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433話 実力派の守り

 「実力派のオレは【包丁戦士】と戦ったときから格段に進化している!

 この翼の展開スピードはどうだ!

 前よりも格段に速くなってるだろ!」


 【ギアフリィ】が開幕発動した【機天顕現権限(オーソリティオブマキナ)】だが、以前は一枚一枚錆びた金属の塊からゆっくり生成していたが今は前よりも早いスピードで一枚増えていっている。

 この金属の翼は羽が増えるたびに身体スペックを向上させていくというとんでも効果を持っているが、前はゆっくりとしたペースで増えていたから対応できたが、こんなに早いと技術じゃなくてスペックで勝負にならなくなるぞ!?


 それはまずいって!

 俺も対抗してスキル発動!【深淵顕現権限P(エルル)】!


 急速にスキルの影響でパワーとスピードを上げていっていることに危機感を覚えた俺は、【槌鍛治士】から受け取っていた生け贄の代用品を使って【深淵顕現権限】を使った。

 背中から骨が隆起し、右片翼の骨が形成されていき俺の身体は宙へと浮かび上がる。

 これで俺にも空中軌道が可能になった。


 「おや、聖女である私以外の皆様も顕現スキルを使って翼を授かったようですね。

 私は光の翼、粗野な【ギアフリィ】さんは金属の翼、狂気を感じる【包丁戦士】さんは骨の翼……

 三者三様ですが、神の祝福を受けているので私の翼が一番美しく逞しいですよ!

 はぁぁぁぁっ!!!」


 女子高生聖女の【綺羅星天奈】は爛々と輝く天子の翼をはためかせ、身長よりも少し大きい十字架を回転させながら【ギアフリィ】のパイルバンカーと打ち合った。

 

 「くっ、翼三枚でもまだ実力派のオレが押し負けるだとっ!

 お前、トンでもないやつだな!」


 十字架とぶつかり合ったパイルバンカーごと【ギアフリィ】は仰け反り、隙をさらした。

 そこを俺はルル様の骨羽によって急接近して包丁で追撃する。

 この勢いで放つ斬撃は……横凪ぎだっ!


 広範囲に攻撃判定のある横凪ぎが【ギアフリィ】の身体を切り裂こうとしたが、それを妨害するかのように【ギアフリィ】の後ろで宙に浮いていた金属の翼の一枚が妨害して代わりに崩れ去った。


 「ちょいちょい!まるで料理だな!?

 危ないじゃんかよ、オレの羽1個くだけ散ったじゃん!

 【包丁戦士】……相変わらずお前は油断できない相手だぜ!

 だが、包丁の力を過信したな!」


 あの羽、自由に動かせるのかよっ!?

 だが、強度は全くないみたいだからワンチャン成長速度を遅くできるということでもあるか。

 とりあえず一つ攻略法を見つけられただけ、今の攻防には意味があったと思うしかない。


 欲を言えばダメージ与えたかったんだけどな!!


 「そんなことやらせるかよ!

 スキル発動!【イグニッション】!」


 俺はスキル【イグニッション】の発動を確認してから、サイドステップでパイルバンカーを回避する。


 腕力の強さでパイルバンカーをかなり速いスピードで扱うギアフリィだったが、それでもあれだけ大きい武器を軽々と扱うのは無理がある。

 だからこそ、よく見ていれば回避に失敗することはない。


 俺がサイドステップで回避することで、【イグニッション】というスキルが付与されたパイルバンカーが床に炸裂した。



 パイルバンカーの先端についている杭が高速振動し、パイルバンカーの内部が炎に包まれたかのように紅く染まっていき、その紅みが杭まで届いたとき俺の周辺が大きく揺れた。


 ここまでは規定路線、前に【ギアフリィ】と戦ったときも同じ展開になっていたからな。


 だが、今の俺は宙に浮いている。

 あの時は地面に足をついた状態だったから倒れ込むはめになったが、今回はその心配がない。


 ……まあ、他の心配事はあるがな!


 「天の力を持つ聖女である私にも、そのような技は通用しませんよ。

 スキル発動!【サザンクロス】!」


 女子高生聖女の【綺羅星天奈】は十字架を回転させながら【ギアフリィ】に投擲した。

 スキルの影響か、回転したままホバリング状態で地面スレスレの空中移動をしながら【ギアフリィ】に迫っていく。


 「はっ、それくらい実力派のオレが押し返してやるぜ!

 いくぞ、スキル発動!【月下心裏】!」


 【スキルミックス!】




 【【機天顕現権限】【月下心裏】】




 【混合発動【月天心機】】




 【修練武器に概念混合されます】




 【デメリットとして翼が減少しました】



 【ギアフリィ】は他の次元のやつらがよく使うのを見る、伝播の力のスキルである【月下心裏】を【機天顕現権限】とスキルミックスして発動したようだ。


 発動したスキルは【ギアフリィ】の前方に錆びた三日月、銀色に輝く半月、黄金に輝く満月の形をした金属の盾が空中に現れて【綺羅星天奈】の攻撃を受け止め始めた。


 その代償に【ギアフリィ】は5つあった翼全てを失ったようだが、【サザンクロス】の影響を受けた回転する十字架による攻撃を難なく受け止めて弾き返した。


 それでも錆びた三日月の盾と銀色に輝く半月の盾は壊せたようだが、一番頑丈そうな黄金に輝く満月の盾は無傷だ。


 「ま、実力派プレイヤーは守りも万全ってことだぜ!

 オレを攻めだけの男と勘違いされたら困るぞ!」


 【ギアフリィ】は頭のゴーグルの位置を直しながら自慢げにそう言い放った。




 

 

 自慢気だったり、傲慢だったりする……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


1話に河本師走 (ふーみん)さんからいただきましたタイトルロゴが新たに追加されました。

素敵なタイトルロゴをありがとうございます!


ぜひ一度見てみてください!

河本師走ふーみんさんもなろうで小説を書かれていますので、そちらもぜひ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] MVPプレイヤー同士の戦いは互いに未知のスキルで応戦し合っていてわくわくしますね [一言] タイトルロゴ、未来チックでいいですね ロゴのカッコよさと実際のゲームの理不尽さとのギャップは凄い…
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