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289話 意外な幕切れ

 二重のデバフサークルによるデバフを受けた望遠鏡次元の牛乳パフェは一気に攻撃のパフォーマンスを下げていた。


 こっちも状態異常が耐性を無視して受けるようになったから、包丁のダメージと延焼ダメージがいい感じに釣り合ってきている。

 さあ、まだまだ包丁は血を求めてるぞ!


 俺はすかさず袈裟斬りを放ち牛乳パフェの肩を切り裂いていく。

 デバフにより身体の動きが鈍った牛乳パフェは先程までのように望遠鏡でのガードが間に合わなくなったようで、刃を届かせることが出来た。


 そしてそのまま俺は身体を捻り逆風を放ち、相対する相手の身体を切り上げていく。

 

 「ゲゲッ!?

 やっぱりこれだけデバフがかかっていると全然戦闘にならないぞ!」


 そう言う牛乳パフェの言葉通り、デバフのおかげで俺の斬擊がことごとくヒットするようになり、逆にその反動で俺に対する魔眼スキルが当たらなくなってきているようだ。 


 これはチャンス!

 絶好の攻め時と言わずしてなんというのだろうか。


 そう感じた俺はもはやぼろ雑巾のようになった身体の切り売りしていくことに決めた。


 スキル発動!【フィレオ】!



 俺がさっと包丁で空中に軌道を描くと、その軌道がそのまま斬擊の形へと変化し、飛翔する斬擊となり牛乳パフェの首を刈り取ろうと、その首へと向かっていっている。


 危険を事前に察知したからなのか、牛乳パフェは身体を無理やり動かして首への直撃を回避することに成功してしまった。

 

 くそっ、狙ったところには当てられなかったか!?


 だが、そう悪い結果にはなっていない。

 俺の斬擊を回避しようとして右腕で咄嗟に庇ってしまったようで、そのまま右腕が切断されて吹き飛んでいた。


 まあ、それと同時に俺の左腕もあらぬ方向へと吹き飛んでいってしまっているので身体の欠損という点では俺が足をひっぱっただけだろう。



 「ゲゲッ!?

 ひっぱったのは足というよりも手だぞ!」



 そう細かいこと気にするなって。

 言葉のあやなんだからさ。


 四肢の一部をお互いに失っているが、牛乳パフェと違って俺は四肢が失われた状態でも戦えるように特訓(プレイヤーキル)していたからな。

 それに、足を失うよりも、腕を失った方が戦いやすいから今回はラッキーだったな。


 四肢を失った状態での戦闘に慣れている俺と、近接戦闘にブランクがありましてや四肢の一部を失った状態である牛乳パフェでは動きのキレに明確な差が出てくる。

 

 斬っては退き、斬っては退きを繰り返していくと牛乳パフェ身体にはいたるところに切り傷がつくようになっていた。

 そろそろとどめを刺せそうだと思った次の瞬間、無機質なアナウンスが脳内に鳴り響きはじめた。


 

 まーたこんな中途半端なタイミングでかよ!?

 今度はいったい何なんだ。



 



 【ディメンションバトル】



 【包丁の煌めき】



 【ピッケルの揺れ】


 

 【望遠鏡の曇り】



 【陣営が全滅しました】



 【陣営旗が獲得されました】




 【【包丁次元】WIN!】



 【【包丁次元】が6位に昇格しました】



 【【ピッケル次元】が9位に降格しました】



 【【望遠鏡次元】が7位に降格しました】



 【勝利報酬は王宮にて選択してください】



 【:個人アナウンス】



 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:嫉妬】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】



 【【包丁戦士】の深度が34になりました】




 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力が返還されます】


 【【牛乳パフェ】に貸与された嫉妬の力が返還されます】





 【それぞれの次元へ送還します】



 【Bottom Down-Online Now loading……】




 んあ?

 俺はまだ戦闘中だったのにいったいどうしたんだ!?

 次元戦争が終わったぞ。


 ……アナウンスの内容を吟味してみるとそこに答えがあった。

 誰かが望遠鏡次元の陣営旗を手に入れたっぽいな。


 戦闘途中で終わったのは消化不良感があるが、それでも結果的に勝っているから不問としよう。

 勝てば官軍だ!





 そう答えを見つけた俺は元の包丁次元へと送還されていくのだった……



 【Bottom Down-Online Now loading……】


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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの決着ですね 結局勝ちきることは出来ませんでしたが とどめをさせなかっただけですし 勝てて良かったです [一言] 暴食ってもしかしてやばい? 一見、嫉妬の力も使える可能性が出てきたよ…
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