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401/2202

401話 深淵の密談

 【Raid Battle!】


 【深淵域の管理者】



 【エルル】


 【???】【上位権限】【ボーダー】



 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【深淵へ誘い】


 【冒険者を堕とす】


 【深き真価を見極め】


 【境界に流転する】


 【封印された夢想が解き放たれし時】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】


 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 今日はとりあえずルル様に報告に来た。





 「かっかっかっ、再び聖獣を討伐することができたようだな。

 実に僥倖!見事なものだのぅ!

 底辺種族でどこまで出来るものかとヒヤヒヤしておったが、杞憂で済んで良かった」


 ルル様もこっそり観戦していたのか。

 次元天子みたいな全体把握権限はないと思っていたけど、意外だな。


 「我には戻ってきた配下の力があるならのぅ……

 アルベーの分体を使えば造作もないことよ。

 ほれ、こういうものだ」


 そう言うとルル様は触手の先端に力を集めると、漆黒の体をした一般サイズのカラスを生み出した。


 「こやつの眼を通して見ておったのだ。

 アルベーの眼であればよく見えるからのぅ……」


 このルル様が生み出したカラスだが、なんか見覚えがあるな……

 少し前にどこかで見た気がするが……



 「次元戦争ではないかのぅ?

 あの時の拠点に我の配下を残しておいたが、それを見たのではないか?」


 次元戦争?

 次元戦争にルル様なんて居たか?

 全く記憶に無いんだが……


 「そうだったのぅ……

 お前は気づいておらんのだったな。

 ピッケル次元&望遠鏡次元と戦ったときにおったであろう」


 えーと、あの時にいたのは【菜刀天子】、ミューン、ジェーライト(ボマードちゃんの姿)、謎の緑スーツマフィアおじさんの四人だったはず。

 ルル様は居なかったぞ。


 「はぁ……ここぞというときに察しが悪いやつだのぅ……

 その謎の緑スーツマフィアおじさんが我であるぞ。

 あの時に我がジェーライトと行動を共にしていたことや、アルベーの分体を生み出した時点で気づいてほしかったが底辺種族上がりにそこまで求めるのは酷であったか……」


 意気消沈しているルル様。

 


 ええっ!?

 あれってルル様だったのか!

 なんで見覚えのないやつが次元戦争にいるのかと思っていたが、まさかの事態が起きていたのか。


 「我とお前はability【会者定離】によって一心同体であると認定されておるからのぅ。

 レイドボスであろうとも世界の法則をねじ曲げて次元戦争に参加することも可能になっておるというわけだ。

 あの状況でよくも気づかず戦っておれたのぅ……

 結局、望遠鏡次元に引導を渡したのは我であるというのに」


 望遠鏡次元のトッププレイヤーである牛乳パフェに止めを刺そうとした瞬間に陣営旗の獲得になったが、あれはルル様がとってくれたんだな。


 流石は俺たちの総隊長!大統領!ボス!

 【菜刀天子】よりも活躍してたのな。


 「かっかっかっ!

 あの憎き次元天子よりも我は活躍しておったか!

 そうかそうか!

 いいぞ、その言葉は非常に心地よいのぅ!」


 あっ、急に上機嫌になったな。

 このまま本題に入ってみるか。

 今なら色々と教えてくれそうだし。


 その憎き次元天子のことだけど、とうとうプレイヤーに挑戦権が与えられたから挑もうと思ってるんだ。

 そこで【深淵域の管理者】であるルル様の力を借りたいんだが、何か貸してもらえないか?


 「ほう、いい心がけだのぅ……

 憎き次元天子を倒すためとあらば全力で手助けしてやろう。

 そう、暴飲暴食の棘亀……【ウプシロン】と相対した時のように我が直々に相手をしてやろう!」


 キター!!!

 そう、その言葉を待っていた!

 今回の【菜刀天子】戦は挑戦権を獲得したやつしか挑めない仕組みらしいが、【上位権限】持ちのルル様なら介入できると思って来たのだ。

 これは嬉しい。


 「喜んでいるところ悪いのだが、我が次元天子を相手取るためには【ウプシロン】戦のように下準備が必要となるのだ。

 しかも、今回は配下の聖獣ではなく大元の次元天子であるゆえに大がかりな準備が必要となるであろう。

 そこでお前に新たなユニーククエストを出そう!

 受けとるがよい!」


 


 

 【個人アナウンス】




 【【ユニーククエスト【蕭条たる百足壁】のスキルで結界を王宮に張り巡らせよ】を受注しました】


 【【ユニーククエスト【???????】のスキルで結界を王宮に張り巡らせよ】を受注しました】


 【【ユニーククエスト【鳴動する阻鴉眼】のスキルで結界を王宮に張り巡らせよ】を受注しました】


 【【ユニーククエスト【荒れ狂う魚尾砲】のスキルで結界を王宮に張り巡らせよ】を受注しました】


 【運営からの忠告】




 【このクエストは失敗しても失うものはありませんが、成功することによって特別な報酬が与えられることがあります。】




 【ユニーククエストは達成する前に状況の変化によって、クエストそのものが消失している場合もあります。



 他の次元では発生しないことも考えられますので、この機会に世界を変えていきましょう!】





 これは……何?


 「我の配下である主な4体のスキルを用いた深淵環境を擬似的に作り出す言わば【深淵結界】を決戦の舞台に張り巡らせるのだ。

 それで我はようやく戦いの舞台へと立つことができる」


 なるほど……でも、【蕭条たる百足壁】を倒していないからスキル手に入れてないし、もう一体の深淵種族に関しては遭遇すらしてないぞ!?


「安心せい、お前が遭遇していない我が配下であれば我が王宮へ誘導させられるであろう。

 問題は【蕭条たる百足壁】であるな。

 あやつは中々動かぬ故に我も頭を悩ませているのだ……

 我の方でも考えを纏めておく故に、お前もしばし策を練るのだ。

 さあ、ゆけ我が同胞よ!」



 うーん、完全に見切り発車だぞ!?







 一体はすぐどうにかしてやる故に、【蕭条たる百足壁】は【包丁戦士】がどうにかしてくれたら手間が省けるのだがのぅ……

 


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 天子の攻略はまだまだ先になりそうだと思っていましたがまさかルル様を呼ぶとは 包丁天子からしたらとんでもないですね [一言] あの男はルル様でしたか、アルベーかと思っていましたがよく考えたら…
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