335話 ジャンクフード
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日はプレイヤーキラーとしての活動だ!
というわけでやってきました草原エリア!
やっぱりここがプレイヤーキラーとして活動するのに一番やりやすい気がする。
まあ、今回は目的とかも特にないし目についたロングソードを持った女プレイヤーをすれ違い様にさくっと切り裂いていく。
「な、に、を……?」
何をされたのかよく分からないといった表情で首が落ちていき、その首が地面にころりと転がっていくと首、身体共に光の粒子となって消え去っていった。
うんうん、やっぱりこの刃物越しに触れる肌の感覚!肉を切り裂く時に感じる筋肉の抵抗力!あっけに取られた表情は最高にたまらないな!
俺はキルした感覚に浸りながら惚けているが、周りのプレイヤーたちはそういうわけにもいかないようで、声をあげ始めた。
「キャーっ!?
わ、私の友達がっ!?」
「お、おい!
プレイヤーキラーが出たぞ!」
「あれは……【包丁戦士】か?
くそっ、狂人め……」
「まーた【包丁戦士】か、飽きもせずよくやるよなアイツも……」
「腕に自信のないやつと生産プレイヤーは全力で逃げろ!
腕に自信のある戦闘プレイヤーは前線に出て【包丁戦士】を取り囲め!」
プレイヤーキルを開始した俺を見たモブたちが一気に動き出してきた。
こいつら、なんかどんどん俺に対する対処が上手くなってきているのは気のせいか……?
俺は徘徊型モンスターってわけじゃないんだぞ?
「実質似たようなもんだろ!」
「いい加減自覚してくれ……」
「天災を撒き散らす徘徊型モンスタープレイヤーとはよく言ったものだな……」
酷い言われようだが、罵倒は結構!
俺はプレイヤーキラーだからな、そういうのは称賛と同列さ。
俺を取り囲んだプレイヤーたちはそれぞれチュートリアル武器を手に取って突撃してくるが、こいつらの相手は数が厄介なだけでそこまで苦戦することはないだろう。
……だが、この騒ぎを聞きつけたあいつが来たらちょっと面倒にはなりそうだ。
素早くキルし切ってさっさと退散するとしよう。
そう決めた俺は、まず最前線にいたメイス使いの男を股下から切り裂き行動不能にする。
そして、その隙を狙ってきた他のプレイヤーに向けてメイス使いの男をぶん投げて気絶させる。
もちろん俺はプレイヤーが気絶したくらいで手を止めるほどやわではない。
気絶して積み重なった二人に駆け寄り、胸元を貫通させて包丁で一気に貫いた。
おおっ、二人同時に串刺し状態にしてキルするっていうのもまた違った味わいがあっていいなぁ!
チーズバーガー2つ食べるのと、ダブルチーズバーガーを食べるのに近い気がする。
今回の同時串刺しはダブルチーズバーガーな?
2つ同じものをいただくのとは違う満足感が得られた気がする。
「くっ、人をヤッて悦に入ってるぞあいつ……」
「狂ってやがる!」
「これが狂人と呼ばれる由縁か」
感想を述べるのは勝手だが、お前たち自分の身体をよく見た方がいいんじゃないか?
「「「なにっ!?」」」
さっきまで俺について喋っていた連中は、それぞれ脇腹を切り裂かれており既に光の粒子へと変換されていっている。
もちろん俺の仕業だ。
連続してキルしていくのも癖になるよな~
気軽に、大量にという点でさっき言ってた例にも被ってくるがジャンクフードを食べている感じだ。
高級食材、オーガニック食品もいいが大衆向けのジャンクフードは気軽に食べれるので安心できる。
これはモブプレイヤーたちと2つ名プレイヤーの対比にもなる。
どっちがいいというわけじゃなくて、気分次第ってことだ。
ふははは!!!!
いいぞ!いいぞ!
もっとお前たちを味わわせてもらうぞ!
【ワールドアナウンス】
【包丁が血を求める】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の目覚め】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の渇望】が強制セットされました】
【暴食は食べ散らかしたり、味わったりする……】
【大罪域の風が吹き荒れる】
【【包丁戦士】に暴食の力が貸与されました】
暴食か!
今回のジャンクフードモブプレイヤーたちをいただくというのにふさわしいかもしれない!
俺の包丁は暴食の力を貸与されても相変わらず、モブプレイヤーたちを切り裂いている。
もちろん俺もノーダメージというわけではなく反撃してくる大量のモブプレイヤーたちの攻撃によって傷がついていく。
ほらこんな感じ……
ん?
傷が塞がっていってないか!?
その疑問を払拭すべく、包丁でモブプレイヤーたちをいただきながら傷の様子を見ている。
すると、モブプレイヤーたちから溢れ出る光の粒子を包丁が取り込んでいることに気がついた。
……ははん?
つまり、暴食の力はドレインってわけか。
相手にダメージを与えるとその分回復できるという感じの。
自発的に発動できる力じゃないが、覚えておいて損はないだろう。
そんな考察をしていると、プレイヤーちの合間から七本の矢が飛んできて俺の薄い胸に突き刺さった。
下手人がだれなのか確認すべく、矢が飛んできた方向を見ると不機嫌そうに見えるオジサンプレイヤーの姿があった。
【短弓射手】……さっきのワールドアナウンスで嗅ぎ付けてきたのか……
ちっ、しくじったな……
俺はプレイヤーキラーキラーの【短弓射手】に撃ち抜かれて死に戻りすることとなった……
あのオジサン、【風船飛行士】並みに俺を狙ってきてるよな……
回復したり、しなかったりする……
【Bottom Down-Online Now loading……】