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536話 派手な隠密要員

 「俺の名前は【ラクヨウ】!

 さっきも言ったように隠密任務ばっかり任せられてるが、本当は派手に暴れるのが好きなんだけどよ」


 アメコミNinjaの男性プレイヤーは【ラクヨウ】さんと言うようです。

 口調は荒いですけど名乗りをあげるのは礼儀正しいですね、感心感心です!

 社会人になると挨拶は特に大事ですからね!

 ですが、今回はその礼儀正しさが仇になります。


 「にゃはは!!

 自分から名乗りをあげるなんてトンだ失態なのらよ~

 デバフを受けるのら!」


 「なっ、それはどういうっ!?」


 ラクヨウさんが私の言葉の真意を問いただしてきましたが、私が答えるよりも先に無愛想な声でアナウンスがこの戦場に鳴り響いて代わりに答えてくれました。



 【ラクヨウは自らの名称を公開した】


 【【名称公開】ラクヨウに知名度に応じたステータス低下効果付与】



 「これっ【名前に関するスキル】かよ!?

 相手にデバフを与える【名前に関するスキル】は初めて見たな……

 お前らの次元陰湿過ぎだろ?」


 「にゃにゃにゃっ!?

 そんなことないのらよ~」


 嘘です、プレイヤーキラーやアイテム強盗魔が幅を利かせています……

 一応名誉のために否定はしておきますけど……



 私はラクヨウさんが驚いている隙を狙って消耗品のペグを投擲します。

 狙いは……とりあえず足にしておきますか。

 機動力を封じれば、私の圧倒的スピードで優位に立てますからね。


 「おいっ!

 話している最中に攻撃してくるとかやっぱりお前らの次元たちが悪いだろ!

 正々堂々と勝負しやがれ!」


 ラクヨウさんは驚きつつも隠し持っていた忍刀で足元に飛翔していくペグを撃ち落としてきました。

 手裏剣と忍刀……2つの武器を使用して来ましたがどちらがチュートリアル武器なのでしょうか……


 「少なくとも聖剣使いではないのらね?

 最強って聞いてたMVPプレイヤー相手じゃないって分かっただけでも気は楽になったのらよ~」


 「あ?うちのリーダーはランゼルートだぞ?

 あいつ以外に聖剣使いなんて居てたまるかよ!」


 やはり、【包丁戦士】さんが聞いていた他の次元からの前情報は正しかったようですね。

 ランゼルートという名前は事前に聞いていましたが、正しい情報なのか判断材料がなかったのでここで言質がとれたのはラッキーです!


 案外迂闊なラクヨウさんの足元を執拗にペグの投擲で狙い続けると、ラクヨウさんは忍刀を構えながらもペグ投擲の合間に手裏剣を投げてこちらを牽制してくるようになりました。


 私が足元を執拗に狙っているのに対して、ラクヨウさんは狙いを絞らずに満遍なく狙ってきていますね!

 セオリー通りのいい手です。


 「にゃかにゃかやるようなのらけど、【ペグ忍者】もこんな序盤に負けるわけにはいかないのら!」


 「はんっ!

 いいぜ、派手にいこうじゃん!」


 まだまだ戦いは始まったばかりですからね!












 「フェイちゃん疲れてない、大丈夫?」


 【は、はい……

 次元戦争という舞台で緊張はしてますけど、なんとか大丈夫です】


 俺はイケメンと俺と全く同じ顔の女がイチャつくのを見せつけられながら小走りで森の中を進んでいっているが、未だに敵と遭遇していない。


 こっちの方角の方が大樹があって目立つから相手も来るかと思ったいたが拍子抜けだ。

 俺たちが遭遇していないということは【ペグ忍者】か【菜刀天子】が戦っている可能性は高いが、挟撃とかされていないといいんだがな。


 そのうちに俺たちは大樹まで行かせてもらおうか。






 というわけで、大樹のところまで来た。

 ここで【フランベルジェナイト】の様子を見ると……


 「何かの力を感じる……

 この親和性の高い、懐かしい力はなんだろうか……」


 なんか感じてるな……

 【フランベルジェナイト】は大樹に手を当てて目を閉じている。

 力の流れを感じるために集中しているのだろう。


 イケメンが静かに集中している姿は様になる。

 

 俺も力の流れは感じているが、具体的にどんな流れかは掴めていない。

 アルベーの力を使えればほぼ確実にわかるんだろうが、まだ敵と遭遇していない現状で生け贄や代償を支払う気にはなれない。

 戦闘中に効果的に使うならともかく、半分無駄うちになることをやるのは愚策だ。


 だから【フランベルジェナイト】本人の感性に任せることにしよう。

 


 「……とりあえず、この大樹に巻きついている封印を外してみるのもいいかもしれないね。

 これ、いかにも怪しいし」


 【た、確かにです……

 何かのギミックなのでしょうか?】


 大樹には黄金色に輝く金属が巻き付けられている。

 大樹自体を触れることはできるが、黄金色に輝く金属は大樹を封じるようにされているから【フランベルジェナイト】は封印と表現したのだろう。

 ここの名前も【封印の森ダンサムント】だし、これが由来なのかもしれないから的はずれってことも無さそうだ。


 戦闘に入る前に【フランベルジェナイト】が気になっているから調べるのに協力はしてやろう。







 何やら不穏な気配が……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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