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290話 次元戦争の報酬

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日はログインすると同時に【菜刀天子】がにじり寄ってきた。


 「先日はお疲れ様でした。

 無事2つの陣営を下し、序列も6位まで上がりました。

 劣化天子にしてはよくやった方だと思いますが、ここで満足されては困ります。

 これからも、私のためにキリキリ働きなさい」


 相変わらずの上からの物言いではあるが、以前とは異なりこちらを労ったり認めたりするニュアンスの言葉が含まれることが多くなったな。

 俺はプレイヤーキラーとしてバッドマナーなプレイングをしているが、それはあくまでもプレイヤー間でのマナーであって管理AIからすると大した問題ではないってことなんだろう。


 俺の成し遂げた実績だけで判断しているキライがある。

 プレイスタイルがダーティでも、それに見合う実績さえ出し続ければこの【菜刀天子】からの好感度は上がり続けるに違いない。


 「好感度が上がるかはともかく、結果さえ出してくれれば私としては問題ありません。

 次元戦争であの陰湿な集団の力を借りてしまった以上、なりふりかまっていられないですからね」


 あっ、その陰湿な集団だが、あいつらのどっちかが望遠鏡次元の陣営旗を取ったみたいだぞ。

 俺が望遠鏡次元のMVPプレイヤーと戦っている間に戦闘が中断されたからな。

 まあ、あのまま戦闘を続けていても俺が勝った自信はあるけど。


 「上位権限の主導権を争うにしても、次元の序列が低ければ価値が低くなりますからね。

 その点では利害が一致していたということでしょう……

 非常に不服ではありますが、これも劣化天子の成し遂げた奇跡の1つではありますから結果的に良しとしておきましょう」


 そこまで不服なのか……

 というかあのマフィアボスっぽいおっさんは誰だったんだ……


 「……気づいていないのですね。

 それならそれでいいですが……」


 なんだよその意味深なセリフは!

 気になってくるじゃないか。


 「劣化天子のことですから自然にどうせすぐに分かることだと思うので、わざわざ私が教えることはしません」


 まじか……


 「それよりも今回は次元戦争の報酬が豊富ですね」


 そうなのか。

 何が手に入ったんだ?

 俺への報酬もログインしたばかりだから確認できてないんだけど……


 「仕方がない劣化天子ですね……

 今回は毎回恒例の【深度の種】が2つと、【神度の羽】が2つ、【王宮拡張権】が1つ、【鉱石詰め合わせ】が1つ、【食材詰め合わせ】が1つ、【鉱石詰め合わせ】が1つ、【水詰め合わせ】が1つ、【薬草詰め合わせ】が1つです」


 おおっ……

 たしかに豊富だな。

 詰め合わせセットがやけに多いのが気になるが、この詰め合わせセットから出てくる素材とかを使う機会がたまにあったりしたからもらっておいて損はないだろう。

 鉱石とかは俺には扱えないから【槌鍛治士】に横流しすることになるがな。

 でも、そのおかげで今まで【深淵顕現権限】の生け贄の肩代わりになってくれるあの鉄球のようなアイテムをクラフトできるようになっていたらしいから、これでまた何個か作れるだろう。


 あと、【深度の種】と【神度の羽】か。

 【深度の種】は毎回手にいれてるから今さらだが、それでも実はまだこいつは一回も使ってないんだよな……

 はじめて手に入れた時に【菜刀天子】から脅しが入ったからか、無意識に触れるのを避けていた気がする。

 こいつについては次元天子の【菜刀天子】よりも深淵種族のルル様の方が詳しそうだから今度聞きに行くか……忘れそうだけど。


 【神度の羽】は今回初めてのアイテムだな。

 

 「それは私から説明しましょう」


 どうぞ。


 「【深度の種】と同様に神度を1上げるアイテムです。

 劣化天子は神度の数値の上がりがあまり良くありませんから、これを使って補うといいでしょう」


 それは助かる。

 深淵スキルの性能は深度が上がるにつれて威力や射程、持続時間が伸びてきているが、聖獣スキルや天子スキルは神度が低いからかデフォルト性能からそこまで増えてない。

 そこを補強できるのは素直に嬉しいな。

 それでこの羽はどうやって使うんだ?


 羽の使い方なんて分からないからすぐ【菜刀天子】に聞いてみた。


 「背中に突き刺してください。

 それで済みます」


 えぇ……

 なんか注射みたいだな……


 そんなくだらないことを考えつつも2つとも背中に突き刺してみる。

 するとすぐに無機質なアナウンスが鳴り響きはじめた。



 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】の【神度の羽】の使用を確認】


 【【神度の羽】の効果で【Deification】!】


 【【包丁戦士】の神度が5になりました】


 【【包丁戦士】の神度が6になりました】




 あら、こんなあっさりか。

 まだまだ数値は低いがこれで多少はましになったか。

 そんなことをぼーっと考えながら街をぶらぶら出歩いて今日はログアウトした。






 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 戦争に勝てて良かったです 負けてもあまりペナルティは無さそうですが 順位を上げれば天子の好感度が上がりますしね [気になる点] 深度の種はどうやって摂取するんだろう 種を身体に植えるなんて…
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