2396話 MVPによる配置転換の企み
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【カニタマ】から色々と情報を聞いていたな。
【海溝異本】という厄物が俺が思っていたよりもさらに厄介な代物であると分かったな……
しかも【双真ナル】からもたらされたものということまで分かったので、極力このスキルは使わないようにしようと心に誓った。
【アキカゼ・ハヤテ】や【双真ナル】経由で手に入れたスキルは中々異質な性能をしているのは承知していたが、この【海溝異本】だけは特にヤバい臭いがプンプンする。
理想をいえば使わずして中身を解析して、情報を抜き出したいところなんだが……
それが出来そうなやつは一人くらいしか心当たりがない。
まぁ、俺が言わずしても打診があるだろうからしばらくは放置しておこう。
というわけでやって来ました沼地エリア……無限湖沼ルルラシア!
ここにいる【ロイス=キャメル】に話を聞いてみようと思うぞ!
「いやはや、お嬢さんとのレイドボス攻略も中々楽しかったよ。
破天荒なプレイヤーが率いるとあのような突拍子もない盤面運びになるのだと、改めて実感させられたものだ。
私も普段ではやらないような指示を出すことになったからね」
俺が知ってるやつだと船で【カニタマ】に激突していったやつとかだな?
「あのままお嬢さんを窮地に陥らせておくのも勿体なかった。
それに絶好の機会に【天王君臨】の準備が整ったのだから、そのための最終調整も兼ねて【カニタマ】の気を引いておきたかったのだよ。
あそこまで進めば船の数が減ろうとも戦況に大きな影響は見込めなかったのだから」
だとしてもかなり思いきったよな……
「お嬢さんに影響されたのかもしれない。
大胆な作戦を取るお嬢さんに合わせて動くには、私もそれ相応の大胆さがなければマッチしないとあのときの私は思ったのだろう。
感情など水物だから後から振り返った時とは認識がずれるので、完全にそうとは言いきれないがね?」
いや、まぁそこを深掘りしたいわけじゃないしそれくらいでいいぞ。
それはそうと、お前の目的は果たせたのか?
俺はジト目気味を意識しながら【ロイス=キャメル】を見つめていく。
こいつの本当の目的は【カニタマ】の討伐に着眼点を置いていたわけじゃないだろうからな……
「流石にお嬢さんにもバレてしまっているか……」
そりゃそうだ。
途中の【シャルル=ホルムズ】と【エラ=サンドレラ】の配置転換……あれこそがお前のレイドボス討伐よりもやりたかったことで、それでそれぞれの資質を磨きたかったんだろ?
俺としては短いながらも二人ともの成長を感じ取れたんだが、【ロイス=キャメル】基準ではどうだったのか気になってな。
これを聞きに来たんだ。
「なるほど、お嬢さんも後進の育成に興味を持ってもらえて私も感慨深いところではあるよ。
実際、今回気づいてもらいたいと思ったところにはそれぞれ気づき伸ばせたことは確認できた。
その点、試金石として【カニタマ】、そしてお嬢さんが役立ってくれたのは感謝しよう。
とはいえ、自分自身で気づいてもらいたかったものは一部お嬢さんが教えたようだね?」
悪いか?
俺は【カニタマ】討伐のために悠長なことをやってられなかったからな。
それくらいのことは茶々を入れさせてもらったぞ!
「いや、いい。
私はそれを半分見越して配置転換をしたのだからね。
私から教えたのでは意味がないが、お嬢さんからならば角度の違う形で伝わり視野も広がるはずさ」
けっ、そんなことだろうと思ったぞ。
俺を利用する気満々だったからな。
「それはお嬢さんも同じではないかね?
【海図航海士】君を私に直接任せてきたのだから」
……それを言われると弱いんだよなぁ。
食えないやつだよ。
楽しかったことだけは覚えているカニよ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




