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426話 絶対聖女聖域

 「翼を持ってる相手にはオジサンの弓が有効そうだねぇ!

 さっそく仕掛けるよ。

 スキル発動!【レインボウ】!」


 【短弓射手】は宙に浮く女子高生シスターを狙い打つために、弓に矢をつがえて放った。

 スキルの恩恵を受けた矢は七本に分裂して女子高生シスターに向かっていく。


 「綺麗なスキルですね。

 ですが、聖女である私にはその綺麗さは劣っています。

 神から賜った私の美しさを以てこの矢を救済します!

 スキル発動!【風流聖域】!」


 

 【スキルミックス!】




 【【天元顕現権限】【風流聖域】】




 【混合発動【天元聖域】】




 【修練武器に概念混合されます】




 【デメリットとして魔力が減少しました】



 「スキルミックスなんて聞いたことないねぇ……」


 「混沌(カオス)に繋がる概念(ドメイン)か……」


 

 「はああああっ!」


 女子高生シスターは背中の十字架を地面に突き立てて、その十字架から女子高生シスターを包み込むように黄金色に輝く風が発生し始めた。

 そして、その黄金色に輝く風が七色に光る七本の矢を弾き返してきた。


 「あらら、オジサンの自慢の攻撃だったんだけどねぇ……」


 俺もそれに続いて包丁で風の聖域を切り崩すために、十八番の袈裟斬りで切り込むが……

 ちっ、風なのに堅いぞっ!?

 俺の包丁も弾き返されてしまった。

 まるで、黄金の壁を相手にしているかのような錯覚を覚える堅さにレイドボスのウプシロンの姿が脳裏に浮かんできた。

 長い戦いになりそうだ……


 「聖女である私の同胞である信徒の皆様、聖域はここに現れました。

 さあ、出番ですよ!」


 女子高生シスターのかけ声を今か今かと待っていたと言わんばかりの勢いで、背後から二人のプレイヤーが現れた。

 一人はグラサンのコンパウンドボウ使いのプレイヤー、もう一人は大剣使いのプレイヤーだ。


 「俺は【ポロロッカ】。

 コンパウンドボウ使いとして、そこの弓使いには興味がある。

 ……が、聖女様を狙うのであれば万死に値すると知れ!」


 「オイラは【フェーン】。

 そんな小さな包丁じゃ、オイラの大剣で両断されるのが見え見えなんだなぁ!

 聖女様を傷つけさせる前に、オイラが倒すんだなぁ!」


 「そして、聖女である私も自己紹介を。

 私は【綺羅星(きらぼし) 天奈(あまな)】です。

 十字架次元のMVPプレイヤーで、聖女として皆を救済、導いています。

 そして、此度は包丁次元とパイルバンカー次元の皆様も神の慈悲によって救済される時が来たということです。

 さあ、その身を神にお捧げ下さい!」


 どうやら、若干【菜刀天子】チックな上から目線の物言いはデフォルトのようだが、一応自己紹介するくらいには礼儀正しいようだ。

 しかし、それが仇になったなぁ!


 ハハハハハ!!!!

 包丁次元の洗礼をうけてその高慢な態度を改めるんだなぁ!


 【綺羅星天奈の【神名償還】】


 【綺羅星天奈の信仰心に応じてスキルの補助効果が向上します】



 【綺羅星天奈の【名称公開】】


 【Block!】


 【【天元聖域】の守りによって能力低下を受け付けない!】





 【ポロロッカの【神名償還】】


 【ポロロッカの信仰心に応じてスキルの補助効果が向上します】



 【ポロロッカの【名称公開】】


 【Block!】


 【【天元聖域】の守りによって能力低下を受け付けない!】





 【フェーンの【神名償還】】


 【フェーンの信仰心に応じてスキルの補助効果が向上します】



 【フェーンの【名称公開】】


 【Block!】


 【【天元聖域】の守りによって能力低下を受け付けない!】




 は?

 【名称公開】を防いできただと!?

 そんなことがあり得るのか!?

 今まで次元戦争での成功率は100%だったのに、ここに来てしくじるとはっ!

 完全に想定外で頭が追いつかない。


 「聖女である私の発動した修練武器の十字架を媒介にした聖域……【天元聖域】はスキルミックスの影響で物理攻撃とデバフに対して強い守りとして働きます。

 もちろん、聖女としての役割は自分だけではなく皆を守ること!

 なので、対象も私だけではなく周りの仲間も救済されたのです。

 浅はかな策があったようですが、神の前ではそのような策は無力なのです」


 「これは驚いたねぇ……

 包丁次元のプレイヤーたちが聞いたらみんなそのスキル欲しがるねぇ……

 名前を名乗れるようになるのは大きいのさ。

 オジサンは【短弓射手】と呼んでほしいカナ?」


 「ククク……我輩は【黒杖魔導師】。

 真名(マナ)ではないが、気に入ってはいる」


 俺の味方たちも相手に合わせて自己紹介をしたようだ。

 だが、名前に関するスキルは発動していない。


当然だな、包丁次元は皆2つ名で名乗っているだけだからな。

 別にプレイヤーネームではない。





 そして、俺が包丁次元のMVPプレイヤー【包丁戦士】だ!

 プレイヤーキラーとして、お前を今回絶対にキルしてやるからな!

 当然偽名だが、よろしく!


 「面白いですね。

 聖女である私の守りを突破できますか?」


 もちろんやってやるさ!

 俺は不敵な笑みを浮かべながら綺羅星聖に鋭い眼光を向けて宣戦布告した。








 十字架次元も当然のようにスキルミックスを使ってきましたか。

 それに比べて包丁次元は……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[良い点] 流石上位の次元進み具合が違いますね  名称公開を初見で防がれるとは [一言] いつもの初見殺しデバフを防がれた上に相手にとって有利な状況にされてしまいましたね 下位の次元と舐められている気…
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