244話 クランメンバーの称号について
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は【コラテラルダメージ】のクランメンバーを招集した。
先日解放された称号装備機能について、俺の愉快な仲間たちがどんな称号を装備したのか聞いてみたくなったからな。
新要素に沸き立つのはゲームプレイヤーの定めだから、こういうときくらい身内でわいわいするのもゲームの醍醐味と言えるだろう。
「そうですね、私も皆さんの称号とか気になってましたから集まれて嬉しいです!
いや~、【包丁戦士】さんからの招集だったので正直身構えてましたけど、安心しましたよ!」
あん?
それはどういう意味だ?
いつも一言多いタンクトップを着たロリ巨乳がまず口を開いた。
こいつは頭お花畑の爆弾魔、ボマードちゃんだ。
「ガハハ!!!
ワシはそんなに称号を取ってないから聞きに来ただけだがな!!!」
まあ、【槌鍛治士】はそんなに外を出歩かないからな。
称号を手に入れる機会が減るのも仕方ないだろう。
その分、今作ってもらっている装備とか期待してるからな。
「ワシに任せておけ!!!
まだ苦戦しているが、なんとか形にしてお前に届けてやる!!!」
この生産に関する安心感よ。
こいつになら、俺の素材全て提供しても後悔はしないからな。
こうやってどっしり構えてくれているのは助かる。
「オレっち、プレイ時間まだ短いッスけど……
何故か称号は持ってるんッスよね」
【バットシーフ】後輩はあの【釣竿剣士】と同じabilityを持つ期待の新人だからな。
このクランの主力として頑張ってもらいたいものだ。
「主力と言っても、常時デバフアイドルのボマードちゃん、ガチガチの生産プレイヤーの【槌鍛治士】先輩がいるから自然とそうなってるだけッスよね!?」
……そうとも言うな……
即戦力が欲しかったから、役立ちそうな窃盗技術を持ったお前を引き入れたってわけだ。
思った以上にばけてくれたから、俺としてもほっこりしてる。
「先輩の扱きが鬼のようにキツかったからっスよ!
あれ、兵士でも育てるつもりだったッスか……」
そうだが?
「いや~、流石は【包丁戦士】さん……
そんな鬼畜な考えだから好きなんですよね~!」
……で、まずは【槌鍛治士】の装備した称号について聞こうか。
俺はボマードちゃんの発言を全力でスルーして話題を元の軌道に戻した。
やっぱこいつ頭のネジとんでるだろ……
「……ワシは【兎月の討伐者】だな!
このメンバーなら【バットシーフ】以外は持っている称号だから珍しいものではないな!!!
効果は猫獣人系と兎獣人系へのダメージが3パーセント上昇だ!!!」
「私も同じやつ持ってますけど、なんでそれにしたんですか?
いや~、あまり使い道無さそうですけど?」
「ワシの相棒の【包丁戦士】の悲願が叶った時に手に入れた称号だからな!!!
あのジェーを倒すまでどれだけ苦労したことか!!!」
おお……たしかに効果を無視して思い入れで装備するってのもありだったか。
他に有用なものがなかったらジェー討伐の思い出として、つけておくのも悪くはないな。
「私が装備した称号は【その名を世に知らしめし者】ですね」
その称号は初耳だな?
いつの間に手に入れたんだよ、教えたくれたって良かったんじゃないか。
水くさいぞ?
「それは【包丁戦士】さんも同じじゃないですか!」
俺は称号をしょっちゅう手に入れるから、毎回各所に触れ回るのが面倒になってきたんだ。
だって、称号の取りすぎでそろそろ深度30いきそうだし……
「……想像以上に増えてませんか!?
いや~、本当に何をやってるんですか……
それで、称号についてですけど、プレイヤーネームの知名度比率が一定以上になるともらえる称号みたいです。
前に【検証班長】さんにデータを集めてもらってそんな感じの結論になりましたよ!」
「知名度の比率ッスか……
ここってボマードちゃんしかプレイヤーネーム明かしてないから当然ボマードちゃんがダントツで一位ッスよね」
それは出来レースもいいところだな。
実質お前しか取れないし……
「いや~、ラッキーでしたね。
効果ですけど、レイドボスのヘイトが集まりやすくなるみたいですよ!
楽しみですね!」
頭お花畑だな!!
そんな危ない称号早く外してしまえ!
デバフボディーでヘイト集めてどうするんだよ……
悪いこと言わないから【深淵を覗くもの】にしておけ。
【Ж細胞】手に入れた時にお前も貰っただろ?
あれは無難に深度が上がるから、つけておいて損はない。
「えー、せっかくの自慢の称号が~!!
いや~、鬼畜ですよ~!!」
ブーたれているボマードちゃんに称号を変えさせながら、【バットシーフ】後輩の称号を確認する。
「オレっちの称号は【世界を超えた力】ッス!
先輩は知ってると思うッスけど、ability【現界超技術】を手に入れた時に手に入れた称号ッスよ。
……というより、オレっちはこれしか称号持ってないッスけど」
まあ、始めたばかりで1つでも称号を持ってるなら充分だと思うが。
あとは、これからの頑張り次第だろ。
「そうッスね、先輩に負けないくらい頑張るッスよ!
それで、装備したときの効果ッスけどabilityのデメリット軽減ッス。
ただ、軽減されるデメリットはスキルを使った攻撃だけみたいッスけど」
ability【現界超技術】のデメリットは何度も語っていたりするが、思考能力を持つ生物に対して与えるダメージが激減するものだ。
これを少しでも軽減できるなら、下手な攻撃力アップ効果のやつよりも有能かもしれないな。
「あと、謎のポエムみたいなのが書かれてたッスけどあれって一体なんだったんッスかね?」
俺のabilityを手に入れた称号にもポエムみたいなの書いてあったな。
俺にもよくわからん。
「いや~、無責任ですね~!」
勝手にレイドボスのヘイトを集めようとしてたやつが言うセリフか?
とりあえず、戦力が向上したのを確認したり、アホなことをしようとしていたやつを未然に防げたので今回の集まりを開催して正解だったかもしれない。
……一番嬉しかったのは【槌鍛治士】の想いだがな。
なお、前二話で確認した俺の持つ称号を説明していたらいちいち驚かれて、面倒だったぞ……
装備したり、外したりする……
【Bottom Down-Online Now loading……】




