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379話 一斉攻撃

 多属性攻撃……?

 よくよく考えたら俺ってそんな攻撃方法持ってない気がする。

 同時に使えるスキルは聖(?)属性の顕現スキルと、闇(?)属性の顕現スキルくらいだし、結局同時に攻撃に使える属性攻撃は一つだ。


 そんなことで頭を悩ましていると【風船飛行士】が上空から声をかけてきた。

 

 「別に一人で何個も属性攻撃をする必要ないだろwww

 大勢で同時に一つずつやれば結果は同じンゴwww

 もうちょっと頭使えよなwww

 テラアホスwww」


 いらっとくる物言いで声をかけられたが、確かにそうだ。

 直前に一人でいくつもの属性攻撃を扱う【短弓射手】を見てしまったからこそ視野が狭まっていたのかもしれないなぁ……


 「それはオジサンのせいってことかねぇ……

 いやぁ、まいったまいった……」


 原因がないとは言わないが、俺が早とちりしていただけだからいくら俺でも申し訳ないと思う。


 まあ、やることはわかったんだ。

 さっそくやるぞ!


 「お前が号令するなよwww

 東のトッププレイヤーであるオレがやるwww

 おいお前らwww

 水に効果がありそうな攻撃を一斉掃射だwww」


 【風船飛行士】による謎のテンションの号令によって、最前線にいるプレイヤーたちがチュートリアル武器をそれぞれ構える。


 俺はどのスキルを使おうか……?

 使い慣れている【深淵顕現権限】からのスキルチェインで闇(?)属性攻撃をしかけるっていうのが、プレイヤーキラーとして活動するときは定石だがこれは聖獣相手のレイドバトルだ。

 こんな序盤で深淵スキルを使うのは悪手だ。


 何故なら聖獣には深淵種族に対する緊急反応みたいな現象を起こしてくるからな。

 うかつに【深淵顕現権限】なんてしてしまえば、ジョブの権限を起動してきたり、更なる力を引き出してきたりと過剰防衛をされてしまい火に油を注ぐ結果となるのは今までのレイドバトルで実証済みだ。

 ……ただ、深淵スキルと一括りにしてしまうのも違うか例外もある。



 ただ、今使うのはそれじゃない。

 今回聖獣使うのは天子の力、【天元顕現権限】だ!


 というわけでスキル発動!【天元顕現権限】!


【天元顕現権限】を発動した俺の背中から勢いよく黄金色の翼が生えてきた。

 さらにここから聖獣スキルを紡いでいく。


 スキル発動!【渡月伝心】!


 【スキルチェイン【天元顕現権限】【渡月伝心】】




 【追加効果が付与されました】




 【スキルクールタイムが増加しました】




 黄金色の翼から溢れる力を【渡月伝心】に乗せると、今まで思念しか送れなかったゴミのようなシステムサポートスキルが形を変えて、包丁の先に黄金色の光が集う。


 そして、集った光が一度拡散し、【聖獣オメガンド=メイローン】へと迫っていき千切りにするように高速で動き回っている。


 「オレもいくぞwww

 スキル発動!【竜鱗図冊】!」


 abilityとチェインさせたものとは別にさらにスキル【竜鱗図冊】を重ねて風船で出来た白銀の竜に騎乗する【風船飛行士】。


 そこまで大型ではないが、人一人乗るくらいなら充分な大きさになった風船竜の口の中に【風船飛行士】は仕上げと言わんばかりに手に持っていた銀色の杯を投げ入れた。


 すると、口の中から銀色のブレスのようなものを噴き出しはじめた。


 【竜のブレスを模倣するとは傲慢なのじゃ……】


 【わっちが迎え撃ってやるのじゃ!】


 

 風船偽竜のブレスに対抗すべく、【聖獣オメガンド=メイローン】も蒼炎ブレスを放ち相殺しようとしてくる。

 【風船飛行士】と【聖獣オメガンド=メイローン】のタイマンだったのならそのままブレスがぶつかっていただろう。

 だがこれはレイドバトル、プレイヤーは湧いて出てくるほどいるのだ。

 【風船飛行士】の攻撃を通すために尽力してくれるプレイヤーも多くいるのだ。


 「私たちが援護するよ!

 スキル発動!【竜鱗図冊】ability【天地逆転】!」


 「姉である私も頑張っちゃうヨ!

 スキル発動!【竜鱗図冊】ability【天手古舞】っ!ダヨ!」


 【風船飛行士】のクランメンバーである【ブーメラン冒険者】と【短剣探険者】の双子が竜の鱗をチュートリアル武器と身体に纏わせながら蒼炎ブレスを拡散させていく。

 【竜鱗図冊】はどうやら【聖獣オメガンド=メイローン】の攻撃に対しての特効があるのか普段よりも効果的に攻撃をさばいているように思える。


 「お前らよくやったwww

 くらえオレのブレスwww」


 「オジサンももう一回いくかねぇ……

 スキル発動!【レインボウ】!」


 【短弓射手】も再び七本の矢を弓につがえて、同時に放つ。

 七色の光を帯びた矢たちは風船偽竜の銀色のブレスと共に【聖獣オメガンド=メイローン】へと吸い込まれていく。


 それを見た【釣竿剣士】は釣竿を一度ケースに戻して低めの姿勢で寄っていっている。

 あの行動、この姿勢……

 導き出される結果は一つしかない。



 「生産プレイヤーとして私も負けていられませんね。

 踏み込んでいきますよ、釣竿一刀流【抜刀斬】っ!」


 ケースから解き放たれた釣竿の動きは、釣竿であるのにも関わらずまさに刀を体現したかのような全てを断つことができるものだろうと錯覚させるほどの威圧感を感じた。


 

 これらの攻撃が【トランポリン守兵】お嬢様による万全の守りの中で放たれた!!!!







 やりましたか!?(フラグ)


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] これはまた豪勢な一斉攻撃ですね これで傷でも残せれば良いんですが [一言] 深淵顕現権限はまだ節約ですか 確かにいつも発動した後、それに呼応して相手も権限を使っていましたね
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