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497話 逃げ腰の結末

 「これでお互いに勝利条件まであと一歩なのだ!

 ここで戦っても戦わなくても勝敗は決められるのだ!」


 夢魔たこすはどうするのか決めかねているようで、俺の反応を知りたいのかソワソワしている。

 俺がここで戦闘を開始するのか、それか拠点までのダッシュ対決になるのかの分岐点になるからな。

 


 ……直接戦うなら俺の今の状況からするとかなり不利だよな。

 あっちのダメージはそんなに無さそうなのに対して、こっちは並行戦闘があったとはいえ青羽織のおっさん、牛乳パフェ、【釣竿剣士】の師匠と三連戦した後だ。

 疲労度とダメージ量、スキルの消費具合も圧倒的にこっちが酷いことになっているだろう。

 夢魔たこすはタイマンで石動故智とやりあっただけだからな。


 そうなれば俺が取る選択肢は……



 「あっ、逃げたのだ!?」


 もちろん逃亡だ!

 俺はプレイヤーキラーだが、負けられない戦いでは勝算の高い方を選択するくらいの良識はある。

 プレイヤーキラーであるのと同時にゲーマーだからな、プレイヤーキルでも快楽は得られるが負けたくないという気持ちも大きい。

 ただの快楽殺人者とは違うのだ。

 

 「そっちがその気ならたこすちゃんも負けないのだ!

 先にリングを拠点に持ち帰るのはそっちじゃなくてたこすちゃんなのだよ!

 スキル発動!【海水鳥葬】なのだ!」


 夢魔たこすは海鳥を何匹か生み出してそれに掴まり移動し始めた。

 スキルのデメリットなのか、アンカーのサイズが小さくなってしまったようだが今回に限ってはメリットとして働いているな!?

 アンカーの重さが枷とならなくなるのはスピードランではただのメリットでしかないからな。


 

 よーし、俺も負けてられないなっ!

 あっちがスキルを使って加速するなら俺も小細工を使わせてもらうか。


 スキル発動!【阻鴉邪眼】!

 スキル発動!【魚尾砲撃】!

 

 俺は夢魔たこすの進行ルートに向けて上空からデバフサークルをあらかじめ設置、そして【魚尾砲撃】の逆噴射によって俺は自分の陣地へと加速していく。


 「あっ、妨害はズルいのだ!?」


 ばーか、妨害していけないなんてルールは存在しない!

 悔しかったらお前も妨害してみろよ!


 俺は上空から全力で夢魔たこすを煽っていく。

 あいつは海に特化したスキル構成に仕上がっているからな、空へと対処方法なんて限られてそうだし、その手段も今あいつが使っているスキル【海水鳥葬】くらいだろうからな。


 「ぐぬぬ、たこすちゃんはこのまま進むしかないのだ……

 悔しいのだ……」


 そうして夢魔たこすはデバフサークルに突っ込み減速しながら俺を睨んできたが、もはや勝負はついたようなものだろう。

 俺に逃げの選択肢を易々と取らせたのが敗因だ!













 

 

 【ディメンションバトル】






 【包丁の煌めき】


 【ピッケルの冴え】


 【蛇腹剣の丸呑み】



 【釣竿の折れ】


 【望遠鏡の曇り】


 【アンカーの漂流】




 【リングが奉納されました】






 【【包丁次元】【ピッケル次元】【蛇腹剣次元】WIN!】






 【【包丁次元】が2位に昇格しました】


 【【ピッケル次元】が5位に昇格しました】


 【【蛇腹剣次元】が7位に昇格しました】


 【【釣竿次元】が3位に降格しました】


 【【アンカー次元】が9位に降格しました】




 【勝利報酬は王宮にて選択してください】






 【個人アナウンス】






 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:憂鬱】を獲得しました】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:強欲】を獲得しました】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:憤怒】を獲得しました】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:怠惰】を獲得しました】


 


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が62になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が63になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が64になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が65になりました】




 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力が返還されます】




 なんとか勝てたな。

 最後は夢魔たこすが間抜けをさらしてくれたお陰で勝つことが出来たが、あの状況で真っ正面からぶつかっていたら勝てたかは分からない。

 聖獣スキルは全て使い果たしていたし、【フィレオ】による欠損もあった、天子の翼は時間切れで俺が空中に固定されている間に解除されていた。

 唯一残っていたのはルル様の翼くらいだ。

 深淵スキルもエネルギー切れ寸前だったし、夢魔たこすへの妨害と、俺の加速に使ったので打ち止めだった。



 途中で称号【神淵使徒】をセットして回復したのと、暴食の力で体力ドレインをしていたので、体力だけは何度も回復していたのが最後の徒競走のスピードに活きてきたな。

 


 









 これで残すは一位のみ……

 私の悲願まであと少しですね。

 精々、劣化天子は私のために馬車馬のように働いてください。




 罪がかなり集まったり、集まらなかったりする……

 七つの大罪はこれで揃ったの!

 暴食の食欲には驚かされたりする……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの逃げ これは戦略勝ちですね たこすちゃんが話しかけずに奇襲すれば勝てたかもしれないのに惜しいことをしましたね [一言] 七つの大罪と言いながら九つだったりする 次元戦争で暴れまくっ…
[一言] 順位の昇降の所、望遠鏡次元だけ飛ばされてませんか?
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