尖った性能のキャラクター……という育成の仕上がりになっているし他のクランよりも顕著だろう。

 攻撃に特化したキャラクターに防御も並行して行わせるよりも、ひたすら攻撃させたほうが結果的に上手くいく……みたいなイメージだ。



 だからこそ、クラン【コラテラルダメージ】はダメージの上振れ幅を常に狙い続ける戦術でいくというわけだ。

 決して俺が作戦を考えるのが面倒くさくなったってわけじゃない。

 本当だからな!


 「ふひひっ、あてぃしは作戦なんて分からないですし元々団体行動が得意じゃないのでちょうどいいですよぉぉ……」


 「フェイちゃんと自由に動けるなら俺としても大歓迎だよ」


 【そ、そうですね!】


 

 各々、俺が言った意味を理解してくれたみたいだ。

 だが、途中途中で俺が指示を飛ばすことがあるだろうから、それには従ってもらおう。

 一応俺がお前らの指揮を担当することになっているから、他のクランからの最新情報が俺にまとめて届くようになってるし状況に応じて最適行動もある程度は変化するのを見越す必要がある。


 「ガハハ!!!

 つまり、いつも通りということだな!!!

 分かりやすくて助かるわい!!!」


 「拙者、【包丁戦士】好き好き侍。

 【包丁戦士】さんから指示をいっぱい貰いたいで候」


 「お前は相変わらずブレないで【包丁戦士】さん好きだよな」


 「気持ちは分からんでもないけどなw」


 「拙僧は後方支援をメインに動くのである!」


 


 ……まあ、お前らが楽しそうならそれでいいわ。

 ゲームなんだし、気合いは入れつつも根を詰めないようにパーっと派手にぶちかまそうじゃないか!



 「「「「「「「「【おー!!!】」」」」」」」」







 そろそろですか。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ