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514話 大罪の片鱗

 【Raid Battle!】




 【包丁を冠する君主】





 【菜刀天子】



 【次元天子】【上位権限】【???】





 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【次元をさまよい】



 【冒険者を導く】



 【聖獣を担うが故に】



 【深淵と敵対する】



 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】




 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は【槌鍛冶士】のところにでも行くか。

 深淵フルートとか預けてたし。






 というわけで急遽やって来ることになりました草原エリアにある【槌鍛治士】の鍛治場。


 熱気溢れるその鍛治場、その奥でムキムキの暑苦しいおっさんが鉄を叩いていたので声をかける。

 よお、【槌鍛治士】。

 前に預けた深淵フルートってどうなった?


 「おお、【包丁戦士】じゃないか!!!

 あのフルートは完成しているぞ!!!

 ほれ、受けとるといい!!!」


 そう言うと銀髪褐色ロリの【大罪魔】が深淵フルートを手にして近寄ってきた。

 そして、その小さな手で握られた深淵フルートを手渡してくれた。


 「この楽器は危険だったり、扱いにくかったりする……

 前よりも危ういものになってしまったの」


 俺が受け取った深淵フルートは、元々骨のようなものを加工した狂信的なものだったが、新たに口跡のようなものが取り付けられていた。

 ……これは前に【槌鍛冶士】と【大罪魔】に手渡した二十四面体の物体を加工したやつか?


 「ガハハ!!!

 その通りだ!!!

 あのままでは危険だったからな、ワシが扱いやすいようにしてやったぞ!!!」


 扱いやすくしてくれたのはいいが、なんで深淵フルートに取り付けたんだ?

 深淵フルートは既に完成品だと思っていたから、そこに新しく何かを付け加えるなんて思ってなかったというのが本音だ。

 これで何が変わったというのだろうか。


 「詳しくはワシもわからん!!!

 深淵の力をワシ自身が使えるわけではないからな!!!

 ワシはあくまでも氾濫しそうな深淵の力を押し留める機構を作り上げただけに過ぎない!!!

 それをどう使うのかは【包丁戦士】、お前次第だ!!!」


 おおぅ……完全に丸投げされたな?

 まさかここに来て太古の攻略本にありがちな「この先は自分の目で確かめてみよう!」みたいなことを言われるとは思ってなかった。

 なんという投げやり感……


 「管轄してない力のことは分からなかったり、不明だったりする……

 大罪の力のことなら分かるのに……」


 大罪の力、ねぇ……

 そういえば【大罪魔】は俺が捕食した大罪称号をどうするつもりなんだ?

 俺から奪ったわりには有効活用しているように見えないんだが……


 俺がそう聞いてみると【大罪魔】は誇らしげな顔をして答えてくれた。


 「あれのお陰で力が戻ったり、破損してたデータも少しだけ治ったりした……

 ついでに面白いものも手に入ったの!」


 ふーん、あの破損ばかりしてたレイドアナウンスも少しは内容が分かるようになったのか。

 今はレイドアナウンスが流れないようにしているらしいが、今度流れたときにはきちんと確認させてもらおう。


 あと、力が戻ったっていうのは具体的にはどんな感じなんだ?


 「面白いものと関係があったりなかったりする……

 でも、そっちは秘密なの。

 ヒントは、身体能力と【上位権限】が強化されたり、されなかったりする……」


 いや、どっちだよ!

 毒にも薬にもならない曖昧な発言はいつも通りの【大罪魔】だ。

 まあ、シンプルに全体的に能力が向上したとでも思っておけばいいか。

 考えても分からないものは分からないのだ。


 「この小娘は相変わらず得体の知れないことばかり言っているからな!!!

 あまり気にすることないだろう!!!

 だが、もし敵対するつもりならその前に見極めておくといいぞ!!!

 その時はワシも相棒であるお前のために全力で手伝ってやるぞ!!!」


 「その相手の前で言うことじゃなかったり、遠慮が無かったりする……

 薄情なの」


 「お前みたいな小娘に遠慮なんてしておれんわ!!!

 そんなことしていたらワシの身が朽ち果てるだろうからな!!!

 覚悟しておくといい!!!」


 喧嘩するほど仲がいいとは言うが、これは普通に険悪な雰囲気だな。

 【槌鍛冶士】と【大罪魔】を同居させておくことで【大罪魔】の保護という目的は達成できているが、なんか選択肢を間違えてしまった気もする。

 もうちょっとここに来る頻度を上げて、ストレスの捌け口になってやらないといつか破綻しそうだ。

 

 【槌鍛冶士】がいつの間にか【大罪魔】を倒してしまう可能性もあるからな。


 ……って待てよ?

 よく考えたらもう【大罪魔】を囲っておく必要無くないか?

 だって、新緑都市アネイブルの深淵種族拒絶地形効果の改変ってもう終わってるし……


 「気づいたり、気づかなかったりする……

 それならそろそろ実力差を魅せてあげるの」


 


 【Raid Battle!】



 【『sin』ーーー大罪を司る悪魔】


 【????】


 【大罪魔】【上位権限】【???】



 【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】


 【【嫉妬】にとり憑かれ【望遠鏡が根源を見破る】】


 【【色欲】に溺れ【ステッキが欲望に変質を与える】】


 【【傲慢】にも驕り【パイルバンカーが有頂天を極める】】


 【【怠惰】の果てで【蛇腹剣が惰眠を貪る】】


 【【強欲】に際限はなく【ピッケルは全てを簒奪する】】


 【【憤怒】は収まらず【アンカーは怒りを鎮めない】】


 【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】


 【【虚飾】を重ね【十字架が偽りの美しさを求める】】


 【【憂鬱】に苛まれ【釣竿が鬱屈を覚える】】


 【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】


 【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】


 【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 【ワールドアナウンス】




 【包丁が血を求める】


 【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の目覚め】が強制セットされました】


 【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の渇望】が強制セットされました】


 【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の飢忌】が強制セットされました】


 【暴食は食べ散らかしたり、味わったりする……】


 【大罪域の風が吹き荒れる】


 【【包丁戦士】に暴食の力が貸与されました】




 【【傲慢】だったり、【傲慢】じゃなかったりする……】


 アナウンスに聞き入っていた俺は、胸元に違和感を感じてそこを見ると……

 パイルバンカーが胸から突き出ていた。

 直後、光の粒子となり俺はその場から消えていくこととなった……







 

 暑い鍛冶場で光の粒子となるプレイヤーがいたとか、居なかったとか……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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