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263話 ネタ武器について

すみません、なんだかストックを確認したら1話抜けてました。


間に挿入させてもらいます。

 【槌鍛治士】と【検証班長】の援護を受けて再度浮上した俺。

 

 「ちょっwww

 ようやくサボり魔が戻ってきたかwww

 休憩なんて良いご身分ンゴねぇwww」

 

 俺の復帰後即煽ってきたのは【風船飛行士】だ。


 おいおい、一時間以上もずっと攻撃をかわし続ける身にもなってくれよ。

 延々と弾幕ゲーをやるっていうのは精神的にきつかったし、最後の方は虚無と戦っている感覚さえあった。

 流石に休憩くらいさせてくれても罰は当たらないだろうよ。


 「……それもそうか」


 珍しく神妙な表情と口調でそう応えた【風船飛行士】。

 何か思うところがあったのかもしれないな。

 茶化した口調じゃない【風船飛行士】って滅多なことでは見られないから、俺の言葉に対して込み合った事情でもあるのかも。


 だが、次の瞬間にはいつものいちいちうるさい口調と雰囲気に戻っていた。


 


 さて、【槌鍛治士】のおかげでせっかく怯んでいるんだ。

 さっきまでのお返しを存分にさせてもらおうじゃないか!


 いくぞ!

 スキル発動!【深淵顕現権限Ж(ジェー)】


 俺は戦いの前に【槌鍛治士】からもらった、スキルの生け贄の代わりになってくれるアイテムを代償にスキルを発動した。

 

 スキルを発動すると俺のお尻から管のようなものが飛び出し、ウナギのような尻尾が形成された。

 その尻尾からはぬるぬるとした粘液が垂れ落ち、周囲には禍々しい雰囲気が漂いはじめた。



 ルル様の羽と、ジェーの尻尾というめったにやらない【深淵顕現権限】の贅沢な使い方だが、今の俺たちの相手は聖獣。

 これをやるのに不足はない相手だ。



 そして、この局面でわざわざジェーの尻尾を顕現させたとなれば、やることは1つしかない!


 物理が効きにくいっていうのなら、特大のレーザー砲撃をお見舞いしてやるぞ!

 

 スキル発動!【魚尾砲撃】!


 俺のお尻から生えたぬるぬるの尻尾の先端がパカッと開き、そこにエネルギーが充填されていく。

 この尻尾はスキル【魚尾砲撃】の本来の所有者である深淵種族のジェーライトの細胞を励起させて産み出したものだ。


 だからこそ、そこから放たれる【魚尾砲撃】は他のプレイヤーが放つものとは隔絶した性能となるのだ。


 というわけで、いっけー!

 これが俺たちプレイヤーを長い間苦しめてきた極太レーザーだ!

 同じレイドボスのお前もとくと味わうがいい!!


 ウナギ尻尾から放たれた極太レーザーは、物理攻撃を遮断する炎のオーラを貫通して【クシーリア=ドーヂィ】の胴体に直撃した。

 【風船飛行士】の風船竜から放たれたブレスと違い、力を一点に集束させた攻撃なのでようやく目に見える形で【クシーリア=ドーヂィ】にダメージが現れはじめた。


 もちろん、ここまでの【風船飛行士】や、その配下である【冒険者の宴】のメンバー、【バットシーフ】後輩の攻撃によるダメージが蓄積していたのもあるが、俺の極太レーザーが決め手となっているようだ。


 「やるじゃんwww

 外道でもトッププレイヤーと呼ばれているだけはあるなwww

 おっおっおっwww

 お前らも全員総攻撃だwww

 ここで攻撃を止めるのはアリエナイwww」


 「俺のダガーの錆びにしてやるぜ!」


 「ワイのハリセンの底力みせたるで~!!」


 「おっと、このハエタタキを見くびるではないぞ?」


 「いや、王道のロングソード使いである私が魅せてやろう!」





 なんか【冒険者の宴】の愉快な連中たちが一斉攻撃を始めたようだ。

 見るからにネタ装備をしているやつも思ったより多いのは、この【冒険者の宴】というクランを仕切っている【風船飛行士】がそもそもネタ装備だからだろうな。

 だって、風船って普通武器のカテゴリーじゃないしな。

 掲示板ではネタ装備四天王とか呼ばれてたりするくらいだ。




 その点を考えると、元々武器ですらない風船を使ってここまで戦えている【風船飛行士】はかなりの実力者と言えるのかもしれない。

 俺の包丁も武器というよりは調理器具だが、それでも凶器に使われたりしているくらいには殺傷力がある。

 というより、俺も含めたトッププレイヤーたちって本来武器としての用途を考えられていない種類のチュートリアル武器を与えられたプレイヤーだよな?


 【釣竿剣士】の釣竿、【トランポリン守兵】お嬢様のトランポリン、そして今話題にしていた【風船飛行士】の風船だ。


 この中だと、俺の包丁はさっき説明したが、【釣竿剣士】の釣竿はリアルでの超絶技術で無理矢理武器にしている。


 


 トランポリンと風船は、その真逆で、このプレイヤーに人権のないゲーム特有のスキルやabilityで戦闘力を格段に上げたチュートリアル武器だ。

 もちろん、スキルとかが出てくる前からこの二人がトッププレイヤーって呼ばれていたから、こいつらの創意工夫の結果とも言えるんだろうけど。


 

 ともかくだ、チュートリアル武器の見た目に騙されてはいけないってことだ。

 そういうわけで、ネタ武器使いたちファイト!


 俺の攻撃回数を減らすために精々死力を尽くしてくれよ~!






 チュートリアル武器は個性の発露ですからね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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