437話 大激突
「サポートを受けた実力派のオレがいくぜ!
スキル発動!【イグニッション】!」
「アァン!?
やらせるかってんだァ!
スキル発動!【サザンクロス】!」
俺のデバフサークルにより動きの鈍った【綺羅星天奈】を仕留めるべく、【ギアフリィ】はパイルバンカーに熱を込めて、そのまま突き出した。
また、それに対抗すべく【綺羅星天奈】も十字架を回転させてパイルバンカーとぶつけて相殺し始めたようだ。
カタカナスキルとカタカナスキルのぶつかり合い、デバフを受けてもスキル【機戒纏装GP】でレイドボスと化した【ギアフリィ】と互角に渡り合っているのを見ると、流石は上位3位に君臨している次元のMVPプレイヤーだなと思う。
【ギアフリィ】と一対一なら間違いなく【綺羅星天奈】に軍配が上がっていたんだろうな。
だが、この戦場には俺もいるんだぞ!
いくぞ、スキル発動!【波状風流】!
俺はスキルを発動させて、足元にスプリンクラーのようなものを生み出した。
実戦で使ったことはなかったが、竜人ギルドマスター【オメガンド=メイローン】を倒して手にいれたスキルだ!
このスプリンクラーから発生する風の流れに乗って羽ばたき、鍔迫り合いをしている【綺羅星天奈】の不意をついた。
「ぐっ、いてぇの喰らっちまったな……
なんだその加速力は!?
聖女であるアタイでも対応できないスピードとかイカしてるじゃねぇかァ!
アァン!?」
スキルのアシストを得て風に乗って、猛スピードで包丁で切り込んでこれまでまともにダメージを与えられていなかった【綺羅星天奈】にデカイダメージを与えることに成功した。
ついでに一気に退却して、【波状風流】で設置したスプリンクラーもどきを自分で破壊しておいた。
あれが残っているとスキルを封印されてしまうからやむを得ずだな。
なんかようやくって感じがするぞ。
これまで長時間戦闘していたわりに、俺と【ギアフリィ】ばかり疲弊していたから焦っていたがなんとかはなるかもしれないという希望が見えてきた。
そうだ、相手は一人なんだから協力プレイしている俺たちの方が有利のはずなのに何故ここまで苦戦しているんだ……
「それは聖女であるアタイがつえーからに決まってらァ!
愚鈍な三下のお前らに負ける気なんてさらさらねーから!
大罪スキル発動!【虚飾光明】!」
【綺羅星天奈】は更なる大罪スキルを起動して、全身から紫色と黄金色の混在するオーラを全身に纏いはじめた。
この感じ、【ペグ忍者】がたまに使う身体強化スキルの【獣王無尽】に近いな。
あいつは、ここからまたさらに強くなるとでも言うのだろうか。
ただでさえ拮抗状態に近いというのにやめてくれよ……
俺がアルベーの眼……【阻鴉邪眼】でデバフを付与していなかったら確実に俺たちは押しきられていたので、俺の天才的判断がここで活きてきたな!
俺と【ギアフリィ】はそれぞれ包丁とパイルバンカーを振りかぶり、左右から挟撃する形で【綺羅星天奈】に突きを繰り出した。
「甘ェよ!
聖女であるアタイにそんな単調なコンビネーションが通じるとと思ってんのかァ!?
アァン!?」
俺の包丁は光輝く包帯を巻いた拳によって弾き返され、【ギアフリィ】のパイルバンカーは十字架によって受け止められた。
あの十字架……盾系チュートリアル武器特有のガード音がしないから盾カテゴリーじゃないはずなのに、完全にメイン盾として使われてるぞ。
それでいいのか十字架……
「いいに決まってンだろ!
そろそろ遊びも終わりの時間だ。
聖女であるアタイの必殺技でケリをつけてやらァ!
大罪スキル発動!【虚飾神聖】!
さらにスキル発動!【神天宝飾】!」
【スキルミックス!】
【【虚飾神聖】【神天宝飾】】
【混合発動【虚飾宝飾】
【修練武器に概念混合されます】
【デメリットとしてナニカが減少しました】
「実力派のオレもいくぜ!
スキル発動!【神鳥機砲】!
スキル発動!【神機天戒】!」
【スキルミックス!】
【【神鳥機砲】【神機天戒】】
【混合発動【神機戒砲】
【修練武器に概念混合されます】
【デメリットとして翼が焼失しました】
この最終局面に俺が出し惜しみする理由はない。
俺もこのルル様の力を最大限に活かす必殺技を使うしかないな!
スキル発動!【堕枝深淵】!
【スキルチェイン【深淵纏縛P】【堕枝深淵】】
【追加効果が付与されました】
【デメリットが増加しました】
【origin【堕枝深淵】】
アナウンスが終わるのを確認してスキルの詠唱を開始する。
【我が領域を侵すものよ】
【流転する境界の狭間にて、我が深き業を刻み込め】
【汝、聖なるものなれば我が深淵に染まるがよい】
【これは我が存在の証明】
【スキル発動!【堕枝深淵】】
これで勝つにしろ負けるにしろ決まりそうですね。
【Bottom Down-Online Now loading……】