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33話 ほのぼのアネイブル市場

 おは~、【包丁戦士】だ!


 俺は今、ボマードちゃんと新緑都市アネイブルをぶらついている。


 レイドバトルの描写で今まで何度か出てたと思うが、新緑都市アネイブルは建物のほとんどが樹木をくりぬいてできており、マイナスイオンを感じられる(?)。


 アネイブルの都市としての大きさだが、都市と名前につくだけあって結構大きい。

 歩いて見回るとなると1日では回りきれないだろう。

 もっとも俺はレイドバトルで一通り見ていてそれを分かっているので、1日で見回ろうという無茶はしないが。


 「いや~、とりあえず市場見てませんか?

 色々なプレイヤーが簡単な店を出している通りがあるってさっき【検証班長】さんに聞きました。

 何か珍しいものがあるかもしれませんし、どうですかぁ?」


 上目遣いで俺に訴えかけてくるロリ巨乳。

 ま、まぁどこ回るとか決めてなかったしそこ行くか。


 簡単に折れました。


 「やった!

 それではレッツゴーですよ!」


 爆弾魔はおそらく市場があると思われる方へ指を向けた後走り出した。

 


 なお、デバフがめっちゃかかっているので普通に追いついた。



 「はあはあはあはあ……

 やっぱりこの体色々な意味で重すぎますね……」


 だろうな。

 ボマードちゃんは疲れ果てているので歩かせるのを諦めて背負って連れていくことにした。

 体重は軽いな。


 背中に当たる柔らかい感触を堪能しながらとぼとぼと歩いていくと、徐々に活気が溢れている区画にたどり着いたようだ。


 「いや~、到着しましたね!

 運搬ご苦労様です!」


 そんなに疲れてはいないが、せっかく労ってもらったので素直に受け取った。

 というかなんかちょっと偉そうな言い方な気がする。


 「いや~、市場っていいですね!

 人と物が溢れているのを見ると家族旅行で観光に行ったときを思い出しますね」


 たしかにどちらも溢れているな。

 人に関しては、開放されたばかりの新拠点という珍しさも手伝ってかなおさら多い気がする、観光シーズンの京都かここは!?


 物は色々なエリアで採取された魚や果物などの色とりどりな食べ物、木材石材など加工原料となるもの、変わった店と言えば胡散臭い占いの館のようなのもある。

 言ってしまえばジャンルはなんでもありのようだ。


 「あっ、この果物美味しそうですよ!

 せっかくですし買っていきましょうよ、食べながら他の店も見ましょう!」


 それリアルでやると若干マナー的に問題ありそうだよな。

 まあ、ここはVRMMO。

 それくらいは寛容に行こうじゃないか。


 「店主、この果物2つもらえるか?」


 果物を売っているのは白色のタオル?ハチマキ?をした活発そうな青年だ。

 売っている人が元気良さそうなので、食べ物も美味しそうに見える。


 「へいっ、どうぞ!」


 そんな店主から果物を受け取ると1つをボマードちゃんへと渡した。

 普通に俺の奢りになっていた。


 このタンクトップ女金いっぱい持ってるはずなのになぁ……

 何故なのか。


 そんな雑念を振り払うように歩きながらさっき買った果物の皮を剥いて遊び始めた。

 何で剥くのか?

 当然俺と言えばこの包丁だろう。


 「ほえ~、器用に剥くんですね……

 まるで生産プレイヤーみたいじゃないですか!

 蛮族とか呼ばれているトッププレイヤーなのに!?」


 色々と失礼だなお前。

 包丁がチュートリアル武器として選ばれている時点で俺は料理メインの生産プレイヤーだろ……


 材料さえあれば普通に料理とか作るからな?


 「ふふっ、【包丁戦士】さんの意外な一面を見れましたね。

 いや~、その剥いた果物もらえませんか?」


 聞いてきたにも関わらず俺の手から強奪したロリ巨乳。

 ……んや、別に良いけどお前のやつ代わりにもらうからな。


 そう言って俺の口すらつけていない皮を完璧に剥いた果物と、ボマードちゃんが半分以上食べた残りかすの果物を交換した形になった。

 

 等 価 交 換 っ て 知 っ て る ?


 いや、そもそも俺の金で買っているので前提としておかしいが、もはやこいつ相手に議論するだけ無駄だろう。

 

 ボマードちゃんとの不平等条約によって手に入れた果物をむしゃむしゃたべる。

 ぼりぼり。


 「あっ、これって間接っ……!?」


 ボマードちゃんが何か言っているが、そんなことよりも気になる店を見つけた。

 

 「バルーンアートの出店ですか!?

 いや~、このゲームこんなものまで作れるんですか!

 カンシンカンシン!」


 カンシンカンシン!

 シンカンセン!みたいに見える文字列だな、いや意味不明な突っ込みなのは分かっているがなんとなく思っただけだから深く気にしないでほしい。


 ちなみに俺が気になったのは売っているものそのものではない。

 店名だ。


 「店の名前ですか?

 【風船飛行士のバルーンアトリエ】……特に変わった名前だとは思いませんけど、何処が気になりました?」


 首を90度くらい傾けて悩んでいるボマードちゃん。

 なんかフクロウみたいだな。


 「前に【槌鍛治士】に聞いたんだが、東のトッププレイヤーが【風船飛行士】ってやつらしい。

 たしかだけど」


 その言葉を聞いてはっとした表情になったボマードちゃん。

 口に手を当てて驚いている。


 「あっ、そういえばそうですね!

 バルーンアートと風船の組み合わせの違和感が無かったせいでトッププレイヤーとの繋がりを考えてなかったです!

 【釣竿剣士】さん、【包丁戦士】さんも生産プレイヤー……もどきみたいなものですし、もしかしたらこの人もそうなのかもしれませんね?

 せっかくですし、見ていきませんか?」


 もどきとはなんだもどきとは!

 俺は生産プレイヤーを諦めてないからな!!


 それは置いておくとして、さっそく見ていくか。


 





 


 東のトッププレイヤー……

 う~ん……


 【Bottom Down-Online Now loading……】


 


 


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[一言] カンシンカンシン!シンカンセン好き!
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