231話 光と闇が合わさり
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は【検証班長】とちょっと実験をしてみようと思っている。
「おはようございます【包丁戦士】さん。
急に実験をすると言われたので驚きましたが、それならボクの出番だからね。
【包丁戦士】さんがやることはいつも中々興味深いから、呼んでくれて嬉しいかな」
まあ、俺としても来てくれて助かった。
実験で第三者の目があるっていうのはそれだけで助かるが、この次元のブレインである【検証班長】なら百人力だ!
「いつも思うけれど、【包丁戦士】さんはやけにボクを持ち上げるよね?
いや、嬉しいですけれど照れますね……」
おー、ウブだね~
素直に称賛しているのはもちろんのことだが、そういう反応が面白くてやっているのもある。
俺の性格からして、からかいたくなってしまうからな!
「【ペグ忍者】を忘れてイチャつくのは止めるのら~!」
うわっ、音もなく現れるなよ!?
俺の背後から気配を消して現れたのは、 見た目は黒い猫耳頭巾を被ったピンク髪ロングヘアー、そしてよくあるくノ一装束を着ている幼女の【ペグ忍者】だ。
淫乱ピンク髪ペド忍者もここにいるってことは、俺の実験のために生け贄になってくれるのは……
「そうです、この【ペグ忍者】を相手にしてください」
やっぱりか。
というか前々から思ってたけど、【検証班長】が唯一敬称をつけずに名前を呼ぶのって【ペグ忍者】だけだよな?
この淫乱ピンク髪ペド忍者がどうして検証班というクランに所属するようになったのかも不思議だし、この二人の関係ってなんなんだろうな?
「秘密なのら~!」
「そうですね、またの機会にでも話しましょうか。
今回はそれよりも実験をするのでしょう?
はやくそっちに移りたいのだけれども!」
出た、【検証班長】の熱中癖。
この状態になったら言い区切りになるまで止まらないし、さっさと話を進めるか。
……俺が試したいのは、深淵天子の特性についてだ。
狐耳ロリ陰陽師と話しているときに気づいたことだが、この深淵種族と天子の力の中間を取った中途半端な種族だが、流石に中途半端なだけだとは信じたくない。
剣と魔法の両方を使える魔法剣士的な感じで、基本性能はどっち付かずだが、独自の強みが何かしらあるはずだと思ったわけだ。
「【包丁戦士】しゃんは中途半端なのら~www」
うるさいぞマセガキ!
【風船飛行士】みたいな煽り方するなよ、あれは人間として悪い例だ。
「それで、深淵種族の特性を把握したいのはわかりましたが、どのように確認するのですか?
何かあてがあるなら話は早いのだけれどね」
とりあえず【天元顕現権限】と【深淵顕現権限】をスキルチェインできるか確認してみるつもりだ。
前に【深淵顕現権限P】と【深淵顕現権限Ж(ジェー)】を同時に使ってみたら同時発動可能だったしな。
だが、この【天元顕現権限】と【深淵顕現権限】は今まで同時に発動したことがなかった。
天子と深淵種族の性質が相対するものって聞いてたから、変に合わせて使わずに別々に使うようにしていたのだ。
あと、それぞれスキルのデメリットが結構面倒だから合わせて使えるようなタイミングが無かったというのもあるな。
生け贄とくそ長クールタイムのデメリットが合わさったら主力スキルが半封印状態になることを恐れていた。
だが、とりあえず今は暇なのでその辺りの確認をしたいというわけだ。
「さあ!来るのら!」
よしっ!
スキル発動!【深淵顕現権限P】【天元顕現権限】!
俺はどさくさに紛れて確保していたその辺のモブプレイヤーを生け贄に捧げて光の粒子へと変換した。
俺の実験に使われるんだから、命なんて惜しくないよなぁ?
【スキルチェイン【深淵顕現権限P】【天元顕現権限】】
【追加効果が付与されました】
【デメリットが増加しました】
スキルの発動と同時に俺はまばゆい光と、漆黒の霧に包まれた。
ただ、均等に光と闇が包み込んでいるわけではなく、身体の左半分が光に覆われているのに対して、身体の右半分は闇に覆われている。
アンシンメトリーのような感じるが、この相対する二つの力の奔流を完全に掌握するのは難しい……
俺にもっと力があれば完全に混ぜることが出来たんだろうが……
「これは……とても綺麗ですね!
ボクはつい見とれてしまいましたよ」
「【包丁戦士】しゃん、なんだか痛いキャラメイクをしてしまった中学二年生みたいな感じになっているのら~」
……光と闇が俺から離れていくと、俺の背中には二枚の翼が生えていた。
左が若干薄い黄色がかった白いの羽、右が漆黒の羽だ。
これが光と闇が合わさり最強に見えるってやつのまさに良い例だ。
【ペグ忍者】が言ったように、あれに目覚めてしまった中学生がやりがちな妄想を具現化したかのような見た目になってる。
【個人アナウンス】
【【包丁戦士】に称号【神淵使徒】を付与しました】
【称号の効果で【Deification】!】
【【包丁戦士】の神度が4になりました】
【称号の効果で【Bottom Down】!】
【【包丁戦士】の深度が28になりました】
おっ、なんか上がったな!?
薄々この展開は予想していたようですね?
【Bottom Down-Online Now loading……】




