2364話 アイドルの声援、漲る力
【ロイス=キャメル】の蹴りを食らって吹き飛ばされてしまった俺だったが、一応斬撃を食らわせることは出来ていたのでまだまだ不利ではない。
ここからどうやって勝ちに行くかだが……
おい、【ジェーライト】!
身体をボマードちゃんに返してやってくれ!
ここから先はお前の火力じゃなくて、俺の補助に徹してもらいたい。
【ペグ忍者】がペアの時にはやる意味もなかっただろうが、俺がペアなら話は違うはずだ。
むしろ、俺こそが最適なペアとして動けるんだからな!
「仕方ないナァ!
イャ~、もっと俺様も暴れたかったんだが、手の内のバレた俺様だとここが限界みたいだゾォ!」
「……【ジェーライト】さん、ありがとうございました!
いや~、ここからは私が頑張る番です!」
俺が依頼したように【ジェーライト】は意識を手放し、身体の主導権を本来のボマードちゃんへ返したようだ。
「ボマードの名で命じます!
スキル発動!【名称公開】ー【修練武器上位解放】ー【聖淵音声】!
さらにスキル発動!【名称公開】ー【修練防具上位解放】ー【魚尾包装】!」
【ボマードは自らの名称を公開した】
【ボマードに知名度に応じたステータス低下効果付与】
ボマードちゃんが発動させたのは……
【修練武器上位解放】と【修練防具上位解放】だった。
流石に俺の意図を察してくれたようで何よりだ。
手に持っていたチュートリアル武器のマイクに黄金色と黒色の装飾がつけられていき、ボマードちゃんの背後にスピーカーが生み出され、4つ宙に浮いている状態となった。
あと、【修練防具上位解放】によって服装もフィッシュテールドレスへと変化していたのでまるで擬似的なステージ歌唱準備が整ったような感じだな!
「このマイクは私の声を聞いている敵にデバフを、そして味方にはバフをかける効果があります!
いや~、あとは声に関するスキルも大幅に強化されますよ!」
「これが上位解放装備を2つ使える包丁次元プレイヤーの力ですか!
しかも本人が戦うためではなく、補助するために特化しているのは興味深いです!
ぼくも先生を全力で補助できるようにならないと……!」
「キャメルちゃんは今のシャルルも好きだよ♪
キャメルちゃんに執着しないで自分の可能性を伸ばしてね♪」
そうして俺へのバフがかかっていき、身体が黄金と黒色のオーラに包まれていく。
もはや俺のために生み出されたと言っても過言ではない【修練武器上位解放】ー【聖淵音声】は俺に対して使われることで絶大な力を発揮する!
【深淵纏縛】状態なのに【夢幻深淵】状態に等しいくらいのスペックまで高まっているのをひしひしと感じるからな!
「私と【包丁戦士】さんの愛の結晶ですからね!
いや~、これくらいのサポートはできて当然です!
私の最高に輝いている【包丁戦士】さんの力、思い知ってくださいね!」
いや、別にお前のものになったつもりはないんだけどな……
だが、お前の想いを受け取った上での強さだってことも事実だ!
これでステッキ次元ペアを圧倒してやる!
スキル発動!【堕枝深淵】!
俺は黒色の茨を生み出し、【ロイス=キャメル】と【シャルル=ホルムズ】の身体を絡め取っていく。
「脚力強化して逃げてたのにすぐ追いつかれちゃった♪!?
身体スペックだけじゃなくて、スキルの性能も格段に上がってるんだね♪」
「まさか先生とぼく、二人同時に捕まってしまうなんて!?
【包丁戦士】さん、急に強くなりすぎじゃないですか!?
いつもその状態なら次元戦争でももっと楽に勝ててましたよね……」
いや、そりゃそうだろ。
これだけ大幅な強化を受けられるなら【ランゼルート】はともかくとして、【師匠】にも互角くらい、他のMVPプレイヤーも変な強化を受けてなかったら追いつかれないだろうくらいのステータス上昇率だからな!
それにスキルの早さだけじゃなくて、スキルの強度も上がっているぞ?
その証拠にお前らがどれだけ動いてもほどけたり、破壊できる状態じゃないだろ?
「くっ、確かにそうですね……
手足が全く動きません……」
「キャメルちゃんを縛ってどうしようっていうのかな♪
趣味が悪いよ♪」
うるさい!
趣味が悪いのはお前の方だろ……っ!
それはさておき、縛ったお前らを仕留めてやらないとな……!
やはり修練武器、修練防具の可能性は凄まじいものです。
レイドボスではたどり着けない、冒険者であるプレイヤーとしての真髄とも言えますね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




