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522話 虫の巣窟

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【レイドバトルを開始します】


はい、今日も元気にログイン!

 今日は新規加入したばかりの【骨笛ネクロマンサー】と出かけるぞ!

 






 というわけでやってきました渓谷エリア【地蒜生渓谷メドニキャニオン】。

 ここにある竜人ロリババアの【オメガンド】が経営する冒険者ギルドのクエストを受けにきた。

 今の包丁次元でプレイヤーの実力を見るなら闘技場か、冒険者ギルドのクエストが主流だから俺もその流れを利用させてもらうとしよう。


 「わっちがオススメするクエストは……そうじゃなぁ……

 これとかどうじゃろうかの?」


 竜人ロリババアが俺たちに差し出してきた紙切れにはクエストの内容が書かれているようだ。

 えーと、どれどれ……クエスト名は【曲者虫(くそむし)を駆除せよ】か。

 普通にダンジョンに潜ってボスモンスターを倒すだけみたいだから、そんなに苦戦はしないだろう。

 まあ、苦戦しないと言ってもレイドボスと比較して……という前提だがな。


 「ふひひっ、ダンジョンなんて入ったことないんですけどぉぉ……

 大丈夫ですかねぇぇ……?」


 ダンジョンに入ったことないってことはギルドカードも持ってないったことか?

 

 「ふひひっ、草刈りのクエストは何回か受けたことがあるのでギルドカードは持ってますよぉぉ……

 ランクは1つしか上がってないですけどぉぉ……」


 引きこもってばかりって聞いていたが、なんだクエストとかもちゃっかりこなしてるのか。

 意外な一面に驚いたな。


 「ふひひっ、ギルドのクエスト報酬で欲しいものがあったので仕方なくですぅぅ……

 このチュートリアル武器の骨笛を加工する時に使えそうな骨のパーツが報酬に出ていたものだけ受けていましたぁぁ……」


 骨笛のためか。

 そういえば、俺のフルートも骨笛なんだよな。

 奇遇だな。

 ……ってことはもしかしてお前もスキル【堕音深笛】を使えたりするのか?


 俺は今まで全く頭になかった深淵適合者にバフをかけるスキルである【堕音深笛】について思い当たった。

 俺たちが【堕音深笛】を手に入れた時のメンバーはアナウンスで流れたから把握しているが、その後に手に入れたやつについては全く情報がない。

 

 「ふひひっ、流石トッププレイヤーキラーの【包丁戦士】さんですぅぅ……

 確かにあてぃしは【堕音深笛】を吹けますよぉぉ……」


 マジか!

 俺のクランの中でも何人か使えるがみんな前衛プレイヤーだから笛を吹く余裕なんてなくてあまり活用できてなかったが、これはいい拾い物をしたぞ!

 後衛バッファーは包丁次元では希少種だからな。

 

 さあ、そのちからを見せてもらおうじゃないか!

 そう宣言して俺たちはダンジョンへ突入した。




 




 俺たちが突入したダンジョンはワーム系の雑魚モンスターが無限に湧き続けるダンジョンだった。

 

 うねうねと蠢くリアルのものよりも何十倍も大きい、人と同じサイズの芋虫はプレイヤーたちに嫌悪感を抱かせるのだろう。

 だからこのクエストは人気がなく残っていて、【オメガンド】がわざわざ手渡してきた……と一瞬で理解した。

 あのロリババア……許さないからなっ!?


 「ふひひっ、とりあえずボス戦まで骨粒を温存したいので【包丁戦士】さんにバフをかけますぅぅ……

 スキル発動ぅぅ……【堕音深笛】ぃぃ……」


 前衛として気持ち悪いワーム軍団の前に躍り出た俺に対して、【骨笛ネクロマンサー】は後衛として安全圏から笛を吹きはじめた。


 【骨笛ネクロマンサー】が奏でる暗いメロディーがダンジョン内に響き渡りはじめ、重々しく黒い霧が現れていく。

 この【堕音深笛】で現れる黒い霧は演奏者の一人一人の特徴が現れていると【検証班長】が考察していたがその通りかもしれない。


 俺、【フランベルジェナイト】、【尺八僧侶】、【バグパイプ軍楽隊員】それぞれ異なる音色を奏でていたからな。

 ちなみに、俺と【フェイ】はかなり似てた。


 黒い霧はガシャドクロかと思ってしまうほど巨大な骸骨のような形を形成していき、俺を抱き抱えるような形で纏わりついてきた。

 【堕音深笛】をここまで巧みに扱うとは……よっぽど暇な時に練習していたのだろう。

 引きこもっていたのなら納得できる完成度だ。



 ガシャドクロに纏わりつかれた俺はそのまま包丁でワーム軍団を切り裂きはじめた。

 相手が雑魚モンスターのうえに、俺にバフがかかっているから余裕綽々でどんどん進んでいけている。


 ちなみに、黒い霧の骸骨は実体がないので見た目的にはこけおどしなのはご愛嬌だ。

 プレイヤーに人権がないゲームだから、そこまで有能なスキルを運営は与えてくれないのだ……






底辺種族たちのキャパシティーが低すぎるからですよ……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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