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46話 スキルチェイン

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 というわけで今日もログイン!

 さっそうとログイン場所である新緑都市アネイブルにある王宮から、沼地エリアのレイドボス攻略メンバーが集まる草原エリアに移動する俺だった。







 前回のレイドバトル検証の派生としてボマードちゃんをメンバーに引き入れることになった。


 「いや~、どうも!

 【名称公開】でデバフするだけのお仕事と聞いて来ましたよ~」


 このタンクトップロリは【包丁次元】随一のデバッファーだ。

 とりあえず詰んだらこいつを呼んでおけという思考回路になりつつあるが、実際今までやってきた他のVRMMO、いや、レトロゲームのRPGでもボスに挑むときには味方にバフをこれでもかというくらいつけて、ボスにはデバフをかけれるだけかけるというのが定番だった。

 これはどのゲームでも余程のことがない限り定番の動きだろう。

 だから半分思考停止でこの胸に爆弾2つをつけているようなロリを呼んだ俺は別に間違っていないと思う、思わせてくれ。


 「いえ、別に誰も責めてませんが……

 生産プレイヤーなら当然ですよ?」


 謎の生産プレイヤー慰めをしてくれた【釣竿剣士】に感謝しよう、どうやら昨日テレビで見ていた互いに騙し合うゲームをひたすら行うドラマを見ていた影響で頭が混乱していたらしい。


 「ふふふ、【包丁戦士】さんも可愛らしいとこありますよね!

 いや~、私も呼んでくれましたし、【包丁戦士】さんの可愛い面も見れましたし一層頑張っちゃいますよ~!」


 俺を可愛いとか言うな、何言ってるんだこのロリ巨乳は……

 まあ、頑張ってくれるならそれでいいけどさ……


 「……いちゃつくのはそこまでにして早く沼地エリアに向かいませんか?

 私はあなたたちのコントを見るために協力をお願いしたわけでは無いのですが……」


 【釣竿剣士】ちゃんこわ~い!

 花飾りの少女が凄いジト目でこっちを睨んでいる。

 目が冷たすぎる……

 

 流石に戯れも過ぎたので沼地エリアに進むとするか!

 

 「おー!」

 「当然ですよ」









 【Raid Battle!】




 【底無し沼の棘亀】




 【レイドバトルを開始します】



 というわけで沼地エリアに来たぞ!

 レイドボスが出てくるまで時間かかるから待ち時間シーンはカットするね?

 いいよね?

 いいよ!

 ありがとう。






 【レイドボスをつりあげた!▼】



 【レイドボスのヘイトが釣り上げたプレイヤーに集中します】



 はい、今回は3時間くらいかかった。

 この待ち時間があるからいくら【釣竿剣士】がいるとしてもここの沼地エリアは人気がないんだろうな……


 岩山エリア、草原エリア、新緑都市アネイブルではそれぞれ人がいたがこの沼地エリアでは俺たちしかいない。

 たまにいるとしても魚を釣りに来ている生産プレイヤーの人しか見ない。

 なので俺たちがここの攻略を諦めたらここの棘亀は永遠に倒されることがないかもしれない。


 そんなレイドボスが釣り上げられる様子を見るとちょっと頑張るかという気分になってくる、まあ、俺はどっちにしても【釣竿剣士】との約束があるからここに釘付けなんだけどね……


 「こ、これが沼地エリアのレイドボスですか……

 いや~、ジェーも結構大きいなと思ってましたけどここまで大きいとビックリしちゃいますね!

 食べようとしたら残しちゃいそうです!」


 なんで食べる前提なんだ……?

 俺が決意を固めていた横でロリ巨乳がトンチンカンなことを叫んでいた。

 まあ、デカイのには同意するが……


 「食べるのは倒した後にしてください。

 それよりもあなたには仕事があるのを忘れてませんか?」


 その言葉でタンクトップロリが慌てて動き出す。

 なんか【釣竿剣士】のボマードちゃんに対する当たりが少し強いような気がする……いや、元々あんなもんだったかもしれない……



 「いや~、いきますよスキル発動【名称公開】!

 からの~スキル発動【魚尾砲撃】!」


 ボマードちゃんの体にエネルギーが溜まり始めているのがわかる。

 だが、あの色はなんだ!?

 今まで俺が見たことがある【魚尾砲撃】では白光のようなエネルギーが集まっていたが、こいつに集まっているのは赤い光だ。


 俺が助けを求めるように検証班の【モブ】や【釣竿剣士】を見るが同じように驚いていた、こりゃダメだな。


 そうしているといつもの無機質なアナウンスが頭に響いた。



 【ワールドアナウンス】



 【この次元で初めてスキルチェインが行われました】




 【レイド参加者への個人アナウンス】


 【ボマードが称号【スキルチェインの先導者】を獲得しました】

 

 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【ボマードの深度が6になりました】




 とりあえずボマードちゃんは俺と同じ深度になったらしい、それだけはわかった。



 しかし、アナウンスが流れている間にもボマードちゃんの体に赤い光が溜まっていっている。


 「ふええ!?

 スキルチェインですか!?

 いや~、何なんですかそれ~!?」


 めっちゃ発狂していて面白い。

 赤い光を身に宿らせながらあたふたしている様子は滑稽というか、幻想的というかなんと言っていいのか分からないが面白い。


 そうして遠巻きに見ていると。


 「あっ、溢れちゃいます!?」


 ボマードちゃんの体がひび割れドーム状に赤光が放たれた。


 【スキルチェイン【名称公開】【魚尾砲撃】】


 【追加効果が付与されました】


 【デメリットが増加しました】


 どうやら異なるスキルを同時に使うことで起きる現象のようだ。

 俺の手持ちスキルとかでも出来るのか気になってきたぞ?

 そして悪いニュースといいニュースを同時に流すな、アメリカ映画だとどっちを先に聞きたいか一応聞いてくれてるぞ!


 そんなことを気にしている瞬間、赤光が棘亀に触れたようだ。

 右前足にじわじわと侵食していくように光が包み込んでいっている。

 前に俺たちが7人同時攻撃をしたときはプスプスと煙を上げている感じだったがこれは様子が違うようだ。


 「ほうこれは爛れてます、大したものですね」


 検証班の【モップ清掃員】が赤光の包み込んだ場所を近くで観察して出した結論がそれだった。

 つまり……


 「スキルチェインでデバフと同時にダメージも入っているようですが、それとは別に状態異常も発生しているようですね……これはやけど!?

 流石生産プレイヤーですね」


 「い、いや~

 せ、いさん、プレイ、ヤーではない、です……ガクッ」


 「そうですか……残念です」


 ボマードちゃんが光になり天に召されていく……

 そんな中なんてシュールな会話をしているんだこいつらは……














 そのあと、とりあえず脳死で【魚尾砲撃】7連鎖を仕掛けたプレイヤーたちが居たとか居なかったとか……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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[一言] 「……いちゃつくのはそこまでにして早く沼地エリアに向かいませんか?  私はあなたたちのコントを見るために協力をお願いしたわけでは無いのですが……」  【釣竿剣士】ちゃんこわ~い!  花飾り…
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