454話 生産イベント順位発表 10位編
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
俺がログインすると、天子王宮がやけに飾り付けされているようだ。
しかも、カメラのようなものが各所に設置されている。
これは中継放送でもするのか?
「その通りです。
先日、生産アイテムの締め切りを行いましたので、今日は私の独断と偏見によるランキングを発表しておきたいと思いますよ。
司会は偉大なる次元天子である私【菜刀天子】と、ここに今ログインしてきた劣化天子……私の下僕である【包丁戦士】がお送りします。
これを見ている愚鈍な底辺種族たちは泣いて私に感謝しなさい!」
は?
なんか急に始まったんだが?
俺は困惑して辺りを見渡してみる。
すると、視界にあるウインドウ画面の端に文字が流れていっていることに気がついた。
名無しのモブプレイヤー:おっ、なんか始まったぞ!?
名無しのモブプレイヤー:まさかの生放送形式か
名無しのモブプレイヤー:悪質プレイヤーキラーおるやんw
名無しのモブプレイヤー:公式生放送で【包丁戦士】を司会にチョイスするセンス……正直すこw
名無しのモブプレイヤー:狂人とはたまげたなぁ
名無しのモブプレイヤー:リアルタイムに【菜刀天子】様にコメント送れるの感激なんだが!!!!神か!!!!
どうやらログインしているプレイヤーからコメントを送れるようだな。
今までこんなことをして無かったのに急に方針を変えてきたのは俺にとっても驚きだ。
「先日の次元戦争でこの包丁次元の序列が三位になりましたからね。
それで公式イベントでの生放送機能が解禁されました。
せっかくなので今回は偉大なる私の玉体を底辺種族たちに見せてあげようと思いまして」
名無しのモブプレイヤー:たすかる
名無しのモブプレイヤー:えちえち自撮り配信じゃん!
名無しのモブプレイヤー:ヌッ
名無しのモブプレイヤー:【菜刀天子】では抜けない
名無しのモブプレイヤー:は?
名無しのモブプレイヤー:ライブ感があって俺はこういうの好き
【トンカチ戦士】:ボマードちゃんのライブでもこういうのやってくれ!!1!1!
なんか不純物も見えたが、ライブ放送形式は多くのプレイヤーからも好評みたいだ。
俺も生放送しながらプレイヤーキラーとして魅せるキルとかしてみたいし、悪用方法も何個か思いついたけど、生放送機能のウインドウ画面を見るとロックがかかっていた。
「生放送機能を底辺種族でもできるようにするには、いくつか条件があります。
……が、それは自分で見つけてください。
次元天子である私は、一々説明できるほど暇ではないので精々地を這いつくばりながら足掻くといいでしょう」
相変わらずの上から目線だな。
そんな高圧的な言葉に視聴者はもちろんドン引き……
名無しのモブプレイヤー:ドS【菜刀天子】様キタ━(゜∀゜)━!
名無しのモブプレイヤー:たすかる
名無しのモブプレイヤー:こういうの……いいよね!
名無しのモブプレイヤー:ありがたや……
名無しのモブプレイヤー:需要は……ありまぁす!
名無しのモブプレイヤー:【包丁戦士】がコメント欄見て困惑してて草
名無しのモブプレイヤー:いい気味だ
名無しのモブプレイヤー:ざまーみろ
【トンカチ戦士】:ボマードちゃんのために頑張って探すぞ!111!1!!クラン【紅蓮砂漠隊】出陣!11!!1!
【バグパイプ軍楽隊員】:いや、生放送終わってからにしましょうよリーダー……
何故好評なんだ……流石に俺には理解できない。
「底辺種族たちはこの劣化天子と違って私の偉大さをきちんと理解しているようでなによりです。
それでは十位から発表します。
ちなみに、十一位以下は後でイベントページに掲載しておくので勝手に見てください」
名無しのモブプレイヤー:雑で草
名無しのモブプレイヤー:まあ、全部やってたらとんでもない時間になるから多少はね?
名無しのモブプレイヤー:そんなに多いのか?
名無しのモブプレイヤー:提出数は気になるところだ
【検証班長】:母数が分かるとボクとしても色々と助かるね
名無しのモブプレイヤー:ランキングとしての規模が大きいと上位の凄さがわかるしな
「欲張りな底辺種族たちですね……
いいでしょう、今から確認します。
……三万五千七百二十一点アイテム提出されているようです。
この数が多いのか少ないのかは判断に悩みますが、次元ごとにプレイヤーが分散している中でこれだけのアイテムが集まればいいところでしょう
それでは気を取り直して十位のアイテムから」
そう言って【菜刀天子】が宙から取り出したのは黒色の箱だ。
手のひらサイズのそれは、上品感のある装飾がなされており精巧な作りをしていると一目で伝わってくる。
これは蒟醤塗の箱だな。
漆塗りと言った方が伝わりやすいか。
蒟醬は何回も塗り重ねた中塗の上面を刀で文様を線彫りして、そのくぼみに色漆を充填する技法だ。
日本人の千利休が使っていたということも伝わっていたりするぞ!
名無しのモブプレイヤー:おっ、ええやん
名無しのモブプレイヤー:見た目はそれなりだ
【虫眼鏡踊子】:観賞用として部屋に飾っておきたい見た目よね!
名無しのモブプレイヤー:【包丁戦士】なんか詳しくない?
名無しのモブプレイヤー:【包丁戦士】による解説が始まったんだがwww
名無しのモブプレイヤー:こういうのが【菜刀天子】は好みなのか
「その通りですね。
このアイテムは見た目で選びました。
この高級感溢れる色使いに、職人の技術が感じられる精巧な模様!
この天子王宮に飾ってあっても違和感のないチョイスをした底辺種族はみどころがあります。
さて、その製作者は……」
まあ、ミャンマーのマンダレー王宮に近い様式で作られた建物に住んでいる【菜刀天子】の趣味なら同じ国の工芸品で攻めるのは賢いな。
名無しのモブプレイヤー:ごくり
名無しのモブプレイヤー:いったい誰なんだ?
名無しのモブプレイヤー:そうか、この王宮の見た目で好みを探れば良かったのか
【風船飛行士】:やるじゃんwww
名無しのモブプレイヤー:はじめのプレイヤーの名前は気になるところ
「【軍刀歩兵】です。
クラン【包丁戦士狂教団】に属しているだけあって、劣化天子と関わりのある次元天子の私の趣味もきちんと把握していたからこその結果ですね」
名無しのモブプレイヤー:あー、あいつか
名無しのモブプレイヤー:意外な一面もあるんだな
【モップ清掃員】:ほう、大したものですね
名無しのモブプレイヤー:聞いたことないプレイヤーだな
名無しのモブプレイヤー:上に同じ
名無しのモブプレイヤー:いい仕事してるのはわかる
クラン【包丁戦士狂教団】の軍刀使い……あ!
俺に憧れているプレイヤーキラーのあいつか!
【バットシーフ】後輩を背後からサクッとヤッたやつ!
あいつこんなのも作れるんだな……
まだ一作品しか紹介できませんでしたね……
【Bottom Down-Online Now loading……】