2307話 出したり出させたり
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【検証班長】にガーデンバトルの戦場案について聞いていたな。
全体を海にするという案についてのメリットやデメリットを聞いていたのだが、【検証班長】視点から見ても改善点は幾つかあるとはいえナシではないという判断だった。
まぁ、面白そうなのでせっかくの【夢魔たこす】の提案だしやらせてみることにしよう。
というわけでやって来ました草原エリア!
ここからガーデンバトルの戦場にいくワープゲートを通っていき、入っていくとそこには既に海水で水浸しにされた戦場があった。
おいおい、行動が早すぎだろ……
昨日の俺と【検証班長】の話し合いは何だったんだと言いたくなるくらいにはハイスピードで戦場が作られていた。
「あっ、【包丁戦士】が来たのだ!
【包丁戦士】が来ない間に戦場を作っちゃったのだ!
このスタート地点だけはみんなが溺れないように陸地にしてあるのだよ~!」
作っちゃったのだ!……じゃないんだよなぁ……
確かに海水で埋め尽くすのは使うリソースが少ないからすぐに出来るって聞いていたが、まさかここまですぐに終わってしまうとはな……
だが、敵にも水辺に特化した集団がいるからな。
そこが敵だったことを考えて迎撃のための陸地部分もきちんと作った方がいいと包丁次元の頭脳担当が言っていたぞ!
あとは水流科が敵になった時のトラップも考えておきたいところだ。
「それはたこすちゃんたちが得意なのだ!
深海種族レイドボスをいっぱい倒してきたパワーを見せちゃうのだよ~!」
それもそうか。
どの次元よりも海エリアの攻略を進めていたのは他でもないアンカー次元だ。
深海種族レイドボスを倒してきた経験があれば、それよりは流石に弱い天昇箱庭側プレイヤーを海で倒すことを出来るだろう。
そこまで豪語するなら俺は文句はない。
だが、包丁次元は海に適応していないプレイヤーがいっぱいいるから、ちゃんと防衛側に有利な陸地は作ってくれよな!
「そこは【包丁戦士】も頑張るのだよ?
陸の戦闘は包丁次元の方が得意なはずなのだ!」
くっ、リソースの消費をこっちに押し付ける気か!?
まさか海でフィールドを埋めたのはそういう魂胆が……!?
……いや、【夢魔たこす】に関してはそれはないか。
きっと偶然そうなっただけだろう。
でも、【夢魔たこす】の偶然は本人も言っているように天性の豪運に裏付けされたものだ。
意図してなくても本人に利のある行動になってしまうというものも含まれているんだろう。
羨ましすぎるなぁ。
とはいえ、俺たち包丁次元だけでリソースを賄うのはお門違いだ。
きっちりアンカー次元側からも出してもらうぞ?
「……陸地をいっぱい使うのは包丁次元なのだ!
多少は出すけど、包丁次元の方がもっといっぱい出して欲しいのだ!」
……まぁ、そこがいい落としどころだろうな。
より使いたい側が多めにリソースを捻出するのは理屈として間違ってないからな!
そして、アンカー次元からもリソースを出させることの確約が取れたのでヨシとしよう。
これで一方的に包丁次元だけ出さないといけない感じだったら損した気分になるし、包丁次元プレイヤーからも不満タラタラになっていたことだろうからな!
俺への批判は慣れているからいいが、アンカー次元との関係性が最悪のままスタートしたらまともな連携が取れない可能性もあったしリスクケア出来たと考えておこう……
最善とは言い難いですが無難な落としどころまで運んだのは褒めておきましょう。
劣化天子も交渉ごとに少しずつ慣れてきましたね?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




