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446/2202

446話 バットシーフ後輩の生産

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日はクラン【コラテラルダメージ】のメンバーに生産イベントの進捗とかを聞いて回ろうと思う。






 まずは【バットシーフ】後輩。

 

 「あっ、先輩じゃないッスか!

こんなところで……もしやまたプレイヤーをキルして愉しんでいるッス?」


 俺に会って第一声がそれかよ。

 今日はプレイヤーキラーとしての活動じゃなくて、生産イベントの進捗を聞きに来たんだ。

 俺はなんとなく方針が決まったが、お前はどうなんだ?


 そういいながら俺は背後を確認する。


 【バットシーフ】後輩が生産活動をしている様子をほとんど見たことないから、どの程度こいつが本気で取り組んでいるのかは気になるところだ。


 「先輩、俺っちの特技を忘れたッスか?

 一に窃盗、二に盗み、三にスリ。

 俺っちは盗んだアイテムと、盗んだ技術でアイテムを作るッス!

 【槌鍛治士】先輩の鍛治技術とか、他の人の技術を盗みに行けば余裕ッス。

 この服も【槌鍛治士】先輩が【Б】素材で作ってくれたやつッスからね、技量は特に信頼できるッスよ!」


 ほーん、確かにカタログスペックだけで考えるならば色々なプレイヤーの技術を盗んでコピー出来る【バットシーフ】後輩が多くの技術を混ぜ込んでアイテムを作ったのならかなり見ごたえのある作品ができるだろう。


 それに、【バットシーフ】後輩には最近手にいれたといるユニーククエストのキーアイテム【アウラウネの苗】がある。

 ユニーククエストのキーアイテムになるほどのレアアイテムを使った製作物なら、性能も期待できるだろう。


 俺は頷くようにして、辺りを見渡す。


 「えっ、先輩にそのことって話したッスか?

 喋った記憶がないッスけど……」


 ああ、確かにお前から聞いたわけじゃない。

 荒野エリアの手配書にお前がやった所業が書かれていたのを見て知ったんだ。

 それを見てからお前に【アウラウネの苗】について聞こうと思っていたが、聞く機会を逃し続けてただけだな。


 「でも、【アウラウネの苗】がどんなアイテムで、どんなユニーククエストのキーアイテムなのかは俺っちも知らないッスよ……

 つい手癖で盗んじゃっただけッスからね」


 あっけらかんとした感じでそういい放つ【バットシーフ】後輩。

 その一切邪気を孕んでいなさそうな明るい感じが逆にサイコパスの様相だ。

 盗むことを悪いことだと一切思ってないというか、思考が違いすぎる。



 ちっ、内容を知らずに盗んできたのか。

 ワンチャンユニーククエストを横取り出来るかもしれないと期待していたが、ちょっと期待はずれだったな。

 


  

 ……?

 いや、待て?

 なんで内容も知らないユニーククエストとキーアイテムということは知っているんだ?

 何も知らずに盗んできたのならそれすらも知らないはずだろう?


 俺は疑問に首を傾げる動作で、目を配らせる。


 「手配書に出されているくらいッスからね……

 依頼主がユニーククエストのキーアイテムってことを公表しているからッスよ。

 先輩と同じようなルートで俺っちも知ったッスよ!

 俺っちには裏の人脈があるッスからね!」


 前も思ったが、裏の人脈ってなんだよ!?

 しれっと【バットシーフ】後輩の普段の活動内容に不安を感じてきた。

 俺が思っている以上に、こいつは異常者なのかもしれないぞ。






 そう思っていると俺たちを取り囲むように謎のモブプレイヤーたちがわらわらと出てきた。


 ……ようやく出てきたか。

 

 「えっ!?

 いつの間に俺っちたち囲まれていたッスか!?」


 やっぱりお前は気づいていなかったのか……

 俺が【バットシーフ】後輩と合流してすぐに囲まれていたぞ。

 会話の節々に俺が周囲を警戒していたのに気づかなかったのか?

 ほら、この話の上の方から読み直してこい!



 「先輩はたまに意味不明なことを言い始めるッスよね……」


 意味不明で結構!

 今はこのモブプレイヤー集団を倒すことに専念しろ。

 


 「グッヘッヘッ!!

 賞金首がこんなところに二人もいるなんて俺達ラッキーだぜ!

 賞金ついでに、そこの怪盗が持っている【アウラウネの苗】も渡してもらおうか!」


 やっぱり手配書絡みの連中だったか。

 いいぜ、俺の料理の前菜くらいにはちょうどいい。

 かるーく調理してやる!


 「な、舐めやがって!?

 ぐわわわわわわわ!?」


 俺は包丁を横凪ぎに振り払い、賞金首モブプレイヤーを光の粒子に変換していく。


 「やっぱり先輩はこういうときに誰よりも頼りになるッスね!

 よーし、俺っちも頑張るッスよ!

 ストックスロット2!【獣王無尽】!

 【ペグ忍者】先輩の力を借りるッス!」


 そうして俺たち二人は賞金首モブプレイヤーたちを相手に立ち回ることとなった。

 勝敗?

 もちろん俺がプレイヤーキルで遅れをとるはずがないと言えば分かるか?






 このサイコパス先輩後輩コンビ……

 次元の治安を著しく低下させていますね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 普段、盗み以外なにしてるか全く分かりませんが 後輩も頑張っているようで何よりです [一言] 賞金を見ればヤバさは分かりそうですが 負けてペナルティがある訳でもないからか強気でしたね
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