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412/2203

412話 正義は二度撃つ

 俺は【荒野の自由】によって死に戻りさせられたが、スキル【花上楼閣】のによるリスポーン位置の再設定を行ったから他のエリアに戻されずに済んだみたいだ。


 やはりポリンお嬢様の警戒術は偉大だった。

 流石は守りに重点を置くプレイヤーだ。


 さて、さっき俺が殺された技【ジャッジメントバレット】についてだが、スキルの名前からするとバレット……銃弾による攻撃なのかもしれない。

 そういえば、実績照会に【【荒野の自由】に早撃ちで勝利する】って実績があったな……クリアしてないみたいだったが。

 あれはつまり、【荒野の自由】が拳銃を使うってことを示唆してたことになる。

 【保安官】というジョブとカウボーイ風の見た目っていうのも俺の推測を裏付けていると思う。

 ただ、攻撃する瞬間を見ていないから断定はできないがな。

 



 とか考えていたら俺の身体に再び強烈な負荷がかかり始めた。

 ちっ、また身体が動かなくなったぞ!?

 おいおいおいっ、まさかまさかまさか!!??

 


 さっき俺死んだばっかりなのにまさかもう俺の居場所を突き止めてきたって言うんじゃないだろうなっ!?




【Raid Battle!】





 【荒野の自由】






 【????】




 【機戒天使】【上位権限】【保安官】





 【螺旋のように回る歯車は輪廻の象徴】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】




 【罪を裁き悪を挫く】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】




 【罪を迎え撃つ雌伏する弾丸は】




 【増長する悪意を討ち滅ぼす】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】





 【レイドバトルを開始します】



 「HEYガール!

 ギルティな気配を追ってきたらまだこんなところにいたとは!

 仕留めきれなかったか?

 いいや、返答は求めてないから答えなくていい。

 ギルティは何度でもジャッジメントするだけさ。

 荒野の地の塵となれ!【ジャッジメントバレット】!」


 唐突に現れて唐突に宣言してきた【荒野の自由】の目にも止まらぬ早業によって俺はなすすべもなく再び光の粒子となり死に戻りするはめになった……


 どうして……







【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、というわけで新緑都市アネイブルにある王宮まで戻されてしまった。

 死んで即同じレイドボスにまた殺されるってどんな鬼畜なゲームだよ、流石はプレイヤーに人権のないゲームだぁ……

 プレイヤーの虐め方は他のゲームと比べてもピカ一だぞ!


 「それはAIである私も同感ですが……」


 俺が死に戻りで来たことを察知した【菜刀天子】が俺に近寄ってきた。

 というか、管理AIが自分のゲームにダメ出ししてるのは草生やすどころじゃないぞ!


 「実際、底辺種族たちにとってはそうでしょうからね。

 次元天子たる私からすると、イージーゲームですけど」


 そりゃそうだろうな。

 

 「それで、予想通り【荒野の自由】との相性は最悪だったようですね。

 【荒野の自由】を知っている者であれば、誰から見てもこうなるのは分かっていたことですが」


 そう、それについて聞きたかったんだ。

 なんでそんなにも相性が悪いって言われてたんだ?

 みんな相性が悪いって言いつつも、その理由を説明してくれなかったから釈然としないんだが。


 俺はほっぺを膨らませて不貞腐れながら【菜刀天子】に怒りをぶつけた。

 お前も説明してくれなかったからな!


 「そういえばそうでしたか。

 劣化天子にわざわざ説明するのも面倒でしたのできっと説明を省いていたのでしょう。

 ですがせっかくなので教えておくとしましょうか。

 次元天子たる私に深い感謝の念を送りながら聞きなさい!」


 え、嫌なんだが……

 

 と思いつつも、俺は静かに耳を傾け始めた。

 新情報への欲には勝てなかったよ……ビクンッビクンッ!


 「【荒野の自由】は罪に対しての特効を持つ変わったレイドボスです。

 ここで言う罪というのはプレイヤーキルや窃盗、詐欺、脅迫、リアルマネートレードなどが一般的です。

 この度合いによってレイドバトルの範囲に入った者はデバフを受けることになります。

 つまり、プレイヤーキラーとして悪質なプレイを続けている劣化天子は【荒野の自由】の前では虫けら以下の存在に成り下がるというわけです。

 いえ、今でも存在としては低ランクですがそれよりも最も低くなるということですね。

 身から出た錆ということを噛み締めながら生きていくといいでしょう」


 相変わらずの上から目線での説教だな……

 くっ、スキル【ジャッジメントアイ】で見られたプレイヤーキルの人数はそれに関係していたのか……


 そりゃ俺と相性が悪いに決まってるわな。

 もしや荒野エリアに入ったときに倦怠感を感じたのも?


 「【荒野の自由】が守護するエリアだからでしょうね。

 この新緑都市アネイブルが深淵種族を拒絶するのと同様に、荒野エリアは罪を拒絶するエリアとして確立しているということです。

 なので、劣化天子は【荒野の自由】に力を借りるのを諦めて素直に私に挑むといいでしょう。

 もちろん私が劣化天子に負けませんが」


 俺は何も言い返せずログアウトすることとなった……

 悔しいっ、でもっ……






 感じないでください。


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[良い点] 手も足も出ずに負けた割には元気そうで何よりって思いましたがいつもでしたねwむしろ喜んでる様にも見えますね [一言] しれっと言ってますがリアルマネートレード感知しているってヤバくないですか…
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