465話 底辺種族の可能性
本日2話目の投稿です。
前の話を読んでいない人はそちらからどうぞ!
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はボマードちゃんと戯れるとしよう!
(特に用事は)ないです。
というわけでやってきました、新緑都市アネイブルの中央広場にあるほのぼの市場!
そこにたどり着くと、タンクトップ姿の巨乳ロリ……ボマードちゃんの姿があった。
「あっ、【包丁戦士】さん!
いや~、いつ来るのかとヒヤヒヤしながら待ってましたよ~!
時間の指定くらいはしてくださいよ!
……いや、もしかして私に対する焦らしプレイだったりしましたか!?
そうだったら照れちゃいますね!!!」
安心しろ頭お花畑爆弾魔、全くそんな気はなかった。
単純に俺が時間を伝え忘れていただけだ。
ちなみにどれくらい待った?
「えーと……大体一時間くらいですかね?
いや~、もっと早くから待機していても良かったんですけどリアルの用事があってどうあがいてもそれが最速でした……
でも、【包丁戦士】さんが来るのが結局遅かったので全く問題なかったみたいですね!
私の用意周到さに惚れちゃいましたかぁ?ふふん?」
両手を腰に当てながらどや顔を決めてくるボマードちゃんだが、今のどこでどや顔をする要素があった?
伝え忘れていた俺も悪かったが、聞き忘れていたお前もお前だぞ。
その無駄にデカイ胸を張るな!
もぐぞ!!
「ひゃん!!ほ、【包丁戦士】さんのスケベ!
いや~、街中でそんな……んんっ!?ちょっ!?
あぁんっ!!」
ほれほれほれ!
その何を食べたらそこまで育つのか分からない双丘を俺は揉みしだきながら、ボマードちゃんの反応を楽しむ。
流石にこう何度も触っていれば、ボマードちゃんの弱いところもなんとなく分かってきたから攻めるのも容易になってきている。
「ちょっ!?上手くなってますよね、これ!?
いや~、【包丁戦士】さん手慣れてきましたねぇ!?
私はもう調教済みですよ~」
バカなこと言ってないでさっさと行くぞ。
俺はしばらくして冷静になったので、ボマードちゃんの手を握り引っ張りながらずんずんと進んでいく。
そして手頃な屋台で飲み物とおかしを購入して、その辺にあったベンチにボマードちゃんを座らせた。
すると、ボマードちゃんの様子が一変して表情を歪ませながら口を開いた。
「強引だナァ?
イャ~、宿主様が満更でもねぇのが奇妙なもんだナァ?」
ボマードちゃんは急に悪どい顔をして笑い始めた。
ロリ顔でそんなギャップを見せられると毎回驚いてしまう。
このしゃべり方はボマードちゃん……ではなくて、その身体に寄生しているレイドボスの【ジェーライト】だろう。
普段のボマードちゃんと雰囲気が違いすぎて分かりやすいな。
「ちょっと、【ジェーライト】さん勝手に出てこないでくださいよ!
いや~、【深淵顕現権限】を使ってなくても最近身体の操作を乗っ取られることが増えてきて主導権を取り戻すのが大変なんですよ~!
困っちゃいますよね!」
困っちゃいますよね!……じゃなくてもっと真剣に悩むべき問題だろこれ……
この愛すべき爆弾魔ちゃんは頭お花畑なのでこれからどうなるのか深く考えていないのだろうが、このままいくと最悪【ジェーライト】にアバターが乗っ取られる可能性が高い。
「しばらくはするつもりはないゾォ?
イャ~、【プレイヤー】と【底辺種族】っていうのは不便だが、使いようによってはそれなりに遊べるからナァ!
その恩恵でしばらくは悠々自適に過ごさせてもらうサァ!」
買ってきたジュースと、クッキー擬きを食べたり飲んだりしながら話し半分で聞いていたのだが気になる話題になってきた。
深淵種族の【ジェーライト】が言うのならそうなんだろうが、無限に復活できる特典付きの【プレイヤー】は色々と遊べるだろう。
ジョブ?種族?……どっちかはわからないが……
だが、【底辺種族】もその要素にあるのか?
今まで会ってきたレイドボスたちは【底辺種族】のことをこの世のゴミを扱うかのごとく低く評価している様子しか見ていないが、ここに来てはじめて【底辺種族】が誉められてるぞ!?
【底辺種族】は俺たちプレイヤーの初期設定された種族のことだと会話の節々からわかり、それを鵜呑みにして浸透していったワードだが……
初期種族としての価値以外に何か見つけられていない要素があるんだろうか。
【深淵種族】から【底辺種族】に擬似的に種族転生したような扱いをしてもよいと思われる【ジェーライト】が口にした言葉だ、頭の片隅にでも置いておく価値はあるだろう。
実績照会項目のなかに【底辺種族の覚醒 failed】という実績がある以上、ただの初心者向け種族というわけではなさそうだとは思っていたが、やはり何かあるのか!?
「それは私も気になりますね!
いや~、私もはやく種族転生したいと思っていたのですけど、底辺種族が面白いなら変えなくてもいいかもしれないですね!
これって底辺種族で残り続けた私が最強になっちゃうパターンですよね!
やっぱり溢れ出る私の戦闘の才能が光っちゃいますか~!
わかる人にはわかるんですよね!」
いや、別にボマードちゃんに戦闘の才能はないだろ……
鏡を見直してからその発言をもう一回言ってみろよ。
「イャ~、宿主様には悪いが俺様の半身の言う通りだゾォ!」
「二人とも私に対して辛辣じゃないですか!?
いや~、私だってやるときはやるんですからね!!」
そう言って、その辺の屋台にあった大剣を持ち上げて振り回そうとしたボマードちゃんは力不足でうまく武器を取り扱えずに落としてしまい、ロリ巨乳ボディを一刀両断するはめになった。
泣きべそをかきながら光の粒子へと変換されていくボマードちゃんの表情を見ると、俺は……
あぁっ!!!!いい!!!!そう、そういうのいい!!!!
最高にテンションが上がったぞ!!!!!
うーん、プレイヤーに死に様はやっぱりいいものだ!!!!!
テンションが上がった俺はボマードちゃんの泣きべそをオカズに、屋台で買った食料の飲食に勤しむのだった。
えぇ……流石は劣化天子……
他のプレイヤーとは思考回路が別規格で作られていると言われても私は信じますね。
【Bottom Down-Online Now loading……】