418話 罪の忠告(挿し絵あり)
【Raid Battle!】
【『sin』ーーー大罪を司る悪魔】
【????】
【大罪魔】【上位権限】【???】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【ーーー次元渡航による障害で破損ーーー】
【レイドバトルを開始します】
【ワールドアナウンス】
【包丁が血を求める】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の目覚め】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の渇望】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の飢忌】が強制セットされました】
【暴食は食べ散らかしたり、味わったりする……】
【大罪域の風が吹き荒れる】
【【包丁戦士】に暴食の力が貸与されました】
「……大罪魔だったり、大罪魔じゃなかったりする……」
俺の前に現れたレイドボスの銀髪褐色ロリは、アナウンスにあるようにデータとして破損している部分が多く見られる。
服装なんてプレイヤーの初期装備のタンクトップに戻されてるくらいだ。
次元渡航の際に衣装が全損してしまったのだろう。
だが、それでも俺が求めていた【上位権限】はちゃんと持ってきてくれたようだ。
「暴食……?」
そう、俺は暴食の【包丁戦士】だ。
お前が俺にこの力をくれたんだろう?
この力を使うとワールドアナウンスが毎回流れて鬱陶しいのは事実だが、それ以上にドレイン機能がプレイヤーキラーとして活動するために役立ってるから感謝してるぞ。
「嬉しかったり、嬉しくなかったりする……」
いや、どっちだよ!
この返答してるのか分からない答え方は対応に困るな。
そう思いながら、銀髪褐色ロリの髪の毛を触ってみる。
俺のその行為は抵抗なく受け入れられたので、遠慮なく髪の毛の感触を堪能する。
ロングヘアーだから波打つように揺れる髪はサラサラしており、まるで川を手が下っていくかのように流れるように撫で回せる。
普通の人間であれば手間をかけなければここまでの髪質にはならないだろうが、そこはレイドボス特権というところか……羨ましい!
だが、珍しく俺でも胸囲が勝てる相手だ!
やったぜ!
……いや、ロリに勝ってもなぁ。
それでだ、とりあえず単刀直入に伝えるが、次元天子である【菜刀天子】が守護している新緑都市アネイブルの深淵種族への拒絶反応を無くして欲しい。
そのために俺はここに来たんだからな。
ルル様から聞いたが、【上位権限】持ちのお前なら土地の影響を改竄できるとかなんとか……
「ルル様……
っ!?
この次元ではそれを名乗っていたり、いなかったりするの……?
【エルル】……本気だったりする……?」
この次元では……?
「私は他の次元の【大罪魔】の身体をコピーしたものだったりする……
私の身体がいた次元ではプレイヤーが参入する前から既に深淵種族は滅んでいたり、滅んでいなかったりする……
ここは深淵種族にとって適正な次元だったりする……?」
それは分からないが、深淵種族関係クエスト進行者筆頭である俺が振り当てられた次元だからその可能性はある。
どういう基準でプレイヤーを各次元に分けたのか分からないから断定は出来ないけど。
「私の削ぎ落ちた力で出来たり、出来なかったりする……
でも、やってみたりはする……つもり。
【暴食】が礎になってくれたから恩返ししたり、しなかったりする……
この次元の本来の私の身体は過去の時代に滅んで精神だけになっていたから……」
あっ、やっぱり俺に時折語りかけていたのはお前本人(?)で合ってるのか。
ただ、他の【上位権限】持ちのレイドボスと違って精神だけになってさまよっていたというところだろう。
「私以外にも【上位権限】持ちのレイドボスは過去に滅んだり、滅んでいなかったりする……
昔はもっといっぱいいっぱい【上位権限】を持ったレイドボスがいたの。
でも、他の【上位権限】を吸収するために潰しあったり、潰し合わなかったりしてる……
私は吸収される前に肉体が滅んだり、滅ばなかったりして精神体として傍観したりしていた……」
あっ、だからルル様は次元天子で【上位権限】持ちの【菜刀天子】を倒そうとしているのか。
そして、そのあと他の【上位権限】持ちを倒して世界を支配するという野望を俺に話していた。
あれは他の【上位権限】を吸収していくという表明だったということか。
……なんかこう、ルル様って俺に色々教えているように見えて肝心なところは誤魔化して説明しているってことに最近気づいてきた。
深入りさせ過ぎて寝首を狩られることを警戒している……のか?
敵対している聖獣たちや次元天子が狡猾とか陰湿とか評する深淵種族のボスだし、それくらいは考えていてもおかしくない。
だから必要最低限の情報で俺を踊らせてやろうとしているかもしれない。
まあ、とりあえずは踊っておいてやるけど。
「その通り、【エルル】は狡猾だったり、老獪だったりする……
その点私は安心だったり、安全だったりする!
これからは私を頼ってほしいの」
今まで肯定と否定の言葉を繰り返していた銀髪褐色ロリの【大罪魔】だったが、ルル様に対しては否定の言葉を2つ並べて、【大罪魔】自身には肯定の言葉を2つ並べている。
言葉を強調する意味合いなんだろうが……そこまでルル様は恐れられているということだろう……
俺も気をつけよう……
私は安心だったり、安全だったりする……
大事なことだから二回言ったの。
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