445話 生産イベント素材集め
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はさっそく生産イベントの活動をしようと思う。
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにあるプレイヤーの露店が立ち並ぶ場所、ほのぼの市場。
ここでとりあえず生産イベントに使えそうな素材を探すとしよう。
素材がないことには作るものも作れないからな!
まずやって来たのは俺の行きつけの野菜屋台だ。
「【包丁戦士】さんいらっしゃい!
今日は何がお目当てですかな?」
ここの店主のおっちゃんには、闘技場イベントのときにはお世話になった。
ケムリダケや拡散スイカを仕入れてもらっていたからな。
とりあえず良いものを頼む!
「これはこれは抽象的なオーダーですな……
具体的にどんなものをものを求めているのですかな?」
具体的に……かぁ……
何も考えていなかったが、【菜刀天子】はどんなものを求めているんだろうか……
俺が作るのは料理関係と、食材関係のアイテムだが旨いものを求めるのか戦闘力に関係するものを求めるのかで変わってくる。
あくまでも刺激的な料理を作るのであれば、ケムリダケや拡散スイカは過激すぎるな。
刺激が強くても辛さの限度とか、一定の範囲から逸脱しないものを選ぶべきだろう。
戦闘力に関係するものを作るのなら、作る俺自身の命の危険を承知の上でとびきりの危険物を選ぶべきだな。
それこそド派手なやつとか、劇的なやつだ。
そっちの方が見栄えは良さそうだし……
でも、地味なやつだったとしても性能が良ければ【菜刀天子】は評価してくれそうだ。
あいつ、細かいことに拘ったりすることがあるからそういうところに関心が集まれば、高評価は狙える……?
【菜刀天子】の思考を完全にトレース出来たのならどの方針で行くのか決めやすかったんだが、流石にそこまでは出来ないからな……
「2つの方針で悩んでいるのですかな?」
ああそうだ。
はじめの一歩が肝心だからな。
ここでの選択が後々の結果に大きく響いてくる以上、迂闊な判断は命取りだろう。
「そういうものなんですかな……?
でも、私としては【包丁戦士】さんにはもっと欲張りに行って欲しいですな!
狂人、プレイヤーキラーとしての悪評をものともしない【包丁戦士】さんの心意気が私は好きなのです。
それとも、大胆なのはプレイヤーキラーとして活動している時だけなのですかな?」
俺は野菜屋台のおっちゃんの言葉を聞いてハッとした。
そうだ、俺はどうやら考えすぎていたようだ。
考え込みすぎて選択肢を自分で減らしていたのはなんとも情けない。
これでは「生産プレイヤーとして失格ですよ」と【釣竿剣士】に怒られてしまっても仕方がない。
そう包丁次元のMVPプレイヤーである俺が堂々としなくてどうするんだ!
野菜のおっちゃん!俺は決めたぞ!
「ほうほう、決まりましたですな?」
俺は美味しさと戦闘力、どちらにも貢献できるアイテム……いや、料理アイテムを作るぞ!
料理として味覚を重視するのでも、アイテムとしての性能を重視するのでもない。
俺はその両取りでいく!
どちらかに決めないといけないわけじゃないからな!
せっかくの機会だから俺は貪欲に両方を狙いにいってみる。
【暴食】の大罪を持ってるのに、作る料理は不味いなんて言われたら流石に俺でも泣くからな……ここは妥協したくないものある。
「それならば……前に渡した酩酊ブドウと相性がいいと分かっているものはどうですかな?
これがあれば二つの意味で、より一層刺激的なものが出来上がると思うのですな
そう言って俺に真っ赤なイチゴが入ったパックを手渡してきた。
このイチゴがあのレアアイテムの酩酊ブドウと相性がいいのか?
一見すると普通のイチゴに見えるんだが、レアアイテムに釣り合うのか?
下手なものを加えて完成品を劣化させるのを避けたいからな。
「それは安心するといいですな。
このイチゴは【激情イチゴ】と呼ばれているレアアイテムなのです。
食べると一定時間感情の昂りが抑えきれなくなる逸品ですな」
ほう、これまたおもしろいアイテムだな。
感情に働きかけるとはまた奇抜な効果だ。
そして、その効果を聞いて【酩酊ブドウ】との相性の良さにも気がついた。
ふふふ、これは面白いものができるかもしれないぞ!
頼みますから美味しいものをお願いします。
評価するためにコピー品とはいえ、一度味わわないといけないので……
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