表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

247/2240

247話 サバイバルイベントフラゲと狐について

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 

 「おや、ようやくログインしてきましたか。

 私をのうのうと待たせるとはいい身分ですね」 


 ログイン早々に見え見えの嫌みを言ってきたのはこの次元の上位権限AIの【菜刀天子】だ。

 相変わらずの上から目線でむしろ安心する。


 「それは結構。

 今日は次のイベントについての事前のお知らせです」


 おっ、初心者イベントが開催されてからしばらく経ったからちょうどいい頃合いだな。

 それで、今回はどんなイベントなんだ?


 「クラン対抗のサバイバル形式のバトルです。

 クランメンバーで集団となって参加するものですね。

 直接参加しないプレイヤーはどのクラン、もしくはプレイヤーが活躍するのかで賭けを行えます。」


 おっ、これまた定番のやつ来たな。

 俺はあまりやったことないが、FPSとかに似た形式だろう。

 俺たちのクランは半分くらい非戦闘要員だが、サバイバル形式なら別に無理して戦う必要はないからな。

 その辺は助かる……


 それで、活躍って言っても生き残ることじゃないのか?


 「もちろんそれもあります。

 生き残った上位からポイントが振り分けられるのと、他のプレイヤーを倒して手に入るポイントその合計値で競うイベントです。

 変に遅延されても困るので、戦いを誘発する形式に改竄しました」


 おい、今改竄って言ったよな!?

 こいつ、管理AIのくせに独断行動しすぎだろ……

 絶対運営に無許可でイベント内容変更したな……?


 「……ノーコメントです」


 ……露骨に顔を背けるな。

 その仕草が全てを物語ってるぞ?


 「底辺種族たちは妙にしぶといですからね、こうやって私自らが手を加えて早期決着できるようにしてあげたのです、感謝してください」


 まあ、ルールとしてはこれはこれで面白そうだからいいけどさ……

 あまり無茶して運営に消されるなよ?


 「もちろんです。

 私を誰だと思っているのですか?」


 うーん、上から目線の偉そうなやつ。


 「……あなたに期待した私が間違いでした。

 ともかく、クランでのイベントとなりますので事前の打ち合わせなどしておくと良いでしょう」


 あいつらと事前に相談することってなんかあるか?

 基本その場のノリでどうにかできそうなやつが多いからなぁ。


 だが、流石に【槌鍛治士】は前準備がないと生産活動できないし、あいつには話を通しておくか。

 持ち込むアイテムについて相談しておけば、最適解を探して作っておいてくれるだろう。



 「あと、アイテムの持ち込みは無制限ですが、身につけているものしか持ち込めませんので、その辺りが実質的な持ち込み制限になっています」


 装備、アクセサリーはもちろん身に付けるが、他のアイテムは小さいものくらいしか持ち込めなさそうだな……

 変に大きなものを持ち込もうとして弾かれたら悲しすぎる。


 

 それで、どんなステージでの戦闘なんだ?

 クラン対抗っていうくらいだから、それなりに広い場所でやるんだろ?

 狭い場所でやったらすし詰めもいいとこだからな。


 「イベント専用エリアの使用許可が出ていますので、私の上位権限を使って底辺種族たちをそこへ送り込みます。

 広さは大体エリア1つ分を想定しておいてもらえればよいかと」


 それだけの広さがあれば狭すぎるってことにはならないか……

 だが、それだけの広さならイベントが後半に近づくにつれてプレイヤーが減るから遭遇確率とかも減ると思うが、その辺は何か考えていたりするのか?


 「……その恐れがありましたね……

 イベントまで時間はありますし、何か考えておきますか……」


 いや、何も対策考えてなかったのかよ!

 イベント内容の改竄とかやってるからそんなポカやらかすんだぞ……


 「劣化天子は一言も二言も多いですね……

 ともかく、開催は近日なので備えておくように。

 レイドボス攻略も進んでいるようなので、そちらも手を抜かず同時に進めてください。

 ……それにしても、あの狐をよく手懐けましたね?

 気難しいあの陰陽師は私としても扱いにくかったのですが……」


 ……そんなことなかったぞ?

 あった瞬間懐かれたからな、俺の人柄が成せる技ってことだったのか。

 いやー、人気者は辛いな~



 ボマードちゃんみたいなことを言ってしまったが、まあ【菜刀天子】の鼻を明かせたから良しとしよう!

 ……実際は深淵種族の気配を纏っていただけなんだがな。



 その後、何故か静かに嫉妬した【菜刀天子】が【渡月伝心】による円環攻撃を放ってきた。

 俺も【天元顕現権限】と【渡月伝心】によるスキルチェインで円環攻撃を繰り出し迎撃しようとしたが明らかに出力の差があって、千切りにされあっさり死に戻りさせられた。






 ふむ、不思議なこともあったものですね……

 実は天子の才能があったのですか……?


 【Bottom Down-Online Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] サバイバルですか 戦闘プレイヤーが有利になるというわけではないので良いですね イベントエリアで新たな素材が見つかる可能性もあるので 槌鍛冶士に期待ですね [一言] 下克上したい相手に懐くわ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ