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320/2203

320話 アンカー名案

 デバフサークルを迂回しながら夢魔たこすに向かって袈裟斬りを放っていく。

 左腕から生えた蛸足とアンカーはこの移動に追いつけないだろう。


 だからこそ、防御をぶち抜けるチャンスだ!

 くらえっ!


 「そんな簡単に当たってあげないのだ!

 スキル発動!【水流万花】なのだ!」


スキルを発動すると、夢魔たこすの周囲三メートルくらいに水流の輪が形成され始めた。


 そして、時間経過で水流の輪がさらに形成されていく。

 水流の輪は花弁のような見た目をしていて、時間が増えると満開に近づくということなのだろう。

 次元戦争でよく遭遇するスキルだが、全体的に見るとこのスキルがメジャーなんだろうか?

 時間に応じて固くなっていく防御スキルみたいだし、かなり使い勝手も期待できそうだ。


 そんなスキル【水流万花】に俺の包丁によって放たれた袈裟斬りが受け止められて、弾き飛ばされてしまった。

 そして、その隙に蛸足はアンカーと共に再び夢魔たこすの手元へと戻っていっていた。


 これで振りだしか……

 だが、ここで退くのは論外だ。


 パジャマロリや石動故智が使ってきた【水流万花】はある程度攻撃すれば粉砕することが出来ていたが、この夢魔たこすが発動している【水流万花】は俺の斬撃をなんど食らわせてもまだ壊れていない。

 なんの違いだ!?


 「気になっているのだ?

 ふっふっふっ、たこすちゃんの【深海顕現権限】と【蛸海人】の特徴で、で【水に関するスキル】と【海に関するスキル】がドドンと強くなっているのだ!」


 だからやけに固いし、持続しているのか。

 俺の【深淵顕現権限】とか【深淵天子】みたいなものなんだろう。

 ただ、そのまま守っているだけだとじり貧だぞ?


 「そんなことわかっているのだ!

 ……あっ、きたきた!

 ようやくスレが加速したお陰なのだ!

 条件達成!スキル発動【アンカーボルト】!【安価名案】なのだ!」


 【スキルミックス!】




 【【アンカーボルト】【安価名案】】


 【混合発動【アンカー名案】】


 【修練武器に概念混合されます】


 【デメリットとしてクールタイムが増大しました】


 


 カタカナスキルと名前に関するスキルを同時に発動してきたが、スキルミックスだと?

 スキルチェインじゃないのか……

 これがアンカー次元特有の現象ということなんだろうが、何が起きるんだろうか。



 「う~ん、100番目の書き込みは……【風属性~焼き蛸足を添えて~】

 毎回毎回変な書き込みばっかりなのは何なのだ!?

 アンカー次元の掲示板仲間はたこすちゃんを勝たせる気があるのだ?」 


 このたこすちゃんの言いぶりからすると、アンカー次元の名前に関するスキル【安価名案】は掲示板機能を使ったもののようだ。


 そして、安価とかいう不穏なワードから察するに掲示板で指定されたものが力になるのだろう。

 実際に、俺の目の前には風の鞘を纏ったアンカーが空中をさ迷ってるし……


 「アンカーが軽くなったのだ?」


 いや、風の力で浮いているんだろう。

 自力で浮くから、持つのに必要な力が少なくて済むんだろう。


 「なるほどなのだ!

 ここまで考えてたなんて、掲示板仲間もやるときはやるのだ!」


 いや、【風属性~焼き蛸足を添えて~】とかいうふざけた書き込みをしている時点で絶対この書き込みをしたやつまともに考えてなかっただろ。

 料理の名前かよ!

 別に焼き蛸足添えられてないし……


 「それは【アンカーボルト】とスキルミックスしたからなのだ!

 固定するスキル【アンカーボルト】の力で、【安価名案】のマイナス効果を打ち消すのがたこすちゃんの鉄板戦術なのだ!

 まあ、いつもふざけてマイナス効果をたこすちゃんに与えようとしてくるからなのだ……」


 こいつもこいつで底辺同士の足の引っ張り合いを自分の次元でしているんだな。

 流石はプレイヤーに人権のないゲームだ、もはやプレイヤーは自ら更なる人権を放棄し始めているってことを知ってしまった。


 ……ん?プレイヤーキラーの活動?

 いいだろ!俺の趣味は他人の不幸を眺めることなんだからな!


 「うわっ、爽やかな笑顔でそんなゲスなこと言う人初めて見たのだ……

 恐ろしいのだ……」


 恐ろしくて結構!

 それがプレイヤーキラーの本懐だ!


 俺はそう叫びながら夢魔たこすへと再度切り込みにいく。

 そんな俺を迎撃するために蛸足で持ったアンカーが独特な軌道で攻撃を仕掛けてきたが、さっきまでよりも速い!

 そして、アンカーの周りを取り巻く暴風がうるさすぎる!

 

 「たこすちゃんが選んだ属性じゃないからどうしようもないのだ!

 たこすちゃんもうるさくて大声じゃないとそっちの声が聞こえないのだ!」


 お互いに怒鳴り合いながら、武器を交わし、交戦する。

 風を纏ったアンカーの一撃を包丁の腹で受け流して、その勢いで距離を詰めていく。


 そして、【水流万花】の膜を剥がして迎撃に備えるため退避!


 「ヒットアンドアウェイなのだ!?

 やっぱり身軽な武器だとそれができて羨ましいのだ……」


 まあ、アンカーの威力も捨てがたいんだろうから使っているんだろうが、やはり動きにくいっぽいな。

 まあ、そこにつけ入る隙があるか悩ましいところだが……





 安価……面白そうですね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 安価で決まるの面白そうですね デメリットがつけられてるのはともかく [一言] デメリットを打ち消していなかったら蛸足が焼けてたのかな アンカーで戦うのはロマンがありますがやっぱり使いづら…
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