表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

555/2205

555話 覇道竜陣

本日2話目の投稿です。



 「3対1でも攻めきれませんか……

 これは想定以上に不味いかもしれませんね……」


 「悪いけど、【アイシア】を侮辱した君たちに負けるつもりはないよ!

 この聖剣にかけて、聖剣次元に勝利を宣言するよ!」


 【クハハハ!!!

 生意気なことを言うではないか【ランゼルート】よ!

 我が健在だというのにその宣言は大見得を切りすぎではないか!

 その自信打ち砕いてやろう!

 【覇道逆鱗】!】


 「またその技とは僕もなめられたものだね!

 同じ技ばかりだと見切られるということを教えてあげようか!

 スキル発動!【虎岩牙花】!」


 【ガルザヴォーク】は再び黒炎を噴出して【ランゼルート】を燃やし尽くそうとしている。

 だが、【ランゼルート】はそれに対して冷静にスキルを発動し、岩で出来た牙のような形をした花の花弁が出現し、それが咀嚼するような動きをして動き周りながら黒炎を喰らい尽くしていっている。

 

 花弁ということは【生命花】の力を使うスキルなんだろうが、まさか生き物のように動かしてくるとは思わなかった。

 生命を司る力だからなのか、他のスキルよりも躍動感溢れる動きをしてきているのが特徴だな。

 

 

 さっきから俺は聖剣を受け止めたくらいであまり活躍出来ないし、この辺りでちょっかいくらいは出させてもらおうか。


 スキル発動!【魚尾砲撃】!


 俺は【深淵纏縛】によってルル様の力を励起したままなので、その力を利用してエネルギーを集約していき極太レーザーとして放出した。


 岩を貫くまでは行かなかったが、動きを抑えることは出来たようで消されかけていた黒炎が再び燃え上がっていっている。

 そして、そのまま牙の岩花弁に黒炎の侵食が進んでいき塵となって消えていった。


 「ばかな!?

 僕のスキルの方が相性は良かったはず……

 それなのにどうして押し負けたんだ!?」


 【ランゼルート】は自分のスキルが打ち消されたことについて驚いているようで、少し狼狽えたような表情を見せている。

  スペックも相性も確かに【ランゼルート】の方が上だっただろう。


 だが、俺と【ガルザヴォーク】は深淵の力で親和性が高いからな。

 俺が【上位権限】を持っていないとはいえ、一応レイドボス級にはなっているんだ。

 そんな俺と【上位権限】を持っている【ガルザヴォーク】が連携したら相性が悪くてもそれを巻き返せる可能性はあるだろう?


 つまり、そういうことだ!


 【フェイと我の相性は抜群であるからな!

 微力なれど、その力が合わされば侮れぬものになるのは【ランゼルート】も今身をもって知ったであろう?】


 「そういうことか……

 大型の【ガルザヴォーク】にオールマイティーな【次元天子】、そして小回りの利くプレイヤーの【包丁戦士】が完全に組み合わさっているわけではないけど、足りないところを補い合っているってところだね。

 【アイシア】を倒してきたと言っていたけど、どうやらそこの【ガルザヴォーク】の力だけではないということだね。

 MVPプレイヤーに選ばれるだけのことはある」


 【菜刀天子】が【ランゼルート】の聖剣と打ち合ってくれているので俺と【ガルザヴォーク】は【ランゼルート】が使ってくるスキルに対して集中して対処できるというのも大きいだろう。


 スキルを使う余裕が無かったら途中で既に詰んでいたのは間違いない。

 俺は【魚尾砲撃】による極太レーザーの放射で【ランゼルート】を狙いながらそんなことを考えていた。



 【ランゼルート】はそんな俺の極太レーザーを器用に、まるでダンスでも踊るかのように回避しながら【菜刀天子】と聖剣での斬撃の打ち合いをしている。

 この【ランゼルート】は目がもう何個かついているんじゃないかと思わせてくるほど俺たちの攻撃に対して広域的に把握してきているっていうのが、真似すること出来ない超技術だ。


 なんで目の前で【菜刀天子】と激しい攻防をしているのに俺と【ガルザヴォーク】の攻撃にも対応出来てるんだよ……


 【ふん、それならば対応できないほどの攻撃をしてしまえばいいというだけのこと!

 我のエネルギー残量は心もとないが、ここは1つ豪快にいくとしよう!

 【覇道竜陣】!】



 【ガルザヴォーク】はここにきて新たな手札を切ってきたようだ。

 発言からすると、今まで使っていた【覇道逆鱗】は燃費がいい攻撃方法だから一つ覚えのように連発していたようだ。

 決して脳筋だからというわけじゃなかったのには少しだけホッとした。



 【ガルザヴォーク】によって始動した【覇道竜陣】は黒炎が今までのように荒々しいものではなく一定の軌道を描きながら【ランゼルート】に直進……



 するのではなく、【ランゼルート】の少し手前で90度……直角に折れ曲がり、さらにしばらく直進したかと思うとまた90度折れ曲がりということを五回ほど繰り返した。


 そうして出来上がった黒炎による正方形の陣が【ランゼルート】を逃がさないように取り囲むこととなった。

 

 

 【これで終わりだ!

 黒炎よ、陣の中にて燃えあがるのだ!!!】


 【ガルザヴォーク】のその掛け声を起点として、陣の中は【ランゼルート】諸とも黒炎で埋め尽くされていった……









 【Bottom Down-Online Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やったか?
[良い点] ランゼルートがあまりにも強いですね むしろ一人で耐え切っていた天子がすげぇ [一言] 2話更新助かる ガルザヴォークがいなくなれば勝つ可能性がグッと下がるので早く決めきりたいところですね…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ