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406/2202

406話 ラジコン操作

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日は先日操縦が可能になった邪神像を操縦して新緑都市アネイブルにある王宮の外壁付近へと持ってきた。

 ちなみに、俺は操縦のセンスが無かったので【検証班長】に任せた。

 こういうロボットモノ(?)はオタク気質のヲタクに任せておくのが手っ取り早い。

 俺も操縦は楽しかったが、上手く操縦できたかと言われると三人の中で最下位の実力だった。


 「【包丁戦士】さんは自分の身体を動かした方が手っ取り早そうですからね。

 この邪神像の防御力が高いとはいえ、【包丁戦士】さんもいざとなればレイドボス並みのスペックに昇華できるだろうし」


 スペックを上げられるのは一時的だし、デメリットが地味に嫌らしいから極力使わないようにしているがな。

 

 ……それで、深淵結界は発動出来そうか?

 この邪神像をここまで連れてこれたのは良いものの、スキルを使わせてなおかつ結界にさせないといけないからな。

 それが出来ないとなると徒労でしかなかったということになるんだが……


 それを俺が伝えると【検証班長】が青い顔をして冷や汗を流しながらパクパクと口を開けたり閉じたりし始めた。

 【検証班長】にしては珍しい表情だが……

 ……まさか!?


 「そのまさかです……

 スキルの使わせ方も結界の張らせ方も分かりませんよ、これ!

 ボクとしたことが、操縦を楽しみすぎて普通にスキルのこと忘れてたよ……

 浮かれすぎてたね……」


 うわっ、最悪の事態じゃん。

 都合のいいことばかりではないようだな……

 【蕭条たる百足壁】の核に呼びかけてなんとか自力で動いてもらうか、外部出力で動かし邪神像をあくまでも経由地扱いにするかが思いつく方法だが……


 「なるほど……この邪神像をスピーカーのような扱いにするということですか。

 ですが、そうするとなるとこの邪神像へ働きかけるためのものが必要になります。

 そちらはどうやって用意するのかな?」


 んあ?

 それは何も考えてなかったな……

 どうしようか……


 胸元で腕を組み【検証班長】の言葉に頭を悩ます俺だったが、ふと頭にナニかがひっかかった。

 そういえばあの邪神像の完成を知らせるワールドアナウンスと一緒に俺への個人アナウンスも流れてきたが、その中に気になるものがあったな。

 せっかくだから試させてもらうか!


 「ほ、【包丁戦士】さん一体何を!?」


 なーに、こうするのさ!

 スキル発動!【深淵顕現権限Щ(シシャー)】!


 俺はこの場にいた俺以外の唯一のプレイヤーである【検証班長】を生け贄に捧げてスキルを発動させる。


 スキルを発動させると俺の身体が黒い霧に包まれて上書きされ始めた。

 メインは脚のようだが、他の部分にも些細な変化があるようでお腹が若干むずむずする……


 俺の脚を鎧で包み込むかのように漆黒の具足が取り付けられていく、いや、取り付けられていくのとは違うな。

 関節部分なんかはムカデ特有の呼吸場所である気門(魚のえらのようなもの)があったり、脚のある体節は全てが腹背で腹板と背板に覆われ、両側は柔軟な関節膜に包まれて小さな側板がある。


 足の構造が上書きされて人間離れしきてたな……

 これ、あれだわ脚を前後真逆に動かせるようになったわ。

 深淵種族としての特殊な性能はともかく、近接戦闘をやるなら動きが大幅に奇想天外なものに出来るから、手数が増やせるジェーの尻尾と相互互換と言ったところか?

 いや、ジェーの尻尾は【魚尾砲撃】の極太レーザーが撃てるから今はジェーの尻尾の方が使いやすそうだが、デカブツムカデのスキルを手にいれたら話は変わってくるだろうな。


 そんな脚を手にいれた俺が邪神像に跨がり称号【邪神像占有権】をセットするとムクリと邪神像が動き出した。


 するとどうだろうか、スキルの使わせ方が分かるぞ!

 俺の脚を邪神像の関節の間にぶっ刺して……一気に深淵の力を送り込む!

 そうして俺の脚から放った力が邪神像を介してスキルに変換され、発動された。



 王宮の四方を囲い込むように四枚の壁が現れて包み込んでいく。

 これが【蕭条たる百足壁】の深淵結界か!

 俺の見込みが間違いでないことを証明するように、深淵結界が完成した瞬間にワールドアナウンスが鳴り響き始めた。



 【ワールドアナウンス】





 【【ユニーククエスト【蕭条たる百足壁】のスキルで結界を王宮に張り巡らせよ】clear!】




 【新緑都市天子王宮の深度が深まりました】




 【新緑都市天子王宮での【菜刀天子】は包丁次元のプレイヤー相手時に行動範囲が限定されるようになりました】









 またしてもこの陰湿な結界っ!?


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] これはまたわけのわからない力を手に入れましたね まだ百足のスキルがない分、実際の凶悪さは他の深淵細胞より低そうですね [一言] 深淵結界は残り2つですね 能力低下と行動範囲の制限、これだけ…
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