2311話 ガーデンバトル開始前のひと悶着
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は事前に【菜刀天子】から告知を受けていたように次元戦争が開催される日だ!
その証拠に、ウインドウ画面の【上位権限】という項目が点滅している。
あきらかにこの項目を選べという意志がひしひしと感じられるので、それを押すと「【上位権限】【Battle Garden】展開!」という文字が現れた。
これまでは【Battle field】だったのだが、【Battle Garden】へと変わっていることから戦いのステージがこれまでから新たな段階へシフトしたのが伝わってくる。
ここで時間を潰す意味も特にないので決戦の舞台へいざ参ろうじゃないか!
そう考えた俺は口を大きく開き、【上位権限】の起動ワードを唱えていく。
「【上位権限】【Battle Garden】展開!」
俺は包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。
そして、その奔流に呑み込まれるようにして俺は天子王宮から姿を消していったのだった……
【Battle Garden 地動戯場 水平夢バミュウ】
俺が飛ばされてきたのは……今さら説明するまでもないが一応説明しておこう。
見渡す限りの海にほんの少しの陸地が設置された戦場だ。
エリアの名前として水平夢バミュウとつけられたようだが、果たしてエリアのどの特徴を読み取ってつけられたのやら……
「とうとう戦いが始まったのだ!
みんな、頑張るのだ!」
俺と同時に転送されてきた【夢魔たこす】がさっそく今の時点でいるメンバーたちに激励を飛ばしていた。
まだ移動してきたばっかりなのに元気なやつだな。
……まぁ、あの無邪気さがある意味MVPプレイヤーとしては珍しい武器なんだろうけど。
「フェイちゃんはフェイちゃんのやり方でいいんだよ。
無理をして張り合わなくてもいいさ。
繊細なフェイちゃんはそれを活かしてみんなと頑張ればいいし、みんなと頑張るのが辛いなら俺と二人だけでやってもいい……かもね?」
遠巻きに【夢魔たこす】の方を見ていた俺の様子が気になったのか、【フランベルジェナイト】は気を遣って声をかけてきた。
その内容も完全に俺に気をつかったものなので、本当に立ち回りまでイケメンなんだよなぁ……
こいつを引っかけたのが俺で申し訳なくなるくらいには全夢女子が涙するシチュエーションの一つだろうよ!
「とりあえず、陸地でしか戦えないプレイヤーは陸地で待ち構えるのだ!
たこすちゃんたちみたいに海で動けるプレイヤーは泳ぎ回るのだよ~!」
雑な指示だが、それでいて簡潔な方針の伝達だ。
【夢魔たこす】というキャラクター性で出すならあれ以上は不要だろう。
あとは周りが勝手にやってくれるはずだ。
「おい、【包丁戦士】!
俺らはお前に従うつもりはないからな」
「そうだそうだ!」
「普段のお前のプレイヤーキラー行為に辟易してるんだから!」
一方でこちらは俺に従わない宣言をあらかじめしてきていた。
いや、毎回こういうやつらが出現しているからいつものことと流せるんだが、向こうとの対比で悲しく思えてくるな……
まぁ、勝手にやらせる分には俺が面倒を見る手間が省けるからヨシとしよう。
だけど負けたときに俺のせいにするなよ?
……もちろん負ける気はないがな!
「本当に【包丁戦士】が前に言ってたみたいになってるのだ……
冗談かと思ってたのに本当で驚いたのだよ!?」
まぁ、MVPプレイヤーなのにこの扱い方をされているのも珍しいかもな。
だが、ある意味ではこれが勝利の秘訣なのかもしれない。
俺の意思が介在しない別動隊がいると考えることも出来るからな!
「その考え方はポジティブで大好きなのだ!
前向きに行くのだ!」
それは前向きというより開き直りと呼びそうですが……
いえ、勝利に繋がるのであれば今回は口を閉じましょうか。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




