2299話 素直な海賊
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【絶深海溝の異旧外主】……【カニタマ】のレイドバトルに参加していたな。
俺以外のメンバーは何度も挑んでいるようだったが中々凄惨な戦場だったと言わざるを得ない形だった。
俺から見てもそうだったし、敵である【カニタマ】からも苦言を呈されていたことからも明らかだっただろう。
俺の魔海城船アンサンセを貸せば何とかなるものだと思っていたんだが、世の中そう甘くないらしい。
もっとテコ入れしないと勝つまでかなり遠いぞ……!?
というわけでやってきました海エリア!
ここで【海図航海士】と作戦会議だ!
「今日は攻略をしない。
一度【包丁戦士】さんの意見を傾聴」
【海図航海士】も昨日の俺の反応を見てこれはまずいと思ったのだろう、俺と同じ意図で集まってくれていたようだ。
とりあえず船の問題は解決したが、肝心の戦闘そのものがどうにもなってないよな……
勝ちの目処が立てば俺が用意したあらゆる援軍を連れてきてやるが、それも回数制限があるから迂闊に連れてこれないんだ。
だからこそ、まずはプレイヤーだけである程度戦える状態を作らないといけない。
これまでのレイドバトルでは勝てていたんだろ?
相手が【上位権限】レイドボスというこれまでとは格上とはいえ、流れは一緒じゃないのか?
「……もしや【包丁戦士】さんには無影響?
【カニタマ】と相対すると狂気・恐怖判定が行動の度に行われるようになるから身体の操作やスキルの発動に支障が出ている。
だからこれまでの連携方法が使えず戦線崩壊」
んなっ!?
そんなことになっていたのか!?
TRPGにある正気度のロールみたいなやつか……
俺には一切影響していなかったし、それを感じることすら無かったんだが。
「理由は不明。
でも、【包丁戦士】さんが例外なのは明白。
正気度ロールへの対抗手段か、判定が悪くても対処できる方法は考えたい次第」
俺は謎に狂気への耐性があるみたいだからな……
【タウラノ】も【カニタマ】と同じ様にプレイヤーの正気を失わせるスキルを使ってきていたが、俺はあの時も平然としていたからな!
だが、これに関しては俺のをあてにされても困るから、動かなくても対策できる方法を考えた方がいいだろう。
「やっぱり防御を固めるのが簡単?
簡易的な壁を作って攻撃を遮断」
……まぁ、悪くはないと思うが【上位権限】レイドボス相手にそれがどれくらい通用するかだよな。
数回だけなら機能するとしても、その後に別の方法を用意しないといけないわけだ。
壁を作る案は動かすとして、別の案も並行して考えるべきだろう。
こういうのは2案、3案あったほうが安全性を増すからな!
どれかが躓く可能性だって十分にあり得るだろ?
「全面的賛成!
俺もやるからには確実に勝利を掌握!
あらゆる困難を打破!」
おおっ、テンション上がってるな~
【海図航海士】が中心となって攻略している海エリアの【上位権限】レイドボスだから気合いも入っているんだろう。
こいつは反応が途轍もなく素直だから分かりやすくて扱いやすいな……
見た目が海賊だから格好よさもあるが、その反面反応は可愛いぞ。
このギャップにやられる女子もいそうだが、こいつから女っけのある話は聞いたことがない。
見る目がないんじゃないか……?
「……っ!?
【包丁戦士】さんからそんな話題が出てくるとは驚愕!」
それは失礼な。
俺は可憐な乙女だぞ?
恋バナの一つや二つくらいしたっていいだろ!
「大変失敬……」
そこまでへこまれると指摘したこっちが逆に申し訳なくなるな……
よくここまで素直なやつが他のやつに利用されてこなかったな?
今度他のやつらに【海図航海士】の評判とか印象を聞いてみるとするか……
どんなことが聞けるのやら。
主観と客観でどのように異なるのか対比するのはいいことです。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




