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252/2243

252話 復興事業

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 今日は先日回収したデカブツムカデの脱け殻を【検証班長】に見せに行こうと思う。

 

 





 というわけでやって来ました草原エリア!

 ん?なんで【検証班】のたまり場のメッテルニヒじゃないのかって?


 そりゃ……ね……?


 「【包丁戦士】さん、また何か面白いものを見つけたみたいですね?

 ボクとしては大歓迎だけど、毎回毎回よく見つけてこれるよね……」


 それは知らん、いつの間にか見つかるから何とも言いようがない。

 

 「それで、ボクをわざわざ呼んだってことは何か知りたいことがあってのことなんですよね?

 しかも、今回持ってきたものに関係があるとみました、どうですか?」


 ……今回は少し外れているな。

 【検証班長】にしては珍しく読みが当たらなかったみたいだ。


 今回は新しいエリアを見つけたんだよな。

 仮に谷底エリアとでも呼ぶが、そこでレイドボスとも遭遇したりした。


 「ですが、嘘の報告の可能性もありますよね?

 【包丁戦士】さんがむやみに嘘をつくことってあまりないので、ボクとしては信じてもいいのですが、証拠のようなものが欲しいかな」


 やっぱりそこだよな。

 っていうことで、あらかじめ持ってきたぞ!


 俺は茂みに隠していた大量の脱け殻を引っ張り出した。

 もちろん、俺だけでは運びきれないのでその辺にいたモブプレイヤーたちを雇ってリヤカーで運ばせたのだ。


 あんまり俺から言うことってないけど、闘技場イベントで優勝したり、初心者イベントで頑張ったりしたので賞金のようなものがちゃっかりたまっているからな。

 こういうときに下僕を雇って利用してやるのが経済を回すってことだろ(?)


 「これはまたすごい量の脱け殻ですね……

 このサイズのものがこれだけあるということは、この本体はとてつもなく大きいということだね」


 そういうことになる。

 町1つ分くらいあるんじゃないかと思ったぞ……

 実際に測った訳じゃないから、目測だけど。

 これも、ボマードちゃんと二人で五時間かけて集めたものだ。

 しかも、それだけ時間をかけたのに全量回収できていないという……


 「!?

 これだけあってまだパーツがあるんですね。

 実に興味深いですね……

 そうだ!【包丁戦士】さん頼みがあるけど聞いてくれるかな?」


 おっ、急にどうした?


 「コラテラルダメージの【槌鍛治士】さんを少し借りてもいいですか?」


 【槌鍛治士】か、本人が良ければ別に貸してもいいぞ。

 ただ、俺の装備も作ってもらってるから中途半端にだけどいいのか?


 「それで問題ないです」


 ……それで、なんで【槌鍛治士】なんだ?

 いったい何をさせる気なのか興味があるんだが。

 あいつに出来ることっていうと鍛治関係なんだろうが……


 「この脱け殻の接合を依頼しようと思いましてね。

 パーツを集めて復元したら何か新しい発見があるかもしれないよね」


 あー、そういうことか。

 俺とボマードちゃんは途中でパーツ集めを妥協したからここにあるのは完全じゃないが、少しずつ集めて形にしたら等身大のデカブツムカデをじっくり観察できるよな。


 「そういうことです。

 一番の狙い目は弱点の発見ですが、身体の作りから動きなども推測できそうだからね」


 関節の作りで動きが分かるっていうからな。

 脱け殻でそれが分かるのかはともかくとして、やってみるだけなら面白い試みだ。


 「あと、この草原エリアってプレイヤーが自ら作った簡単な拠点しかないじゃないですか、だからこそレイドボスの等身大の像で特徴を出していけると思ってね。

 この像を作るために生産プレイヤーたちを集めれたら、それぞれのコネクションを作りやすいですよね。

 せっかくなのでプレイヤーメイドの草原エリア復興イベントとして開催するつもりだよ」


 こいつ……どこまで次元全体のことを考えているんだ……

 まさか生産プレイヤーへの雇用先を作り出してしまうとは。

 俺なんて完全に自分のことしか考えてなかったぞ……


 「……というわけで、【包丁戦士】さんとボマードちゃんにはこれからどんどん脱け殻を持ってきてもらわないとね」


 あっ、そうじゃん!

 俺たちが脱け殻パーツを持ってこないと完成しないよな……

 俺たち二人しか入れなさそうだし。

 これは無駄な仕事を作ってしまった感があるぞ。


 「とはいっても、そんなに急ぐことはないですよ。

 既にこれだけのパーツがあるんです、時間があるときに取ってきてもらえたらそれだけで充分ですよ。

 ……もし、修復が追いついたら馬車馬のように働いてもらいますが」


 うわっ、嫌なことを聞いてしまったぞ……

 だが、この催し自体は面白いと思っているので、協力はしてやるか。

 ボマードちゃんには伝えておいてくれよな。

 俺は【渡月伝心】でメッセージ送れないから。


 「了解です。

 では、よろしく頼むよ!」



 こうして、先が遠くなるような復興事業がスタートしたのだった。












 えっ、なんですかあの禍々しい脱け殻は。

 いったいどこからあんなものを……




 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素材の供給量が少なそうなので 仕事が少なそうな生産プレイヤー達が働けてなにより 働けば働くほど包丁戦士が忙しくなりそうですが [一言] これまたとんでもないことを 検証班長流石ですね 抜け…
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