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410/2202

410話 進出!荒野エリア!

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】





 はい、今日も元気にログイン!

 今日は【短弓射手】と荒野エリアに行くぞ!




 というわけでやって来ました……草原エリア!

 あれ、荒野エリアは?


 「草原エリアからが一番アクセスがいいんだよねぇ……

 沼地エリアとの間に地下道があるから、そこを潜っていけば着く」


 ほーん、そんな抜け穴があったのか……

 今まで何度か沼地エリアには足を運んでいたが全く気づかなかったぞ?


 「それはそうだろうねぇ……

 普段は草木で隠れているから、そこをかき分けていかないといけない。

 しかも、開拓しても一瞬で草木が復活する嫌らしいギミックがあるから知ってる人しか来れないんだよねぇ……」


 流石にそこまでは探してなかった……

 意地の悪いマップになってるとは、流石プレイヤーに人権のないゲーム……


 「いや、オジサンは見つけられてるしそこまで悲観したものじゃないと思うけどねぇ?

 でも、【荒野の自由】は何かを弾くように仕掛けがあると言っていたか。

 もしかするとその仕組みがお嬢ちゃんの認識を阻害するものだったのカナ?

 ……これは御愁傷様というものかねぇ」


 聖獣や天子が深淵種族に対して過剰反応するように、【荒野の自由】も何かに対して警戒しているのか……

 これまでの【短弓射手】の行動からなんとなく推測はできるが、まだ断定するには早いか。



 そんな推測について想いを馳せながら地下道を進んでいくと、ようやく地上に戻る出口が見えてきた。

 しばらく暗闇を歩いたからか、地上の光が眩しいぞ!



 そして、地下道を抜けるとそこには荒れ果てた大地が広がっていた。

 その大地を踏み締めると身体に若干倦怠感が襲ってきたが俺がこれだけの道のりでこのだるさを感じるのは違和感がある……が、無視しても問題なさそうなので、荒野エリアの観察を続ける。


 

  土を固めて作ったようなプレイヤーが拠点としていると思われる家が建ち並び、馬をテイムしているモブプレイヤーたちが闊歩している異様な空間がそこにはある。


 ここは他のエリアとは変わった方向に進展しているようだな?

 建築様式もそうだが、最近解禁されたジョブの【テイマー】がここまで有効活用されている場所は他に見たことがない。

 ……というより、テイム対象がそもそもそんなに居ないからだろうが。


 「ここは比較的未開拓のエリアだからねぇ……

 他のメインエリアは第一陣プレイヤーたちがモンスターと思って一般生物をほぼ壊滅させてしまったみたいだけど、ここは謂わば隠しエリア。

 馬みたいな便利な移動手段になる一般生物が残っていたんだよねぇ。

 オジサン、歳だからか移動がキツくて、長距離移動する時に使わせてももらってるんだよねぇ」


 ほーん、【短弓射手】も【テイマー】になっていたのか。

 まあ、これだけ馬が居るエリアをメインに活動しているのなら当然か。

 それに、こいつは後衛プレイヤーだから俺のような前衛プレイヤーよりも【テイマー】のステータスダウンデメリットを気にしなくてもいいのだろう。

 羨ましいこったなぁ。


 「そういうことだねぇ!

 オジサン、せっかくゲームだからと思って、流鏑馬とかも練習させてもらってるけど楽しいねぇ。

 馬と弓矢が揃ったらやりたくなるのがゲーマーの性というものさ」


 パカパカと駆けていく馬に乗ったプレイヤーたちを眺めながら俺たちはそんなことを語り合っている。

 こんな呑気なことをしているが、そろそろルル様、【菜刀天子】、【短弓射手】から俺の天敵であると口々に言う【荒野の自由】がいる場所に着くのだろう。

 俺の隣を歩いているオジサンの足取りがどんどん重くなってきていることからそんなことが読み取れた。



 ……念のためここにリスポーンポイント設置しておくか。

 スキル発動!【花上楼閣】!


 俺は今立っている足場に岩で出来た花弁を生み出した。

 これでもし死に戻りしても一度だけここに戻ってこれる。

 ポリンお嬢様流警戒術をここで駆使しておこう。

 情報のない相手の巣窟に潜り込もうとしているんだ、それくらい警戒しておいてもお釣が帰ってくるだろう。



 そんな俺の様子を見ていた【短弓射手】は感心した様子で手を叩いている。

 

 「多分だけど、その準備は正解さ。

 オジサンもお嬢ちゃんの立場だったらきっとそうしていただろうねぇ……」

 

 やっぱり?

 そんな危険なんだな……


 「オジサン相手だとそんなことないけど、お嬢ちゃん相手だとトンでもないことになると思うねぇ……

 いまから考えただけでも身震いしてくるくらいだねぇ……」


 そうして俺たちが足を運んだのは土で出来た建物が建ち並ぶ町並みにそぐわない、白塗りの立派な木造の建物だった。

 これは……?


 「保安施設さ、実績照会でも流れていたから名前くらいは聞いたことがあるんじゃないかねぇ?

 オジサン、これを作るために結構東奔西走していたんだ。

 今回の実績照会までに間に合わせられて良かった……会社の残業業務より正直キツくて投げ出しそうになったねぇ……」


 そこまでしてこれを作りたかったのか……

 それで、この施設の中に居るんだな念願の相手が。


 「そうだねぇ……

 でも、やっぱり止めたほうがいいんじゃ……」


 関係ないね、ここまで我慢してきてんだ!

 いざ、突入だ!

 たのもー!!!【荒野の自由】!!

 俺が、【包丁戦士】が来てやったぞ!





 嫌な予感以外しないですね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[良い点] いざ荒野の自由と対面 予想が的中して即リスポーンにされなければ良いですが [一言] 馬、良いですね 第一陣が虐殺していなければもっと動物がいたと聞くとどうにもなりませんが惜しいですね
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