2363話 成功はピンチの連続
「【包丁戦士】ちゃんには何度も見せた手札だけど、キャメルちゃんの初動はこれからだね♪
大罪スキル発動♪【色欲陰桃】だよ♪」
【ロイス=キャメル】が【色欲】の力を貸与されてからまず使ったのは大罪スキルの【色欲陰桃】だ。
ステッキから桃色のエネルギー弾を放つというシンプルな性能だが、一対一ならともかく今回はコンビ戦のようなものだ。
つまり……
「先生に合わせます!
スキル発動!【蒼狼風咆】!」
【ロイス=キャメル】の攻撃を補助するように【シャルル=ホルムズ】が使ってきたのは聖獣スキルの【蒼狼風咆】だ。
【ロイス=キャメル】のエネルギー弾が展開されていない範囲に広がる形で咆哮が放たれているので、このままだと【色欲陰桃】か【蒼狼風咆】……どちらかに当たる布陣を一瞬で生み出してきたわけだな!
向こうは一撃で俺たちを倒すというよりも確実に余力を削って消耗戦で勝とうという魂胆なんだろうよ。
……まぁ、攻撃が分散しているから防げないことはないんだが、俺たちにだってやれることはある!
「俺様の半身ヨォ!
イャ~、こっちは一点集中してあれを突破するゾォ!
スキル発動!【魚尾砲撃】!」
ボマードちゃん(【ジェーライト】)は極太レーザー……ではなく【魚尾砲撃】の別バージョンである毒球を複数放っていき【ロイス=キャメル】の放ったエネルギー弾を相殺しようとしている。
……だが、【色欲】の力を極めつつある【ロイス=キャメル】の攻撃を一人で相殺し尽くすのは無理だろう。
だからこそ、軸になる俺が加勢しないとな!
当然ボマードちゃん(【ジェーライト】)はそれを織り込み済みで毒球バージョンの【魚尾砲撃】を使っているんだろうし。
というわけでスキル発動!【魚尾砲撃】!
さらに重ねてスキル発動!【魚尾砲撃】!
俺も【魚尾砲撃】を放っていく。
極太レーザーと毒球のおかわりだ!
くらえぇっ!!!
「きゃっ♪
攻撃を広げたのがあだになっちゃったかな♪
……なんてね?♪
大罪スキル発動♪【色欲絶跳】だよ♪」
遠距離攻撃の布陣が突破されて崩れるかと思ったステッキ次元側だったが、【ロイス=キャメル】は一切動じずに新たな大罪スキルである【色欲絶跳】を使ってきた。
この切り替えの早さ……攻撃を突破されること前提で動いていたな!?
意表を突いたつもりだったんだが、これまで織り込み済みとなればまずいな!?
【ロイス=キャメル】は足に大罪のオーラを纏わせながら俺たちの方へと急接近してきている。
大罪スキルである【色欲絶跳】は一定時間脚力を大幅に強化するシンプルな効果を持つ。
……そして、シンプルだからこそ応用も利かせやすい。
今回のように移動速度を上げるために使うことも出来るし、この後も……
「……やっぱり【包丁戦士】ちゃんには止められちゃったよ♪
なんでこんなに攻撃を受け流すの上手いのか気になっちゃうよ♪
反撃も受けちゃった♪」
【ロイス=キャメル】は強化された脚力を活かして回し蹴りを仕掛けてきていた。
俺も何かしらの蹴り技が来るのを警戒していたのもあって包丁を使ってその衝撃を受け流していき、返す刃で【ロイス=キャメル】の腕の一部を切り裂くことに成功した!
一番油断するタイミングは自分が勝ったと思う瞬間だ!
作戦が決まったと思っただろ?
だから俺の包丁による攻撃をまともに受けたんだろうよ!
「確かにそうかもね♪
でも、それは【包丁戦士】ちゃんも同じだよ♪
それっ♪」
包丁による一撃を受けた【ロイス=キャメル】はなんと回し蹴りを二周し始めたのだ!
いやいや、いくら勢いよく回っていたからってまた回し蹴りかよっ!?
俺は土手っ腹で蹴りを受けて後方まで吹き飛ばされていってしまった。
くそっ、してやられた!?
肉を切らせて骨を断つを【ロイス=キャメル】に実践されてしまったわけだ。
受けたダメージは同じくらいだろうが、ここまでの戦闘でのダメージ蓄積を考えると俺が不利なままだ。
【暴食】の権能さえ借りられたらドレイン効果で回復出来るんだが、【ロイス=キャメル】のやつは自己完結させて大罪を起動させてしまったからなぁ。
俺も自由自在に大罪の起動が出来たら良かったんだが……
出来たり、出来なかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




