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474話 八つ当たり

 【Raid Battle!】


 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】


 

 はい、今日も元気にログイン!

 今日も【深淵奈落ー中層 ルルナティック】を探索していくぞ!







 というわけで、このエリア唯一の安全地帯である初期ポイントに来たわけだが、ここから一歩でも先に進むと死に戻りするので翼を生やすとするか。


 

 というわけでスキル発動!【深淵纏縛】!


 まずは片翼の骨羽が背中から突き出るように出現し、俺の背中に生えてきた右骨翼周辺にもやがかかり、黒い羽が形成された。

 また、それと同時に俺の身体も黒いもやに覆われて、新たな服へと変化させていく。


 そして、黒いもやが晴れた時、俺が着ていた服は緑色がメインで、黒色のフリルのついたゴスロリへと変化していた。


 そう、今回はルル様の【P(エルル)細胞】を励起しての探索だな。





 【Raid Battle!】



 【包丁戦士】



 【深淵域の管理者】



 【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】





 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】







 【ワールドアナウンス】



 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】



 【レイドバトルを開始します】





 ミューンの謎ポエムは……

 【種は祈りによって発芽する……】

 【新たな命の成長に】

 【神の祝福あれ!】だったな。

 俺は飛行して、辺りを散策しながら【検証班長】を見習い考察していく。

 【検証班長】と関わる機会が増えてから、完全にあいつの影響を受けてしまったな……



 種を発芽させる……普通なら水をあげたり、栄養のある土で育てたり、日光に当てるなどの方法があるが、この深淵奈落の中層には水もないし、土もないし、日光もない。


 俺が地面と表現していた足場は、深淵の黒い霧を発する黒い壁?……板?のようなもので、地上で一般的に見られる地面とは全く異質なものだ。

 そんな板の上で種が発芽するとは思えないし、特別な処置が必要になるだろう。

 祈りという点がポイントか?



 次は新たな命の成長……この流れから考えると、発芽した種のことと考えるのが自然だろう。


 最後に、神の祝福……これは何を神と定義するのか分からないが、天子王宮の方で神に該当するのは【菜刀天子】だし、深淵奈落で該当するのはルル様……でいいと思う。

 二体とも【上位権限】持ちのレイドボスだからな、種族としての神と考えてもおかしくないだろう。


 ざっくりとした考察だが、この路線で試してみるか!





 まずは、西のジェーライト像のところに来た。

 俺にとって初めてのレイドボスの片割れだから、何かを試すなら気持ち的にはここが相応しいな!

 

 ……ということで、まずは天子王宮の宝物庫から拝借してきた種を取り出して……あっ、1個落ちた!?

 うっかり手が滑って、ポケットに入れていた種を地面に落としてしまった。

 そしてコロコロと転がる種を拾おうとして、上空から降りてみたが……


 うわっ、種が消滅した……!?

 おいおい、たしかにプレイヤーが死に戻りするくらいヤバい場所なのは知ってたけどさ……

 まさかアイテムまで一発でロストしてしまうなんてな。

 迂闊なことはできなさそうというよりは、これ、種埋めれなくないか?

 どうやって発芽させるんだよ……


 とりあえずやけくそになった俺は、思考停止でポケットに入れてあった【拡散スイカ】の種をジェーライト像にぶつけてみた。

 その直後、強い刺激によって内部が震動した結果、種は爆発を起こした。

 爆煙を漂わせながら、爆発の衝撃で周囲が大きく揺れたが……これは像が壊れたか?



 若干不安になって覗いてみると、そこには傷が一切ついていない新品と言われてもおかしくないようなジェーライトの像の姿があった。

 まさかあの爆発の直撃をくらって無傷だと?

 プレイヤー相手なら死に戻りまで追い詰められる一撃をくらってもなお、こんな感じで無傷だと手に負えないな……


 そんな感傷に浸っているところで、目の前のジェーライト像にエネルギーが集まっていっていることに気がついた。

 やっぱりこのジェーライト像、ただの置物じゃなかったわけか!?


 焦燥感に駆られた俺だったが、気づいた頃には既にジェーライト像のエネルギーの充填はほとんど済んでおり、真っ正面にいる今の状況では迎撃も回避も不可能だ。

 戦闘体勢ですらなかったからな……


 ジェーライト、エネルギー充填、とくれば頭の中で繋がるものは1つしかない。

 そう、極太レーザー……【魚尾砲撃】だ!

 【魚尾砲撃】がジェーライト像の口からはなたれ、ゼロ距離で俺の全身を灰塵と化したのだった……




 流石に最近死にすぎじゃないか……俺?

 とほほ……






 この深淵奈落は地上ほど甘いものではないからのぅ……

 我自身もそうであるがな。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[良い点] 最近は強くなってきていて死に戻りの繰り返しが減ってきていましたがこれでこそこのゲームですね [一言] 少なくとも像を壊すことは無理そうですね むしろ壊したらルル様に怒られそうな気がしますが…
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