2293話 デバフへの対抗手段
【検証班長】の作成したチャートに従い攻略を進めていく俺たち。
前に挑んだときよりも途中までの攻略スピードは早かったが、レイドバトルでの【マヒク】へのダメージ量から考えるとかなり前回より遅くて、短縮された分の時間はここで帳消しにされたわけだな。
だが、安全性は確実に増しているし今後の展開を考えるとこの程度の時間のロスは必要経費だろう。
そもそもこのレイドバトルに時間制限はないし、慎重に進めるのが一番だな!
「【包丁戦士】しゃん、そろそろあれが来る頃じゃないのら?」
【ペグ忍者】が忙しなく動きながらも声をかけてきたが、警戒しているのは間違いなく超強力なデバフだろう。
前に挑んだ時はあれをくらって俺と【ペグ忍者】が一切身体を動かせなくなってしまったからな。
【ペグ忍者】しか攻撃要員がいないから、何とかして守りながらいきたいところだが……
「あっ、【マヒク】の後ろの方で緑色に光ってるのら!?
あれは尻尾……?」
どうやら【マヒク】の尻尾が光り輝いているようで、それが地面に突き刺さろうとしていた。
やはり地面に突き刺さるのがトリガーだったか!?
あの動作を妨害できたら話は早いんだが、位置関係的に今回は間に合わないな!?
「にゃにゃにゃにゃっ!?
やっぱり動けなくなったのら……
身体が重すぎるのらよ……っ!?」
くっ、やっぱり【ペグ忍者】はデバフに捕まったか!
このままでは前回の二の舞……と言いたいところだが、俺はそこそこ動けるな!?
当然デバフの影響自体はあるのだが、普段の半分くらいのパフォーマンスくらいは出せる程度にデバフの影響を抑えられているな。
【ペグ忍者】が全く動けていないことを考えるときちんと対策が出来ているわけだ。
というわけで、動ける俺が対抗策を打つしかない!
ここからは【検証班長】のチャートにはないアドリブだ!
オリチャー発動ってわけだ。
剣現せよ、【封地剣マヒク】!
スキル発動!【封印土剣】!
俺の手元に現れたのは【封地剣マヒク】……目の前にいる世界剣獣【マヒク】と同種の力を持つ剣だな!
これを地面に突き刺していき世界剣種としての力を発揮させていく。
本来ならその土地にいる相手にデバフを与えるスキルなのだが、今回は向こう側の力の影響が強い関係でデバフを与えることが出来なかった。
だが、力の押し合いをした甲斐はあったようで……
「なっ、何とか動けるようになったのら……
3割くらいのパフォーマンスに落ちたのらけど、これならまだ戦えるのら!」
【ペグ忍者】が戦線復帰して、【マヒク】の突進を紙一重で回避することに成功していた。
そして、俺はアルベーの深淵細胞の力と【封地剣マヒク】のデバフの押し返しがあったのでパフォーマンスが8割まで戻ってきた。
……こう考えると俺個人にしか影響はないとはいえ、アルベーの深淵細胞って本当にデバフに対する抵抗力が強いんだなぁ……
「でも、動けるようになっても【包丁戦士】しゃんも【ペグ忍者】も完全な状態じゃないのら。
油断したらすぐに死に戻り確定なのらよ~!
もうやり直したくないのら!」
それはそうだ。
俺だって何回もやり直したくてやっているわけじゃない。
さっさとクリアして世界剣樹の中枢まで行きたいからな!
「【包丁戦士】しゃん、注意するのら!?
地面から蔓が生えてきたのらよ!?」
ちっ、ここから第2形態ってわけか。
形態変化の時に致死量のデバフを与えてからのスタートって相変わらずボトムダウンオンラインクオリティというか、人権のなさを感じるぞ……
俺がアルベーの深淵細胞と【封地剣マヒク】を持っていなかったらどうやってこいつを倒すために動き出すことが出来るんだろうか?
逆に何を運営は想定しているだろうかなぁ……
とりあえず俺たちは迫り来る蔓たちを回避していくわけだが、【マヒク】本体からではなく地面から生えてくるので対処が中々難しい。
地面だけを見ていたらひび割れる前兆があるので事前に回避場所を見つけることが出来るんだが、【マヒク】本体も突進して来ているから危険極まりない!
「【包丁戦士】しゃん、こっちに壁張って欲しいのら!」
【ペグ忍者】が口頭で俺に依頼を出さないといけないくらいには俺も【ペグ忍者】も余力がない。
この蔓攻撃で片腕をしれっと二人とも失ったので、被弾場所は減っているもののバランスの取りにくさも相まって窮地に追いやられている。
攻撃が苛烈になったってことは【マヒク】を倒すギリギリのところまで来ているってことでもあるんだから、何とかしてかいくぐっていきたいところだが……
頼みますよ。
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