表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

470/2121

470話 新エリア!特殊ギミック!

 【Raid Battle!】


 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 先日は、クレバスに落ちていったのだがそのまま地面に激突して死んだから、そのままログアウトしていたのだ。


 まさか新エリアに突入して即座に、そして、出オチのように死に戻りさせられるとは思わなかったので、こんなマップ設計をした運営への恨みがさらに積み重なっていった。

 流石はプレイヤーに人権のないゲーム……新エリアに行くために強制死亡させてくるとはな……




 そんなこともあったが新たなログイン地点が追加されたので、今回は前回俺が地面に激突して肉片になった場所【深淵奈落ー中層 ルルナティック】からスタートだ。

 ちゃんと地に足がついた状態で始まってるから、死に戻りする心配もなく安心だな!



 そうして一歩歩みを進めると……俺の身体が光の粒子と変換されていった……








 いや、なんでだよ!

 死に戻りした後、再ログインして同じ場所に戻ってきた。

 

 たしかに俺は何もない場所に足を踏み出したはずだ。

 なのに死んだってことは、ここには特殊なギミックが仕込まれているってことだろう。


 物は試しにと、さっきとは別の場所に一歩足を出してみる。





 やっぱり死んだ。

 この【深淵奈落ー中層 ルルナティック】には死亡ギミックが仕込まれているのは確定だろう。

 もしかすると、偶然地雷のようなものを踏んだ可能性もあると思って別の方向も行ってみたが、同じ結果が生み出されてしまった以上は他の場所にも同様のギミックがあるのだろう。

 というか、それを前提に動かないと毎回死に戻りさせられて時間の無駄になるだけだ。


 ここで俺が次に出来ることと言えば……


 スキル発動!【深淵纏縛】!

 俺はЖ細胞を励起し、ジェーライトの力を呼び起こす。

 スキルを発動したエフェクトで、全身から黒い霧が沸き上がり俺の体を包み込んでいく。



 【Raid Battle!】



 【包丁戦士】



 【荒れ狂う魚尾砲】



 【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】





 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】






 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 そう、ジェーライトの力を借りたものだ。

 このバニーガール姿で、地形をそのまま破壊してみる。

 


 スキル発動!【魚尾砲撃】!

 俺の臀部から生えてきた2本の尻尾から躊躇なく極太レーザーを放ち、俺の周囲にある地面に向けて照射した。

 しかし、レーザーによる攻撃を受けた地面は、特に反応を起こすことなく、されるがままだ。


 だが、おかしい。

 されるがままではあるが、レイドボス級の攻撃を受けてもなお削れていっている様子はない。

 流石にこれだけの攻撃を受けて何も起こらない地面が、ただの地面ということはないだろう。


 破壊不能オブェクトっていう可能性もあるか……?

 いや、地上や【深淵奈落ー浅層 ルルイン】の地面は普通に掘れるし、ここだけそういう仕様ってことも考えにくい。


 そもそも、このゲームの破壊不能オブジェクトってチュートリアル武器とチュートリアル防具のタンクトップだけしかないからな。

 天子王宮ですら普通に壊れたりしてるのに、こんな地面にそんな仕様が施されているとは考えにくい。


 脳死で極太レーザーを放ちまくってはいるが、一向に地形が変わる様子がない。

 まさかこんなに理不尽なエリアが存在するなんて誰が予想したことか。

 流石は深度100を越えたプレイヤーのみが進入を許される特別なエリアなだけあって、要求されるものも一般的なものを越えているのだろう。


 くそっ、こうなったら極太レーザーを使って……



 俺は二本の尻尾の向きを背後に向けて、勢いよく極太レーザーを噴射!

 そのままの推進力を活かした猛スピードで移動を試みてみた。


 ちっ、これでもか……



 踏み出すスピードは関係ないらしく足元から光の粒子へと変換されていっているが、今の俺は足が無くとも移動は可能だ!


 まだ光の粒子へと変換されていない二本の尻尾は粘液を滴しながら極太レーザーの噴射を継続しており、俺は半ば宙に浮いたまま吹っ飛ばされていっている。


 今日はもう何回も死んでるんだ、せめて何か手がかりでも見つけないと割りに合わないぞ!

 そんな泥臭い根性で進んでいるが、全く周りに何も無いからヒントもあったものじゃない。




 途中でエネルギー切れを起こしてしまった俺は足が無いので頭から地面に激突し、【深淵奈落ー中層 ルルナティック】の特殊ギミックによって全身を光の粒子に変えられていくのだった……


 チクショー!

 いつからこんな鬼畜ゲーになった!?

 



 ……いや、元からそんなもんか……

 なんか冷静になったときには、完全に身体が消え去っていった後だった。






 カッカッカッ!

 やはり、いくら【包丁戦士】でもこれには骨が折れそうだのぅ……

 深淵種族の真髄、その身で堪能できて良かったではないか!


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 久々の為す術もない理不尽さ 死因が分からないと対処法すら考えられませんが果たして [一言] 地面に着くとそこから消えている? 深淵種族の真髄というのが鍵になりそうですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ