2488話 超浪費
【釣竿剣士】レベルのプレイヤーなら鱗粉を浴びても優れた感覚で無視できるかと思ったが誤算だったな。
あのまま放置していたら間違いなく俺が一刀両断されていたし、危ない危ない……
俺の気配察知から逃れられるくらいならそういう感覚にも精通していると思ったんだがなぁ……
だったら次は俺がいこう!
スキル発動!【天元顕現権限】!
俺は黄金色の左翼を生やし天子の力を解放していった!
そして、スキル発動!【花上楼閣】!
変身した勢いのまま岩の花弁を射出し、【ゥイフト=クレイガー】にダメージを与えていく。
【ゥイフト=クレイガー】も回避のために飛翔しているが、高さと早さが足りないな!
そのままダメージを受けていき、再び錯乱の鱗粉を撒き散らしていく。
だが、俺の攻撃が遠距離攻撃だったのもあってか巻き込まれることはなかった。
【釣竿剣士】単体だとこういう攻撃方法はないからな……
二人とも近づきさえしなければ錯乱の鱗粉の被害に遭わないって戦法だ!
「シンプルですが悪くない戦法だと思います。
生産プレイヤーに求められる思考の単純化のいい例ですね」
まぁ、当たらなければどうってことないわけだからな!
とはいえ俺の聖獣スキルはスキルチェインの関係でクールタイムが異様に長い!
そんなにバンバン撃って続くものじゃないからお前の攻撃もちゃんとしてくれよな!
「当然ですよ、生産プレイヤーなら!
釣竿一刀流【斬祓】!」
【釣竿剣士】は釣竿のしなりを利用して残像が残るように振り回し、【ゥイフト=クレイガー】を切り裂いていった!
……やはり装甲はかなり薄目だな。
この前に戦った【天纏ナゴナ】と比べると圧倒的に柔らかいんだよなぁ……
それもあって俺や【釣竿剣士】でも十分削りきれる範囲だと思うぞ!
そして、【釣竿剣士】が攻撃したのでまた鱗粉が飛び散り、錯乱した【釣竿剣士】が再び俺に襲いかかってきた。
「もう一撃与えます!
釣竿一刀流……」
おい馬鹿、やめろって!
ほら、【月杖錬金術師】の状態異常回復ポーションだ!
【釣竿剣士】にポーションをぶっかけていき、正気を取り戻させていった。
数はかなり持ってきたんだが、このペースで使って足りるのか……???
「私は正気を取り戻しました!
前にクラン【釣り堀連盟】で【ゥイフト=クレイガー】に挑んだときも同じ様に私が錯乱させられて、私がクランメンバーを全滅させてしまっていました……
クランメンバーたちが私に状態異常回復ポーションを当てる前に倒してしまうので間に合わなかったんですよ。
それと比べると【包丁戦士】さんはやはり私の動きを捉えられているので安心感が高いですね。
流石生産プレイヤーです」
いやいや、お前のクランメンバーたちも生産プレイヤーだろ。
まぁ、いいけどさ。
それはさておき、味方を常に警戒しないといけないレイドバトルというのも新鮮だなぁ……
強いて言うなら本当は【ゼータンパ】も似たような戦い方をする感じだったんだろうが、あの時は聖獣たちを引き連れて俺は次元天子スペックという破格の条件で挑んでいたから最後は滅多打ちに出来ていたしワケが違う!
さて、【釣竿剣士】が攻撃した後だから次は俺が隙を埋めて攻撃しないとな!
スキル発動!【渡月伝心】!
俺は包丁の先端に銀色の円環粒子を発生させていき、それを【ゥイフト=クレイガー】の方へと向かわせていく。
薄い装甲への細かい斬撃だ、かなり効いているぞ~!
当然これでも錯乱の鱗粉は撒き散らされるが【釣竿剣士】は既に退避済み!
こっちの被害はゼロだ!
「今のところこちらへのダメージは一切ないですからね。
かなり順調です。
このまま無傷でいきたいところですが……」
無傷とはいえ、その分の代償は払い続けているからな……
最高級状態異常回復ポーションを奮発しているわけだし。
普通なら脳が沸騰するレベルで散財しているっていうことを忘れるなよ?
「当然ですよ、生産プレイヤーなら!
無用な消耗は避けるべきですからね。
それも承知の上で戦っていますよ」
ならいいんだがな……
カッカッカッ!
今のところは、順調だのぅ……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




