2310話 揉め事仲裁キラー
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はアンカー次元のプレイヤーである【摺鉢みすり】と会話しながら戦場の構築をしていたな。
話を聞いた感じアンカー次元の中でもツッコミ役みたいな立ち位置のようだったが、半分は放棄して一緒にハチャメチャやることが多いらしい。
まぁ、変に抗うよりも流れに乗った方が圧倒的に気楽だろうから仕方ないけどな……
というわけでやって来ました草原エリア!
ここにあるガーデンバトルの戦場へ行くためのワープゲートを通るとそこには……
言い争いをしている包丁次元プレイヤーとアンカー次元プレイヤーたちがいた。
「おい、ここは陸地にする予定だっただろ!
俺たちが持ってきたリソースはどうしたんだ!」
「いやいや、俺は海を深くする予定だったって聞いてたんだが?
というか陸地なんているか?」
どうやら地形の計画の認識齟齬で揉めていたようだ。
包丁次元としては陸地が欲しいのでそれを増やすために作業しているんだが、一方でアンカー次元は海を広げたり深さを増したいという認識で動いているのでそちら方面の改築をしているわけだ。
やりたいことが正反対なので当然こういう争いも生まれるよなぁ……
「おっ、【包丁戦士】がいるじゃんか!
包丁次元の代表としてこいつらアンカー次元に何か言ってやってくれよ!」
少し遠巻きに見ていた俺だったが目のいいやつに見つかってしまったらしく、争いの中心へと連れてこられてしまった。
まぁ、せっかくだしやるだけやってみるが……
おいお前ら、ここは【夢魔たこす】との合意で陸地にするって話になっていたはずだぞ!
それを海にしようっていうのはどういう魂胆なんだ?
「えっ、そんなはずは……
だってたこすちゃんからは海を深くしてと言われてたのに!?」
おっと?
これは伝達ミスの可能性が高そうだな……
まぁ、マップ自体も広いし場所を間違えて指示を出してしまったのかもしれない。
メンバーの数もそこそこいるから、全員に的確に指示を出すのは難しいからな!
俺だってミス無しで指示できているとは思えない。
多分、その辺は現地で居合わせたプレイヤー同士で認識を擦り合わせていい感じにしてくれているのだろう。
その上で、今回みたいな諍いも起きるってわけだ!
「だけどもう海は深くしちゃったぞ!?
どうすんだよ、これ……」
うーん、とりあえず喧嘩両成敗ってことで……
お前ら全員キルしてやろう!
俺は今回MVPプレイヤーに付与されている制裁権限を用いて範囲内の戦闘制限を解除していく。
そして、包丁次元とアンカー次元の言い争いをしていたプレイヤーたちを同時に切り裂いていった。
「おいおい、あいつ味方ごと切り裂いていったぞ!?
正気か!?」
「正気なんだよなぁ……
【包丁戦士】といえば包丁次元では狂人として有名で、悪質なプレイヤーキラーなんだよ。
この光景も日常茶飯事」
「うわぁ、包丁次元嫌すぎる。
御愁傷様……」
二人の命の俺の評判を犠牲にしてアンカー次元と包丁次元の謎の連帯感が生まれたみたいだな……
複雑な気分だが、まぁ、揉め事の雰囲気を一旦チャラに出来たんだからヨシとしておこう。
とりあえず計画通りここは陸地にしてくれ。
深くした海の部分はリソースが勿体ないが、やり直しだ!
「うげぇ、やっぱりそうなるか……」
「しゃーなし頑張るか……」
モブプレイヤーたちは嫌そうな顔をしながらもテキパキと手を動かし始めた。
……うんうん、とりあえずこれでヨシ!
せっかくだし今日は他のところ見て回って諍いを仲裁してくるか……!
趣味丸出しですね。
プレイヤーキルをする口実を探し回るという魂胆が透けて見えますよ?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




