2309話 摺鉢みすりの気苦労
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はMVPプレイヤーの俺と【夢魔たこす】以外のプレイヤーがガーデンバトルの戦場に入れるようになっていたので、海以外の戦場の構築を開始していたな。
特にそこで合流したプレイヤーの中に【フランベルジェナイト】がいて、基本的に一緒に行動していたな。
【フランベルジェナイト】は俺に対して過保護なところがあるから、存分に頼らせてもらっていたぞ!
というわけでやって来ました草原エリア!
ガーデンバトルに行くためのワープゲートを通っていくと、何か見たことのあるプレイヤーが俺の前に現れた。
現れたのは緑色の髪に赤いカチューシャをつけた女だ。
……カチューシャに小さい摺鉢のようなものがついているのは気にしない方がいいのだろうか。
短めの青いマントのようなものをつけているが、服は基本的に緑色だな。
緑色に拘りがあるんだろう。
「【包丁戦士】久しぶりやな。
前に流刑次元でレイドボスを倒した時以来って認識でおうとるか?」
そう、こいつは【夢魔たこす】の相方的プレイヤーの【摺鉢みすり】だ。
コテコテの方言で喋っているが出身地を公言しているようなものだが大丈夫か?と思ってしまう。
質問の答えだが、確かにそれくらいぶりだよな。
敵として戦ったのはさらにそれより前だ。
「ウチはMVPプレイヤーでもあらへん。
会う機会が少な~なるのもしゃあないか」
MVPプレイヤーの【夢魔たこす】ですら会う機会が少なかったから、そこに所属するプレイヤーはより少なくなるのも仕方ないよな……
MVPプレイヤーは強制選出だが、次元の他のプレイヤーたちはほぼランダム選出みたいなものだ。
たまにMVPプレイヤーに選出権利があったりするんだがその権利が与えられる法則性もないので結局はゲーム運営プロデューサー次第だ!
「今回はアンカー次元に有利な戦場ってことで海ばっかりになっとるけど大丈夫なん?
たこすちゃんがど~せ、無理言ったんやろうな、知らんけど」
おっしゃる通りで……
流石【夢魔たこす】の相方だな!
一ミリ違わずその通りの展開だぞ!
「ほんま困ったもんやで……
ウチに迷惑かけるのはしゃ~ないけど、他の次元の味方に迷惑かけるのはちゃうんよ」
【摺鉢みすり】にはその辺りの良識がきっちりあったんだな……
お前みたいなストッパーになりそうなやつがいても止まらない【夢魔たこす】は良くも悪くも相当の牽引力があるんだろうよ。
「それは【包丁戦士】も同じ気がするけどちゃうんかな?
それにウチはストッパーよりも一緒に馬鹿やることが多いねん。
ばか正直に毎回ツッコミ入れてたらウチが過労死してまうわ!」
【摺鉢みすり】は半分げんなりしながら肩を竦めていた。
こいつにはこいつなりの苦労があって今の【夢魔たこす】とのつきあい方があるのだろう。
まぁ、俺にプレイヤーキラーを止めろと言われても止めないのと同じように、【夢魔たこす】もどれだけツッコミを入れられても変わらないんだろうな。
MVPプレイヤーっていうのは群を抜いた功績を上げたうえでなっているわけだから、それを出せるほどの自我の強さを兼ね備えている。
ちょっとやそっとで周りに流されているようでは務まらないのだろうよ。
「まるで他人事やな。
【包丁戦士】自身も理屈は理屈は分かっても、あんまり実感はないみたいやな。
ほんまに強いプレイヤーは手がかかるわ」
そう言われてもなぁ……
自然体でやってるだけだから仕方ないだろ!
三つ子の魂百までって言うくらいだ、そう簡単に根本は変わらないってことだ。
直すべきところは直しましょう……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




