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56話 考え込む人々

新年明けましておめでとうございます!

今年もボトムダウンーオンラインをよろしくお願いします!

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 というわけで渓谷エリアから新緑都市アネイブルにある王宮に戻ってきた。

 おっす【菜刀天子】、元気にしてたか?


 「底辺種族のあなたに言われなくとも元気ですが……

 それで渓谷エリアに行ってきた感想はどうですか?

 サポートAIとしてプレイヤー意識調査をしてほしいと言われているので答えなさい」


 命令口調でされる意識調査ってはじめて受けたな……

 まあいいか、こんな感じのやつがあるとサポートAIとしての機能がちゃんとあるんだと安心できる。


 それで、渓谷エリアの感想か……

 多分冒険者ギルドについてどう思っているのかってことだよな。

 渓谷エリアの【モブ】たちとレイドボスで共同して組み上げたプレイヤーメイドのシステムっていう奇妙な感じの場所だったけど、あれは悪くないな。


 一瞬だけ戦闘になったが、あのレイドボスは今まで戦ったレイドボスの中でもダントツに強い。

 それに勝つための場を少しでも整えてくれるという点で、一般的に知られている冒険者ギルドとは違ってくるが、それくらい独特な仕組みでも面白いと思う。

 あと、復興でイベントフラグが建つとかだと思うけど……それは今後に期待だな。


 あそこに比べると新緑都市アネイブルって平和で活気はあるけど、ここだけの特色って無いよな?

 沼地エリアは一応魚が釣れるし、岩山エリアは更なる特殊エリアに繋がっているらしいけど、ここはこの王宮くらいだろ。

 俺しか恩恵無くない?


 「そういう言われてみるとそうですね……

 底辺種族【包丁戦士】にしてはまっとうな意見です。

 ……私の方でも何か考えてみますか」


 俺の意見を聞いた後、ブツブツと呟きながら思考の海に航海を始めた【菜刀天子】はその後俺がいくら話しかけても反応がなかったので、諦めて王宮の外へ出ることにした。


 ……これって何かのフラグ?





 「……また長期間現れませんでしたね。

 生産プレイヤーとしてそれはナンセンスですよ!」


 王宮を出ると俺の後ろからぬっと現れたのは、花飾りを頭につけている少女【釣竿剣士】だ。

 

 いやいや、少し自由時間もらうって言ってあっただろ?

 まだ行ったことがなかった渓谷エリアに行ってたんだ、レイドボス攻略の手がかりを求めてな。


 ……とりあえず嘘か本当かよく分からないことを言って場をしのぐ。


 「そういうことなら……まあ……

 それで何か手段や手がかりは思いつきましたか?」


 手がかりというより気になることはあったな。


 「気になることですか?」


 首をかしげながら俺の言葉を復唱する花飾りの少女。


 そうだ、渓谷エリアのレイドボスはどうやら冒険者ギルドを作っていたみたいで、レイドボスが出す雑用をこなすとポイントが入る仕組みだ。

 これはどうやら自分の仲間をあそこに集めるための準備をしているらしい。

 そして、そこのレイドボスによると新緑都市アネイブルのレイドボスは戦うことが好き(意訳)らしい。

 つまり、レイドボスの思考をトレースできれば何かしら行動パターンとか新しい動きがあるかもしれないってわけだ。

 どうよ、俺の考えは?


 「一理ありますね。

 私が沼地のレイドボスである棘亀について知っていることと言えば普段は沼地に潜っていること、釣り上げないとまともに攻撃すらできないこと、攻撃がほとんど通らないこと、一定時間後に沼地に戻っていってしまうことだけですからね」


 そうだよな、俺もこいつと全く同じことしか知らないしこれ以上情報も出すことができない……

 これは詰んだか?


 「あっ、いえ、これは……

 なるほど!」


 急に1人でどうしたんだこいつは?

 何か思いついたのか?


 「当然ですよ、生産プレイヤーなら。

 ヒントはきっと釣りにあったんですね」


 と、言うと?


 「釣れるということはルアーに食いついているということです。

 そして何故ルアーに食いつくか、それは食いしん坊なのでしょう!

 沼地から上がってきても攻撃してこないのは、食べ物を貰えると勘違いして待っているからだとすれば……?」


 ……もしかすると、食べ物を与え続ければ永遠に沼地に潜らない?

 その考えは無かったが、可能性としては無いとは言えないな。

 やってみる価値はあるかもしれない!


 そうなれば【釣竿剣士】、お前は魚を釣りまくって餌をかき集めるんだ!


 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!

 ここで生産活動をしなくていつやるんでしょう!

 その間【包丁戦士】さんは何をするつもりです?

 特にやることがないなら一緒に釣りでもしますか!」


 こいつは俺を釣り沼にハメたいのかと思うくらいグイグイ釣りを推してくるな。


 やることか……食べ物に棘亀が興味あるなら料理系生産プレイヤーの俺にも考えがある、まあ、これはレイドバトル検証の時に見せてやるよ。

 用意できるか分からないしな……


 「そういうことならあなたの生産プレイヤー魂を信じて楽しみに待ってますね!

 釣り釣り釣り!」


 浮かれているのか【釣竿剣士】は豊かな双球を弾ませるようにスキップしながら沼地エリアのほうへ去っていった。

 今日はこんなんばっかりだな……


 俺もこれからやることできたから長話する気もなかったからいいけどさ、でもちょっと寂しいよな。


 











 ブツブツ……これをこうすると、いやこっちのほうが……?



 【Bottom Down-Online Now loading……】

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