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562話 料理のコツは仕込みから

 「さて、頼みの綱の【次元天子】が消えたわけだけど遺言はあるかな?」


 ふん、遺言か……

 それは俺が聞いてやろうか?


 確かに【菜刀天子】は消えたが、お前こそ【菜刀天子】の攻撃を何度か直撃していてボロボロじゃないか。

 対して俺はかすり傷しかない。

 ……いや、若干腕が抉れてたりはするけど、戦闘には支障が無いからここはあえてかすり傷と言わせてもらおう。


 このコンディションの差があれば俺でも勝ち目があるんじゃないか?


 「……無いとは言わないよ。

 さっきの【次元天子】の攻撃で僕の上位修練装備も解除されてしまったし、かけていたはずのバフも全て剥がされてしまったみたいだからね。

 あの【次元天子】……死に際に僕を倒すことよりも確実に弱体化させることを目的に【伝播】の力を多用していたのか……

 ここまでやるとは思っていなかったから、僕は少々見くびっていたかもしれないね」


 それを【菜刀天子】が聞いたら「底辺種族に言われるまでもなく私は至高の存在なので当然です、もっと敬いなさい」とか言いそうだ。

 だが、ここにはその【菜刀天子】はもういない。


 俺が代わりにこいつを懲らしめてやらないとな!

 【菜刀天子】に捧げるレクイエムってところだ!



 「君が僕に勝てるか見物だよ。

 大罪スキル発動!【正義体現】!」


 【ランゼルート】は今まで重ねてきたバフが一気に剥がされたので、新たな【正義】の大罪スキルで再強化を図ってきた。

 これまでのやつとは違うスキルだから、【正義】の大罪スキルはクールタイムが長いのかもしれないな。


 【ランゼルート】が新たに使ってきたスキルによって、【ランゼルート】の鎧に光が宿る。

 ……防御バフか?


 とりあえず、あいつはもうボロボロなんだ。

 あと一歩攻め込ませてもらうぞ!

 スキル発動!【渦炎炭鳥】!


 【スキルチェイン【天元顕現権限】【渦炎炭鳥】】


 【追加効果が付与されました】


 【スキルクールタイムが増加しました】


 

 俺は【燃焼】の力を持つスキル【渦炎炭鳥】を発動し、【天元顕現権限】とスキルチェインさせていく。


 本来であれば緊急回避用のスキルだが、天子の力を介すると赤色の魔法陣が移動経路に出現させることができ、そこから火柱を放つことができるのだ!


 「それは僕に大ダメージを与えたスキルのうちの1つだね?

 験担ぎにはいいと思うけど、真っ正面からなら対処はできるよ!

 スキル発動!【底辺廃退】!」


 【ランゼルート】は新たにスキルを発動し、俺の攻撃を打ち破ろうとしてきた。

 名前からすると【底辺種族】用に【ランゼルート】が生み出したスキルだな。


 無色の光が聖剣に宿り、火柱を切り裂いていく。

 そして、聖剣が触れたところから火柱が崩壊していっている。

 切り裂くというよりはボロボロに崩れていっているというのが適切な表現か……


 というか、火柱を崩しながら迫ってくるなっ!?

 俺が攻撃していたはずなのにいつの間にか攻め込まれているって恐怖でしか無いんだからなっ!?


 こうなったら早急に次なる手を打たないといけない。

 ……よし、居るな。

 まずは、ここで【生命花】を設置してだな……

 ……スキル発動!【波状風流】! 


 【スキルチェイン【天元顕現権限】【波状風流】】


 【追加効果が付与されました】


 【スキルクールタイムが増加しました】




 俺は風の流れを作り出す核を両翼の後ろに設置し、【ランゼルート】が迫ってくるよりもはやく上空へと逃げ去った。

 そして、 スキル発動!【天元顕現権限】【渡月伝心】!




 【スキルチェイン【天元顕現権限】【渡月伝心】】


 【追加効果が付与されました】


 【スキルクールタイムが増加しました】



 俺は距離を取って攻撃出来る姿勢になったので、すかさず【伝播】の力を粒子に変えて銀光で【ランゼルート】を包囲していく。

 包丁のごとく周囲のものを切り裂いていく粒子たちに囲まれた【ランゼルート】は覚悟を決めたように口を開いた。



 「ここで勝負を終わらせるよ!

 僕の必殺技さ、スキル発動!【必殺名技】!【聖突破魔剣】!

 さらに【修練技上位解放】!【神聖底突破邪剣撃(アポリア)】!」


 【ランゼルート】は聖剣に無色、銀光、黄金色の粒子をそれぞれ宿しエネルギーを集約させていっている。

 

 ……あれは不味いと俺の五感全てが警笛を鳴らしており、多分だが回避しようとしたらその一瞬を突かれて敗北してしまうという謎の自信すらあった。


 

 俺は銀光がぶつかりつつも一向に倒れない【ランゼルート】にしびれを切らしている。

 はやく、あの攻撃が放たれる前に倒さないと……

 しかし、その想いは届かなかったようで三色の粒子が入り雑じった聖剣による極大ビームは周囲の森も巻き込みながら俺諸とも光の粒子となって消えていった……


 くそっ、あんな攻撃防げるわけないだろ!










 「ふう、なんとか勝てたね!

 【ガルザヴォーク】が復活したり【アイシア】が負けた時にはどうなるかと思ったけど……

 それで、残ったのは君かな?」


 「にゃにゃっ!?

 バレてたのら!?」


 「隙を狙っているのは分かっていたけど、後回しでも良さそうだと思ったからね一旦放置させてもらっていたよ。

 それで、君がここにいるってことは牽制のために送り込んでいた【ラクヨウ】は負けちゃったのか……」


 「【ラクヨウ】しゃんも強かったのらよ~

 【ペグ忍者】もまともに身体動かせないのら……今も聖獣の力で無理やり動いてきているだけなのら」


 「その状況で僕に勝とうとするのは無謀だよ。

 体力はもう僅かだけど、動けない君よりはましだからね」


 「……と思うのら?

 実は【ペグ忍者】の役目はもう終わってるのらよ!」


 「これ、は!?」


 【ペグ忍者】と話していた【ランゼルート】は地面から突き出てきた岩の花弁によって胴体を突き破られて、宙へと打ち上げられていきながら粒子となって消えていっている。


 「【包丁戦士】しゃんが途中で目配せしながら【花上楼閣】を密かに使った瞬間に仕込みに気づけて良かったのら……

 これが無かったら普通に戦って負けてたのらよ……」


 【包丁戦士】が【波状風流】を使う前の一瞬で【生命花】を地面に咲かせていたことに気づけていたのは、外から傍観していた【ペグ忍者】だからこそであった。

 【包丁戦士】がこれまで温存していた聖獣たちのスキルを惜しみ無くスキルチェインによって使い潰していった意図は、この【花上楼閣】による置き玉を隠蔽することであったのだ。





 【ディメンションバトル】



 【包丁の煌めき】


 【聖剣の衰退】




 【陣営が全滅しました】



 【【包丁次元】WIN!】



 【【包丁次元】が1位に昇格しました】


 【【聖剣次元】が2位に降格しました】



 【勝利報酬は王宮にて選択してください】





 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:正義】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が70になりました】




 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力が返還されます】


 【それぞれの次元へ送還します】







 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[一言] 手に汗握る熱い戦いだった。 おかげで何度も風呂に入りにいくタイミングを逃したぜ
[気になる点]  これまでのやつとは違うスキルだから、【正義】の大罪 スキルはクールタイムが長いのかもしれないな。 変な改行があります
[良い点] 自分の死をもカモフラージュにしての攻撃良いですね それを察して役目を果たしてくれたペグ忍者もナイスです [一言] ついに1位ですか 10位から快進撃をつづけて来ましたがここまで500話もあ…
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