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394話 弾劾の這竜

 ここからは短期決戦だ!

 出し惜しみなく行くぞ!


 「そwうwいwうwこwとwなwらw

 オレからの餞別だwww

 ……さっきの言葉、助かった。

 あれに救われてなんとか心を持ち直せた、これはそれのお礼として受け取ってくれ!」


 半分真面目モードな【風船飛行士】が俺に向けて瓶の口を向けて、その栓を引き抜いた。

 すると、そこからピンク色のガスが発生し俺の全身を包み込みながら周囲を漂っている。


 これは……ファンタジーガス!?

 頑なに他のプレイヤーに渡すことを拒んでいたあのファンタジーガスを逆張り主義の【風船飛行士】が俺に使ったというのか。

 お前……


 「悪いがオレはこれで燃料切れだwww

 最後にオレの分まであの生意気なギルドマスター様にぶちかましてやれwww

 んんっwww敗北はアリエナイwww」


 ファンタジーガスを身に纏った俺の身体が瞬時に回復を開始して、【フィレオ】のデメリットによって欠損した腕が気持ち悪い感じに生えてきた。

 この場面で一番嬉しいバックアップだ!

 サンキュー【風船飛行士】!

 お前の分までかましてやるぞ!!




 【風船飛行士】の最後の力を受け取った俺は紅色の砂が広がっている大地に足を踏みしめて最前線へと再度駆け出した。

 腰に提げ直していた包丁を手に取って【オメガンド=メイローン】へと肉薄していく。

 

 その【オメガンド=メイローン】だが……


 【深淵スキルの使い手……駆逐してやるのじゃ!!】


 「ワタクシ、そんなに狙われても困りますわよ!

 ……たしかに【深淵顕現権限】は使えますが、そこまで理解に深い者ではないのですわ!」


 邪眼スキルを使った【トランポリン守兵】お嬢様にお熱のようだ。

 狙われた対象がタンク系プレイヤーであるポリンお嬢様でよかった、俺だったからここまで持ちこたえることはできていないだろう。

 俺の弱点の炎も纏ってるし……


 だが、俺には近づかず攻撃する手段がある!

 くらえ!

 スキル発動!【フィレオ】!


 俺は少し離れた位置で包丁で空中に斬撃を繰り出し、飛翔する斬撃を創造しそれを【オメガンド=メイローン】に飛ばしていく!


 「うはっwww

 【包丁戦士】の足が飛んできたwww

 テラワロスwww」


 もちろん、デメリットで右足が吹き飛んでいったがそんなことお構いなしだ!

 俺が放った斬撃は炎のオーラを貫通して【オメガンド=メイローン】の爛れていてダメージが蓄積していた腕を切断した。

 流石は部位切断に特化したスキル、きちんと役割を遂行してくれてなによりだ!


 デメリットで吹き飛んでいった右足だが、俺の周りを漂っているピンク色のファンタジーガスのリジェネ効果によって復元されていく。

 俺は【フィレオ】のために四肢が欠損した状態でも戦える訓練を積んでいたから回復しなくても大きな問題にはならなかったが、それでも有るのと無いのとではパフォーマンスに差が出てくるからな。


 さあ、ファンタジーガスの効力が切れるまでにきめるぞ!


 スキル発動!【フィレオ】!


 飛翔する斬撃を再度生み出し放つ、竜の足の爪先をそぎおとし攻撃力をダウンさせた。

 デメリットで右足がまた吹き飛ぶ。


 スキル発動!【フィレオ】!


 飛翔する斬撃を再度生み出し放ち、竜のアキレス腱(?)のようなものを切断した。

 デメリットで左足が吹き飛ぶ。


 これで両足が消えることになったが、なくなり次第ファンタジーガスによって復元されていく。


 【ぐっ、怒りで我を失っておったがいつの間にか身体中が切断されておるのじゃ……】


 【小賢しい……わっちの蒼炎を受けて死に行くがいいのじゃ!】


 【オメガンド=メイローン】は流石に俺に意識を向け始めたようで、攻撃力が低下した爪による攻撃ではなく蒼炎ブレスを放ってきた。


 くそっ、回復しきってない両足のせいで素早く回避できないっ!

 【フィレオ】のデメリットを甘く見すぎたかっ……

 蒼炎が目の前に迫るのを走馬灯が流れるかのごとく見つめながら俺は死に戻りをし……








 「させませんよ、仲間がピンチの時は駆けつける!

 生産プレイヤーなら当然です!

 これで間に合わせます、スキル発動!【渦炎炭鳥】!

 さらに、釣竿一刀流【渦潮】!」


 かなり遠くに遠くにいた【釣竿剣士】だったが朱雀であるクシーリアのスキルである【渦炎炭鳥】で足を燃焼させながら俺の前に瞬間移動してきて釣竿を回し、蒼炎ブレスを拡散させていく。


 流石はオールラウンダー生産プレイヤーの【釣竿剣士】だ!


 「私を誉めるのはいいですが、これはチャンスですよ!

 この隙に決めてください!

 そう、生産プレイヤーらしくかっこよくです!」


 そのオーダー了解した!

 ご注文入りまーす!

 【オメガンド=メイローン】一丁!


 スキル発動!【フィレオ】!

 さらに【フィレオ】!【フィレオ】!【フィレオ】ォォォォォ!!!


 俺はスタミナが尽きかけで死に体の【オメガンド=メイローン】に引導を渡すべく、俺の四肢全てをベットして【フィレオ】を連続発動させた。

 クールタイムが極短な【フィレオ】だからできる芸当だが、スキルのデメリットで四肢全てがあらぬ方向へと吹き飛んでいき俺は胴から地面に激突することになった。

 ファンタジーガスも、さっきの両足を復元したところで効力を失ってしまったようで俺はもう動けないだろう。


 そんな俺の犠牲によって放たれた四本の飛翔する斬撃は【オメガンド=メイローン】へと真っ直ぐ向かって飛んでいった。


 【こ、こんなものわっちが防いでやるのじゃ!】


 【オメガンド=メイローン】は一本を尻尾で受け止めた。

 その尻尾は犠牲となり地面にぼとりと落ちていく。


 二本目は残っていた方の腕で受け止める。

 ダメージが蓄積していたので容易に切断されていく。


 三本目は頭に生えていた角を使って弾かれた。

 だが、弾くのと同時にノックバックを起こし【オメガンド=メイローン】は身動きがとれなくなった。


 そして、最後の四本目……











 それは蒼竜の首もとに深く突き刺さり、通り抜けていく。

 真空の刃が通り抜けた後、辺りが静寂に包み込まれた。


 「やったのか……?」


 誰かが思わず呟いた。

 いや、誰かじゃない。

 これは俺が不安に駆られて漏れ出てしまった声のようだ。

 現実感の消失によりまるで他人の声のように錯覚してしまったようだ。


 その声が引き金となったのか、どさりという音が静寂を破るように辺りに響き渡った。

 その音源とは……




 首を失い場に倒れこんだ蒼竜……【オメガンド=メイローン】だった。

 


 つまり、これは……



 「オレの……オレたちの勝利だwww

 やったwwwついにやったぞwww」


 【風船飛行士】の歓喜の声が沸き上がった。

 だが、その声に追随するものは場におらず一人で喜んでいることになってしまっている。


 何故なら、【トランポリン守兵】お嬢様は蒼炎に包まれた竜体に押し潰され死に戻り。

 【釣竿剣士】は足から燃え広がったスキルのデメリットと蒼炎ブレスの余波により炭化し光の粒子と化した。


 俺、【包丁戦士】は絶賛四肢を失い地面にうつ伏せ状態で、声が出せない。

 辛うじて視線を上に上げることができるくらいだ。


 後のメンバーたちは皆死力を振り絞った【オメガンド=メイローン】の攻撃によっていつの間にか死んでしまっていたようだ。


 つまり、今回のレイドバトルは生き残り2名。

 しかも、一人は四肢が全損、もう一人は戦闘力を全てを失った状態という辛勝としか言いようがない綱渡り状態だったってわけだ。


 ……本当に勝てて良かった。

 いや、本当に……






 

 【ワールドアナウンス】







 【レイドクエスト【這竜渓谷の大盟主】がレイドチーム【ネタ装備トッププレイヤーズ】によってクリアされました】






 【この次元のプレイヤーにスキル【波状風流】が開放されました】





 【【オメガンド=メイローン】が移動した経路に【聖獣結界 Ω(オメガ)】を起動しました】




 【み、見事じゃった……試練は合格としてやるのじゃ】


 【じゃが、精進は忘れぬようにするのじゃぞ】


 【大盟主の試練の突破を確認しました】


 

 【【竜鱗図冊】を所持し、一定条件をクリアしたプレイヤーは冒険者ギルドにて竜人へ種族転生が可能になりました】




 【レイド参加者へのアナウンス】




 【レイドクエスト参加者全員が称号【這竜大盟主の討伐者】を獲得しました】





 【個人アナウンス】




 【称号の効果で【Bottom Down】!】



 【【包丁戦士】の深度が46になりました】







 【グランドアナウンス】







 【全ての次元で4つ目の聖獣レイドクエストがクリアされました】





 【この次元の実績を照会します】






 【実績確認】



 【前回達成した実績】



 【【兎月舞う新緑の主】clear10位】



 【【荒れ狂う魚尾砲】clear1位】



 【名前に関するスキルの開放 clear】



 【斬擊に関するスキルの開放 clear】



 【魔法に関するスキルの開放 clear】



 【召喚に関するスキルの開放 clear】



 【エルフとフレンドになる clear】



 【深淵細胞を獲得する clear】



 【【底無し沼の棘亀】clear9位】



 【呪術に関するスキルの開放 clear】



 【深淵に関する手がかりを見つける clear】



 【獣人へ種族転生を行う clear】



 【天子の顕現に成功する clear】



 【聖獣を配下に加える clear】



 【獣人とフレンドになる clear】



 【プレイヤーがレイドボスになる clear】



 【聖獣結界を発動する clear】



 【深淵奈落を観測する clear】



 【闘技場の設立 clear】



 【冒険者ギルドの設立 clear】



 【プレイヤーがウインドウに新機能を追加する clear】



 【【堅牢山の炎帝鳥】clear10位】



 【【鳴動する阻鴉眼】clear2位】



 【【荒野の自由】clear5位】



 【射撃に関するスキルの開放 clear】



 【八卦深淵板を観測する clear】



 【深淵種族へ種族転生を行う clear】



 【プレイヤーが複合種族になる clear】



 【下克上を起こす clear】



 【クランの設立 clear】



 【大罪の烙印を押される clear】



 【荒野バーを作る clear】




 【今回の実績】





 【【這竜渓谷の大盟主】clear8位】




 【【包丁を冠する君主】failed】




 【【想起砂漠の現像鮫】clear3位】




 【【下克上の陰陽妖狐】failed】




 【【鉄血森林の森人君主】failed】




 【【深淵域の管理者】failed】




 【【蕭条たる百足壁】failed】




 【【????】failed】




 【【????】failed】




 【打撃に関するスキルの開放 failed】




 【深淵奈落でログインする clear】




 【????でログインする failed】




 【????でログインする failed】



 【竜人へ種族転生を行う failed】



 【聖獣関連の獣人へ種族転生を行う clear】



 【????へ種族転生を行う failed】



 【底辺種族の覚醒 failed】



 【プレイヤーが次元天子になる failed】



 【竜人とフレンドになる clear】



 【竜の里の復興 clear】




 【ドワーフとフレンドになる failed】




 【【荒野の自由】に早撃ちで勝利する failed】




 【保安施設の設立 clear】




 【百鬼夜行に加わる clear】 




 【陰陽狐面を観測する failed】




 【生産組合の設立 failed】




 【abilityの真実を知る failed】




 【ability【現界超技術】の真実を知る clear】




 【レイドボスにabilityを使用させる clear】




 【大罪の復活 failed】



 

 【大罪の拠点作り failed】




 【次元渡航 clear】




 【失伝秘具の来歴を解き明かす failed】




 【陣営対戦を再び巻き起こす failed】


 

 

 【邪神像の完成 failed】




 【黄龍の解放 failed】



 

 【修練防具の覚醒 failed】



 

 【聖獣深淵対戦の記録を編纂する failed】



 

 【千年後に向けて failed】




 【実績基準達成!】




 【グランドクエストが進行します】









 とうとう四聖獣が討伐されましたか……

 つまり……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつになくギリギリでしたが討伐できましたね 感動した瞬間、レイドチーム名で笑ってしまいましたが [一言] 実績多いですね 気になるワードばかりですがトッププレイヤー達がこれから何を目標ひし…
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