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481/2120

481話 次元戦争団体戦前の顔合わせ

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 ログインすると同時に【菜刀天子】が近寄ってきたが、これは俺も来ると分かっていたので意外性も何もない。


 そう、今日は次元戦争当日だ。


 「待ちくたびれましたよ、次元天子である私を待たせるとはいい度胸ですね。

 余裕をもってログインするということを覚えてください、全くこれだから劣化天子は……」


 【菜刀天子】は俺に呆れるかのように、肩を竦めながらそう呟いた。

 俺にも色々と事情があるから、用事ですぐに来れないこともあるんだぞ。

 ……と【菜刀天子】に言っても仕方がないので、出かけた言葉をぐっと飲み込んでおく。


 「さて、こんなところで話していても埒が明かないのでさっさと行ってしまいましょうか」


 そういうと【菜刀天子】は黄髪を揺らめかせながら腰に差していた中華包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。


 「【上位権限】【Battle field】展開!」


 その力の奔流に俺は飲み込まれた。

 俺を包み込んだ光は、身体の芯まで染み込んでいくような柔らかな心地のする光だった。




 


 【Battle field 特異次元 沈殿湖沼ユウラシア】


 俺が送られてきた場所は、沼地エリア……無限湖沼ルルラシアに一見すると似ている寂れた場所だった。

 だが、エリアの名前が違うな?

 今まで次元戦争の舞台が俺のいる次元のものと異なっていたのは、二回目のレイドボス討伐形式の次元戦争の【Battle field 特異次元 燃尾之急の鉄心屋敷】だけだった。


 ここに来て違う名前のエリアと遭遇するとは……

 今まで運が良かっただけなのか分からないが、今回は地の利という点で俺は既に不利に立たされていることになった。

 ただ、今回はチーム戦だ!

 他の連中がこのエリアのことを知っていれば問題ない。


 そう思っていると、続々とプレイヤーたちが転送されてきたようだ。

 さあ、どんなやつらが来るか!?





 まず最初に現れたのは、パジャマを着た身長の低い女の子だ。

 手には物騒な得物がだらりと握られている。


 「あっ、変態お姉さんだっ!

 久しぶり~相変わらず気持ち悪い液を滴してるのっ?」


 こいつはパジャマロリ……蛇腹剣次元のMVPプレイヤーのマキだ。

 チュートリアル武器の上位解放とかを早々にやっていたから、基礎能力は高い次元なんだろうが……

 なんでお前9位周辺をウロウロしているんだよ。

 お前の実力ならもうちょっと上がれるだろ。


 俺が物見水晶で確認した順位表で気になっていたことを問い詰めてみた。

 すると、狼狽えながらパジャマロリは口答えしてきた。


 「それは石動お姉さんとギアフリィお兄さんと、たこすちゃんに言ってよ~

 うちも頑張ってたけど、あの人たち強すぎるよっ!

 特に石動お姉さんは何回も戦ってるけど、毎回負けちゃうよ~

 ……牛乳パフェお兄さんはいつも圧勝できるから最下位にはならないけどねっ!」


 あの個人情報漏洩女騎士の石動故智にやられているのか……

 逆に望遠鏡次元のMVPプレイヤーの牛乳パフェには相性の問題で勝ち越せるらしい。

 蛇腹剣ってそんなに遠距離攻撃に対して相性が良かったか?





 そんなことを話していると次のプレイヤーの形も浮かび上がってきた。


 「コッチのこと呼んだかな?

 ピッケル次元のMVPプレイヤー、石動故智(いするぎこち)だよ。

 あっ、マキちゃんと【包丁戦士】がいるんだ」


 「うげっ、石動お姉さんっ!

 また顔を合わせるなんて本当に縁があるよね~

 はぁ……」


 パジャマロリのマキは石動故智に負け越しているからか、苦手意識があるようだ。

 それで足を引っ張ってもらっては困るが、気持ちはわからなくもない。

 今回は頼れる味方だと思って諦めてもらうしかないだろう。


 こいつらの実力なら信用できるし、他のMVPプレイヤーたちに比べると顔を合わせた回数が多いので連携も多少はマシだろう。

 特にマキに関してはガッツリ味方となって戦ってくれた経歴もある。


 手札もあれから増えているだろうが、基本的な身体の動かし方とかは変化していないだろうからやりやすそうだ。

 


 石動故智については、種族転生でドワーフになっていて貴重なレベル2プレイヤーだから出来ることの幅も広いと信じたいところだ。



 そして、最後に転送されてきたのは釣竿を肩から下げている青い花飾りを髪につけた女子大生……【釣竿剣士】だ。


 「どうも、【釣竿剣士】です。

 生産プレイヤーとして活躍しますよ!」


 「あっ、すごい動きをするお姉さんだっ!

 てっきりチャイナ服のお姉さんの方を連れてくるかと思ったけど、釣竿のお姉さんなら納得だね~」


 「生産プレイヤー……

 コッチとしては疑問が残る人選だけど、【包丁戦士】の選択を信じるしかないかな。

 頼りにさせてもらうよ」


 



 案外無難なメンバー構成になりましたね。

 近接メインなのが気になりますが。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 中々良さそうなメンバー 特にマキは協力したことが多いのでうまく連携出来そうですね [一言] てっきり2.3.4.5.6.7位の次元で3次元ずつかと思いましたが違う様ですね 味方の2人がどれ…
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