表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

441/2207

441話 能天気なお散歩(頂いたファンアートあり)

 【Raid Battle!】


 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は深淵奈落で俺の子供(?)であるレイドボスのキリゲーと散策だ!





 というわけでやって来ました【深淵奈落ー浅層 ルルイン】!

 ここでキリゲーと散歩をしながら見て回る。


 キリゲーは大分身体の扱い方を学んできたようで、前みたいに勢いつけすぎて廃墟に激突することはかなり少なくなってきている。

 少なくなってきているということはゼロではないということでもあるが、数が減ってきていることそのものに成長を感じている。

 あれだけ移動させるのに手間だったのに、ほとんど気を払う必要が無くなったのは本当に助かるぞ……


 ルル様のところまで誘導するあれは本当に苦行だったからな……

 同じ誘導するでも、棘亀レイドボスのウプシロンを誘導するのより少しマシなくらいか。

 

 そんなことを考えながら歩いていると、前回次元戦争を引き起こした謎の遺跡の近くを通りかかった。

 だが、あの一回の次元戦争の影響で崩落してしまったようで完全に瓦礫の山ではあるがな。

 どうやらあの遺跡は次元戦争一回分しか耐えられないようだ。

 何回も出来たのなら、他の次元のやつらとも気軽に交流できたのに残念だ。

 無い物ねだりをしても仕方ないので、俺とキリゲーは瓦礫の山となった遺跡を横目に更に進んでいく。


 

 歩いていくうちにキリゲーの調子も上がってきたようで、歩きながら俺に頭を擦り寄せてきた。

 お~、よしよし。

 俺はキリゲーの頭を左手で撫でて宥めながらキリゲーのことについて考え始めた。

 

 こいつはこれからどうしていけばいいんだろう。

 他のレイドボスのように地上に上がって、他のプレイヤーと戦うレイドボスとしての役割を全うさせるべきなのか、ルル様の野望に荷担させるべきなのか、それとも……


 俺に懐いているキリゲーの表情を見ると、つい過保護になってしまって戦いに出すのを渋ってしまう。

 ステッキ次元のMVPプレイヤーであるロイス=キャロルと戦ったときは深淵奈落環境だったから多少の無理をさせる前提で呼び出したが、新緑都市アネイブルに呼び出した時の様子を見ると少し心許ない。


 俺の悩みを虚仮にするかのように、キリゲーは能天気そうに核である風見鶏を出したり入れたりして遊んでいる。

 こら!大事な核を出し入れするな!


 すぐに復活するプレイヤーたちの首なら何回だって取り外しても、切り裂いても、串刺しにしても全く問題はないがレイドボスとなると話は変わってくる。

 せっかく身につけた力の大半を失うことになるらしいからな。

 最悪の場合消滅する。

 

 だからこそ、スキル【想起現像】でも迂闊に呼び出せないと考えているというわけだ。

 その辺のモブプレイヤーたちにキリゲーの情報は極力隠しておきたい。

 一度漏れた情報は止められないからな。


 力を付けきっていないレイドボスを従えていると知れば、スキル欲しさにキリゲーを狙うやつが俺に押し迫ってくることは容易に想像できる。

 だからこそ、キリゲー育成にもっとも適したこの【深淵奈落ー浅層 ルルイン】で育てているわけだ。


 その辺のモブプレイヤーに俺の可愛い子をヤらせるわけにはいかない!

 どれだけ手間をかけたと思っているんだ、せっかくのスキルキャンセル能力を持った強力な俺の手札にもなっているのに他のやつらに渡してたまるか。

 そんなことしたら俺のプレイヤーキラーとしての活動にも影響が出てしまうし、どう考えてもマイナス面しかない。


 標的が強くなっていくのはキルしがいがあるから歓迎するのだが、この場合は強くなるというよりも厄介になるだけなので嬉しくない。

 血肉舞い散る狂気の戦場こそ俺が求める場所だ、そのためにはスキルだけに頼りきりではないプレイスキルをあげてもらわないと。

 その点では草原エリアのモブプレイヤーたちはいい感じに育ってきているから、今後に期待はできる。


 スキルに対するアンチスキルは、極まった後に手に入れて駆け引きを楽しめるようになればいいが今広まってしまうと闘技場イベントでの【魚尾砲撃】地獄のように同じスキルだけで決着がついてしまう環境が出来上がりかねない。

 


 キリゲーのスキルにはそれくらいの可能性が秘められていると俺は睨んでいるのだ。

 

 

 この能天気な行動ばかりしている愛すべき金鵄は俺の悩みなど気にしていないかのように廃墟の壁にぶつかり、建物を破壊していた。

 おいおい……







 順調に育ってきておるようだのぅ……

 実戦に投入できる時が楽しみだ。


  【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】



ボトムダウンーオンライン100万字突破記念ということで、にぃの様から【包丁戦士】のファンアートを頂けました!




ルル様の力を纏った【包丁戦士】の可憐な姿が色鮮やかに表現されていて感動しました!

瞳の描き込みも私の解釈に驚くほど一致しています!

緑色のゴスロリ姿の【包丁戦士】……いいですね!赤いリボンとの色の組み合わせもこんなに良かったのかと驚いて見ています。

これなら刺されたいという【包丁戦士狂教団】のメンバーたちの気持ちも分かってしまうかもしれません笑


ちょうど深淵奈落回で都合が良かったのでこのイラストを掲載させていただきます!


初めてボトムダウンーオンラインでファンアートを頂いたので、とても嬉しいですね。

どのような姿をイメージしているのかも分かって、作者としてはにんまりしながら見てしまうしかなかったです。



この度はこのような素敵なイラストを描いていただきありがとうございました!

https://www.pixiv.net/artworks/87068249

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] キリゲーやっぱ可愛いですね 戦闘できる場は限られますが能力は強いですし さらに育つのが楽しみです [一言] 色あるとさらに可愛さが増してますね 絵のタイトルで最初の驚きが思い出されて懐かし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ