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378/2202

378話 サプラァイズ!

 【これまでで一番奮闘しているように感じるのじゃ】


 【まあ、これだけ数を集めれば底辺種族でもそれなりの力にはなるということじゃな……】


 【……うむ、よかろう】


 【第二の試練じゃ!】


 【わっちに傷をつけてみるのじゃ!】




 第一試練を乗り越えたようだ。

 次の試練は第二試練だが、実際はダメージを与えるだけのノルマの低い試練だ。

 このまま押しきれば試練突破は問題ないだろう。




 【……と、思っておるじゃろ?】


 【健闘を見せたお主ら底辺種族にサプラァイズじゃ!】


 【わっちの持つ生命花の力を見せてやろう】


 【異次元の風よ、わっちに力を貸すのじゃ!】




 【レイドアナウンス】


 【異次元の起点から【聖獣結界 Ω(オメガ)】を起動しました】



 【スキル【水流万花】のクールタイムがなくなりました】



 【スキル【水流万花】の射程制限がなくなりました】



 【異次元の風が吹き荒れている】


 【咲き誇れ水の生命花、水流万花起動なのじゃ!】



 スキルを発動すると、周囲三メートルくらいに水流の輪が形成され始めた。

 そして、時間経過で水流の輪がさらに形成されていく。

 水流の輪は花弁のような見た目をしていて、時間が増えると満開に近づくということなのだろう。



 これは俺が数々の次元戦争で目撃してきたスキルだ。

 そして、異次元の風が吹き荒れているということは、本来この【聖獣オメガンド=メイローン】が持っている力を引き寄せたということだろう。

 なんという嫌なサプライズだ……



 「あれは前にマキさんが使っているのを見たことがありますね。

 レイドボス戦で再び見ることになるとは皮肉なものですけど」


 横にいた【釣竿剣士】がそう呟く。

 そういえば、【釣竿剣士】も蛇腹剣次元のパジャマロリ……マキが使っているのを見てたな。

 それなら特徴は把握しているか。


 

 「オレもこれ見たことあるわwww

 まさか【包丁戦士】に巻き込まれたイベントに参加したのが役立つとはwww

 テラワロスwww」


 【風船飛行士】も【釣竿剣士】に続いてそう笑った。

 アンカー次元の夢魔たこすや摺鉢みすりも使ってきていたか。

 逆説的に、色々な次元のプレイヤーが活用してくるくらい有能なスキルということなのだろう。


 「あらら、オジサンだけ仲間外れとは悲しいねぇ……

 どれ、どれくらいの防壁か確かめてみようじゃないか」


 スキル【水流万花】が完全初見な【短弓射手】が様子見と言わんばかりに矢を手に取り放つ。

 

 だが……


 【水の生命花に守られたわっちをその程度の攻撃で傷つけようとは笑止じゃ!】


 水に守られた【聖獣オメガンド=メイローン】本体に到達する前に、矢は受け流されてしまった。

 あの鋭い矢をものともしないとは……やはり、プレイヤーが使うスキルよりも性能は格段に高いようだ。

 MVPプレイヤーたちが使ってきた【水流万花】は一撃攻撃を与えれば、その分守りは薄くなっていったというのに……


 「なるほどねぇ……

 でも、この程度で諦めるほどオジサンは甘くないんだよねぇ。

 これならどうか、スキル発動!【レインボウ】!」


 先程は通常攻撃だったが、今回はプレイヤーキラーとして活動している俺を何度か倒してきた弓矢スキルを発動させたようだ。

 手に7つの矢を持ち、それを弓につがえる。


 その七本の矢を器用に放ち、【聖獣オメガンド=メイローン】へと矢を飛ばしていく。

 だが、ただ矢が飛んでいくのではなくそれぞれが別々の色を帯びている。

 七本で虹色になったが、あの発光はどういうものなんだろうか。


 「オジサンのスキル【レインボウ】は七本の矢に別々の属性を与えて放てるんだよねぇ……

 デメリットは必ず七本の矢で放たないといけないというものだから、しっかり時間を取れるタイミングじゃないと使えないのがキズだねぇ」


 一見するとデメリット皆無に聞こえるが、この【短弓射手】と何度も戦った俺だからわかる。

 思ったよりも使いにくいスキルだな。

 キメにいくタイミングで本来使いたいスキルのはずなのに、キメにいくタイミングは中盤から終盤……つまり、相手に攻め込まれ遠距離攻撃がメインの【短弓射手】の攻撃にかけられる時間がほとんどない場合ってことだ。

 そのくらいの隙が生まれたのなら、わざわざ七本の矢をつがえるよりもスキル無しでも一本の矢に集中して狙い射ったほうが必殺の攻撃になる可能性は高い。


 

 つまり、対個人戦ではなく、団体戦かレイドボス戦でこそ輝くスキルってことだ。

 そんな【レインボウ】が【聖獣オメガンド=メイローン】の水の膜に突き刺さる。

 赤色の矢……おそらく炎属性(?)のものと、青色の矢……水属性(?)ものは止められたが、その矢がぶつかってできた歪みを他の矢が通り抜けていき【聖獣オメガンド=メイローン】の体へと直撃させることに成功したようだ。


 【多属性多段攻撃とは面白い手品なのじゃ!】


 【わっちも少々驚いたのじゃ】


 致命傷とはいかなかったが、竜人ギルドマスターの声色から確実にダメージは与えられたようだ。

 多属性攻撃が要因なのか、多段攻撃が要因なのかはわからないがどちらかがこの【水流万花】を突破して第二試練を攻略する鍵になるはずだ!






 またあのギルドマスターは無茶していますね……

 同胞として正直どうかと思いますが……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短弓射手のレインアロー、見た目だけでなくちゃんと属性もあったんですね 水流万花をほぼ気にせず当てれるのは良いですね [一言] こんなサプライズがあってたまるかって話ですね 攻略の難易度が上…
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