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569話 後輩からの相談とか

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は【バットシーフ】後輩に聞きたいことがたまってきているから、この際に聞いておこうと思って昨日のうちに呼びつけておいた。







 というわけでやってきました、新緑都市アネイブルのほのぼの市場!

 ここでいつものように噴水前で集まった後、横一列になって二人で歩き始めた。


 「先輩どうしたッスかいきなり呼びつけて?

 こんなに急に呼び出すことってあんまり無かったッスから驚いてたッスよ!」


 まあ、【菜刀天子】との決戦も近いからな。

 戦いが始まる前にクランメンバーの様子を確認しておこうと思っていたんだ。

 総力戦のために主力メンバーのスケジュールが合うのが一週間くらい後になるって話だったから、それまでにクランのリーダーの俺は情報を纏めておくのが定石だろ?



 そんなことを【バットシーフ】後輩に説いていると、意外なものでも見たかのように目を白黒させながら呆然としていた。

 どうした、そんな顔して?


 「いや、先輩にしては珍しく常識的なことを言ってると思ったッスよ!?

 リーダーとしての責任感とか定石とか。

 今までもやってはくれていたッスけど、明言するのは珍しいッスから」


 ……言われてみるとそうかもしれないな。

 わざわざ宣言してやるほどのものでもなかったというのもあるが、今回はより気合いを入れているからな。

 極上の相手を料理してやろうっていうんだ、下ごしらえくらいして挑まないとバチが当たるってもんだろう。


 「いつもの忘れたときにやってくる料理系生産プレイヤーアピールッスね?

 先輩の料理は実際美味しいのは会ったときから知ってるッスから、フリだけじゃないのは分かってるッスけど露骨過ぎないッスか?」


 最近【槌鍛冶士】にアピールが足りてないって言われたばかりで少し気にしてしまっているからな。

 せめて料理でクランに引き込んだお前くらいにはアピールしておきたくてな。


 「なんッスかその面白い理由は!?

 先輩ってやっぱり変わってるッスよね、アバターもプレイヤーキラーっぽくないッス。

 喋らなかったらお城とかに住んでてもおかしくない見た目なのに、本当に変わってるッスね」


 城に住むのはどう考えても性分に合わないからな。

 それにこのアバターは俺が一番動きやすいようにしてあるからな。

 プレイヤーキラーとして、動きにくいのはノーサンキューだからな!


 「俺っちもアバターは動きやすいようにしてるッスからね。

 【裏の人脈】のメンバーも全員そうしてたッス!」


 クラン【裏の人脈】か……

 何故か他のクランメンバーである【バットシーフ】後輩も含めた四天王的な立ち位置のプレイヤーが取り仕切っているクランらしいが、掲示板を見るとネタ集団扱いされることが多いらしいな。

 役割としては【検証班】のようなものみたいだが、メインの活動としては人材紹介をしてその仲介料をもらったりしていたりもするらしい。


 たしか、チュートリアル武器交換サバイバルイベントでは【バットシーフ】後輩も含めた幹部の四人全員が【フランベルジェナイト】に敗北するという情けない結果になってたな。


 「先輩も知ってるんッスか、それ……

 四人で一緒に行動してたわけじゃないッスから、偶然そうなったんッスけどあいつはやっぱり強いッスよ」


 ……まあ、元レイドボスがプレイヤーとして擬似的に転生した存在らしいから、そりゃ戦闘にも慣れてるだろう。

 この辺の事情はややこしいので誰にも話す気はないけどな。

 

 ちなみに、【バットシーフ】後輩はどのスキルをストックしてイベントに挑んでたんだ?


 「えーっと、たしか機動力確保のための先輩から盗んだ【天元顕現権限】と、もし先輩と戦いになったときのために【荒野の自由】から盗んでおいた【ジャッジメントバレット】、そして【裏の人脈】のメンバーにいる幹部の1人【モーニングスターシスター】さんのability【無視安寧】ッスね」


 【天元顕現権限】は【バットシーフ】後輩が常習的に盗んでいるのでこいつは気に入っているんだと思っている。

 実際、デメリットなしで自由に飛行できる翼が手に入るスキルだから使いやすいんだろう。


 【ジャッジメントバレット】のチョイスはどうなんだろうか……俺対策としては確かにいいのかもしれないが、これを持ってくるなら【短弓射手】のスキルである【レインボウ】とか【シューティングスター】を盗んできた方が同じ遠距離攻撃としても潰しが利いた気がする。

 この辺の選択が甘いのは相変わらずだな。



 そして、俺が全く知らないability【無視安寧】だ。

 さっき考えていたクラン【裏の人脈】のメンバーが関わっているらしいが、どんなabilityなんだろうか?

 前に俺と【フランベルジェナイト】、【バットシーフ】後輩、【骨笛ネクロマンサー】の四人で【荒野の自由】に挑んだ時に【バットシーフ】後輩が一瞬使っていたが効果を確認する前に死んでしまったからな。


 「あー、そういえばそうッスね……

 あれ奇妙なんッスよ」


 ?

 何が奇妙なんだ?


 【バットシーフ】後輩が腕を組みながら考え込んでいたので聞いてみることにした。

 

 「ability【無視安寧】はある条件下で無敵になれるスキルなんッスよ!

 それなのに【荒野の自由】相手にabilityを発動しても瞬殺されちゃったッスからね」


 無敵になれるabilityだったのかあれ!

 あの局面で使うってことは攻撃系かと思っていたが、【バットシーフ】後輩は予防として使ったってことだな。

 似たような系統では、蛇腹剣次元のパジャマロリ……【マキ】も無敵になれるabilityを持っていた。

 でも、そのabilityが突破されたってことは……



 ①【バットシーフ】後輩がabilityの条件を満たしていなかった

 ②【荒野の自由】の攻撃が無敵を貫通してきた



 どちらかだろう。


 「abilityは一応発動してたッスよ。

 何回か使ってるabilityッスから使えるのは分かってたッス、それに発動したって感覚はあったッス」


 となると、【荒野の自由】の攻撃が無敵貫通だったってことだが。

 無敵貫通というのは厄介な能力に思えるかもしれない、だが、このゲームで無敵になれるスキルをプレイヤー全員が自由自在に使えるってわけじゃないからそんなに警戒はしなくてもいいだろう。


 まあ、【バットシーフ】後輩は別のスキルやabilityをストックしておく必要が出てくるがな。


 「なるほど、その考え方は無かったッスね!

 流石先輩!疑問が解けたッス!」


 こうやって後輩の面倒を見てやるのも先輩の役目ってことだな。






 劣化天子の貴重なマトモなシーンですね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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